今では名キャッチコピーどころか、立派な日本の風習のなってます。
しかしながら、源内さんが考えたキャッチコピー(=当時風でいうと口上)はこれだけではありません!!
それを証明する史料が
平賀源内記念館に残されています。
それがこちら、『飛花落葉』
平賀源内が亡くなって三年後の1783年に大田南畝が源内が生前に書いた口上=キャッチコピーをまとめた本です。
その1つ、京都の清水の名産であった『清水餅』の口上。
↓是非とも声に出して読んでみてください↓
『世上の下戸様方へ申上候。
そも我が朝の風俗にて、
目出たき琴にもちいの鏡子もち、
金もち屋敷もち。
道具に長もち、
魚に石もち、
廊に座もちたいこもち、
家持(やかもち)は歌に名高く、惟茂(これもち)武勇かくれなし。
かかるめでたき餅ゆえに、
このたび思いつきたての器物さっぱり清水餅、
味はもちろんよいよいと、
ご贔屓ご評判のおとりもちにて私身代もち直し、
よろしき気もち心もち、
かかあもやきもちうち忘れ、尻もちついてうれしがるよう、
重箱のすみからすみまで木に餅のなるご評判願い奉り候。
以上。』
この原文、口に出して読むとよくわかるんですが、巧みに『もち』というセンテンスで韻を踏み、実に軽快!ラップのように流れるように読んでいけます。きっと庶民達も私たちがCMの曲を思わず歌ってしまうように、口ずさんでいたに違いありません!
この口上の大体の意味なのですが、
「お酒が飲めない男は甘いものが好きだけど
そんな貴方が飲み会に清水餅を持って行けば女の子のモッテモテ
逆タマにのって家も持ってもて!
仕事だってのっりのり♪
だけどそううまくもばっかりもいかない。
だけどどんな問題も、嫁のやきもちも
清水餅があれば、嫁も大喜びで解決ですわ」
みたいな内容が書かれています。
現代のいわゆるスイーツ男子の要素も取り入れてベタ褒めに清水餅を宣伝しています。
しかも、この清水餅の宣伝はこれだけではなく第二弾も源内さんが作り、同書にまとめられています。
そして、そのふれこみ方が面白い!
この『清水餅 第二番 口上』は
なんと一転、口にするのもはばかれるほどに清水餅をボロクソに酷評しているのです。
昔、『買ってはいけない!』という本がありましたが、
広告でもよく商品のマイナスな内容を書くことで話題となり、結局その商品が売れてしまうという現象がよく起こります。
そういったマーケティングの手法を平賀源内はすでに心得ていたのです。
世の中の流れを完全に掌握し、物事の押し引きが大変巧かった源内さんだからこそ出来るキャッチコピーの高等テクニックを巧みに使い分けといえます。
うなぎ以外でも恐るべし源内さん…
平賀源内はよく日本で最初のコピーライターという言い方をされますが、
情報ツールのなかった江戸時代の世間を完全にコントロールし
、