さて、8月も終盤に差しかかかり、香川県内でも田植え時期の早い、さぬき市ではそろそろ稲刈りの季節がやってきます。
そんな実りの季節にさぬき市で猛威を奮いはじめる動物がいます。
それがイノシシです。
イノシシは真夏で雨が少なくなり山の作物が取れなくなった今の時期、収穫直前になったお米、野菜、果物を狙って人里下りて、田畑を掘り返して作物を荒らしていきます。
さぬき市のイノシシ被害は年間1000万円以上。香川県のイノシシ被害の1割がなんとさぬき市での被害となっている状況なのです。
イノシシといえば、電気がなかったような時代から山に住んで人間に悪さをしてきたイメージがありますが、実はさぬき市でイノシシの被害が出る様になったのはほんの20年前から!
原因は、イノシシが住む山の開発や人の手が入らない休耕田の増加などが上がられます。
その20年の間に、さぬき市とイノシシの間で戦いつづける男達に密着してきました…
私は、有害獣駆除としてさぬき市南部の山でイノシシ狩りをされている猟友会の方の協力を得て、暴れ回るイノシシ捕獲の様子を密着取材させていただきました。
案内いただいたさぬき市南部猟友会の田村さん、蓮井さん、佐藤さん。
特に田村さんはイノシシ狩り歴13年のベテラン、自らをさぬきのマタギと呼びます
イノシシの狩猟期間は本来11月からですが、畑を荒らす有害なイノシシが現れると猟友会に連絡が入り彼らが処分に向かいます。今朝もさぬき市松尾地区でイノシシを捕まえたばかりなんだそう。
山での狩猟といえば、猟銃をつかうのかなとお思いでしょうが、イノシシの足にかける罠とイノシシをまるごと捕まえてしまう檻を主に使用してイノシシを捕まえます。
全て猟友会の手作り。特にイノシシの足を捕まえて離さない罠は何千もの試作を繰り返して開発されたものとなっていました。一部分でも写真で紹介するだけでもイノシシ狩り界隈に激震が走るほどの逸品です。
檻はセンサー付きで、檻によって構造は1つ1つ違います。撮影はOKということと、檻なら危害を及ぼすことはないだろうということで(罠だとイノシシは足をひきちぎってまで逃げる場合があるそう…)
早速今日檻に捕まったばかりだというイノシシを見せていただきました。
さぬき市寒川の山で、横120×縦180×高さ80の檻にかかっていたのは雄のイノシシ(推定3歳)。
イノシシの山の中での平均寿命は4、5年と言われているので立派な大人のイノシシです。
重さは成人女性一人分くらい、
意外と小さい?
なんて思いませんでしたか?
いやいやいやいや。
オートで突進してくる50キロの砲丸だと思ってください。
小さな檻の中からつっこんで来ただけで鉄格子がまがってました。
イノシシは
助走なしジャンプで60センチの柵を飛び越え、
鼻先だけで自分と同じ重さの岩を持ち上げる
と言われています。
自他共に認める『猪突猛進』の私も
リアル猪突猛進に思わずドン引き
するのでした…
はっとーのそっこー讃紀行・さぬき市”猪”突猛進『うりぼーへの恋編』に続く
http://sanuki-asobinin.seesaa.net/article/288069670.html
(『猪突猛進』この四文字熟語からアホで単純に思われがちなイノシシですが、実は犬と同じ程と言われるほどとても賢く臆病な生き物です。猪突猛進モードになるのは臆病故に細心の注意を払っていたにも関わらず突然人間と会ったり捕まったりすることでパニック状態に陥ってしまうからなんだそうです。)