2012年10月08日

薄墨の笛の音色に乗せて〜志度音楽ホール公演当日☆


 3連休、行楽日和となった10月7日日曜日。

 秋祭りの太鼓の音が響き渡る志度のまちで、
 「薄墨の笛の音色にのせて」という演奏会が開催されました。

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 さぬき市は静御前 終焉の地。

 800年かかったけれど、
 静の魂が眠るこの街で 義経の魂と再会させてあげたい

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 そんな気持ちから実現したこの公演では、
 義経と静のラブストーリーをすばらしい声と他にはない音で楽しめるものになりました。
 

 第1部では、最初に
 「薄墨の笛」を守り、後世に残そうと活動されている
 「薄墨の笛の会」世話人の松島さんから薄墨の笛についてのご紹介がありました。

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 節句人形を販売するお仕事をされている松島さん。
 笛が残されている静岡県鉄舟寺のご住職から笛の話を聞いて以来、
 今日まで笛の世話をされてこられました。

 京都の家元、森田流 森田光春さんに何度も息を吹きこんでもらい、
 名笛としての機能を回復させたその音色を初めて聞いた時、
 「笛に宿っていた義経の魂がわたしに乗り移った」
 …というエピソードはとても印象的。

 
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 続いて 筑前琵琶 田原順子さんによる演奏。
 「祇園精舎の鐘の声…」のくだりで
 ぐっと会場は歴史を遡っていきます。

 その後、文学座俳優 江守徹さん「義経と静」の語りにより、
 わたしたちはまるで戦乱の世に立った気分に。

 頼朝に追われる義経と静が吉野で別れた後、
 静は義経に持たされた財を付き添いの輩に奪われ、山中に取り残されます。
 やっとのことで蔵王堂にたどり着いたときに 頼朝に捕らえられて鎌倉へ。
 
 鶴岡八幡宮で日本一の舞を披露せよ、と言われ、
 紅の扇をもった静御前がみせたのが…「しずやしず」


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 頼朝バンザイ! 鶴岡八幡宮バンザイ!という舞を奉納すべきときに、
 別れたばかりの義経への気持ちや、
 兄弟の争いへの嫌悪を込めた舞を見せつけた静。

 この日は水心黎明流宗家 川原霊宗さんが「しずやしず」を披露されました。
 
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 最高の音で義経と静のラブストーリーを堪能できた第1部でした。


 続いて第2部。
 いよいよ800年の時を経て、
 静と義経の魂が再会するとき。

 
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 薄墨の笛が納められている静岡県鉄舟寺のご住職 香村俊明さんがご登場。
 まず、笛を前に般若心経を読み上げます。

 会場からも般若心経をともに唱える声が。
 このあたり、さすが上がり三か寺のあるさぬき市!というところ。

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 薄墨の笛はふだん鉄舟寺から持ちだされないもの。
 この日もご住職とともに香川にやって来ました。
 読経ののち、ご住職から奏者に笛が渡されます。
 
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 前日も長尾寺で薄墨の笛を演奏して下さった
 横笛奏者 赤尾三千子さんのご登場です。
 赤尾さんはニューヨークフィルやハリウッド映画との共演をされている
 世界的に有名な横笛奏者の方。
 前日は長尾寺、この日は屋島寺にお参りして会場に来られました。
 
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 この日も薄墨の笛以外のいくつかの横笛を披露してくださいました。
 優しく心地良い音から、体中を管にして吹き上げる強い音まで。
 とても華奢な楽器ではありますが、
 私達の体にはとても大きな音の響きが伝わります。
 
 こんなに横笛の世界が奥深いとは…と思わされるひととき。


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 笛の演奏とともに、
 静が雨乞いの際に歌ったとされる「今様」も披露されました。
 手に小さな鐘をもち、少しずつ鳴らしながら舞台をゆっくりと歩まれる赤尾さん。

 志度音楽ホールに高い鐘の音が響き渡ります。

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 数曲の演奏ののち、薄墨の笛が登場しました。
 この曲は赤尾さんが義経と静を思い、作られたもの。
 能の笛とはちがい、「龍笛」と呼ばれる肺活量の非常に必要な「薄墨の笛」。
 赤尾さんも体中からエネルギーを吹きこまれていました。

 6曲の演奏をもって、
「薄墨の笛の音色にのせて」の公演は終了。
 
 外へ出ると…パラパラと雨が。

 静が雨乞いの神事の際、
 唯一 舞で雨を降らせることができた舞姫だったという話が残っていますが…
 これは静なりの応えなのかもしれませんね。

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 さて、しばらくは静と義経の魂がさぬき市を周遊しているかもしれません。
 
 会場に来られなかったあなたも、
 長尾周辺の静の歩いた地をたどってみると…
 なにか応えかけてくれるかもしれませんよ。

 その際は過去のあそ達・静御前ツアーもご参考くださいぴかぴか(新しい)バッド(下向き矢印)
 http://sanuki-asobinin.seesaa.net/article/294406378.html
 
 
posted by sanuki-asobinin at 06:40| 香川 ☁| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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