今なくなりつつある『いかなご醤油』
いかなご醤油を作り続ける達人をピックアップ!
いかなご醤油のおはなし、仕込み方法、家でも出来る作り方まで聞いちゃいました
さぬき市長尾町昭和にあります、『日本料理 菊水』
今までもブログでは、節分の恵方巻きや同敷地内にあるランチの茶寮「三日月とうさぎ」の魅力をあますとこなく紹介してきましたが…
- 【日本料理 菊水】幸せを呼ぶ「福巻き」☆さごしの十二単衣☆ http://sanuki-asobinin.seesaa.net/article/317132275.html
- 茶寮「三日月とうさぎ」でボリュームたっぷりランチと秋イベント☆ http://sanuki-asobinin.seesaa.net/article/294059807.html
今回は満を持してついに登場!
いかなご醤油
”いかなご醤油について”
(日本料理 菊水の公式HPよりhttp://www.wasyoku.net/shop/ikanago/ikanago.html)
『いかなご醤油』は、秋田の「しょっつる」能登の「いしる」に並んで、日本の三大魚醤油に数えられています。新鮮な瀬戸内の“いかなご”と“天然塩”で発酵させて作ります。
昭和三十年代頃までは作られていましたが、現在はほとんど見かけられなくなりました。
ただいま仕込みの真っ最中!厨房の中はジューシーな魚を焼いたようなよだれの吹き出す香ばし〜〜い良い香りで充実していました。
いかなご醤油を作る、菊水の料理長・板谷さんにお話を聞いてみました。
板谷さんがいかなご醤油を作り始めたきっかけを教えてください。
「香川県の郷土料理でおもしろいものがないかな〜と女将と一緒に探していたところ、料理のお師匠にこんなものがあるよと教えてもらったのがいかなご醤油でした」
いかなご醤油って、実は香川で昔から作られていたものなんです。
その歴史はなんと2,000年以上前まで遡れるんだそう!
「牟礼に王墓という地区がありますが、そこには皇行天皇の王子・神櫛王のものだと伝えられるお墓があります。その神櫛王に『いかなご醤油』を献上したというお話が文献に残っています」
この伝説が本当なら
いかなご醤油は日本最古の魚醤!
しかもそれが香川から始まっていた!
しかしながら、戦後再開発によりいかなごが住処になる海底の砂が減ったことでいかなごの漁獲量が激減。現代人の食生活の変化もあいまっていかなご醤油が作られなくなってきたんです。
「いかなご醤油は”ふるせ”と呼ばれる成長したいかなごを使います」
釘煮などに使われるいかなごより少し大きめ。これくらいぷくぷくとしたハリのあるいかなごのほうが、時間は掛かるが旨味がよくしみ出した美味しいいかなご醤油が出来るんだそうです。
「熟成期間は1年半〜3年間。
10キロのいかなごから
4キロしか醤油が出来ません」
「なので毎年大量には作れませんし、大豆醤油からは考えられないほど時間とコストがかかります」
厨房の中には熟成途中のいかなご醤油の樽が積み上げられていました。
熟成してとがった塩の味がまろやかになれば出来上がり。濾して、火入れをして、菊水で売られている『いかなご醤油』となります。
今回は特別に3年間熟成した火入れしていない『いかなご生醤油』を頂きました
んん!!??
色はとっても薄いですが、その味の濃さに驚かされます!
濃口醤油より薄口醤油の方が塩分濃度が高いと言いますが、いかなご醤油もそんな感じ。
そして、口の中に広がる旨味!!
魚の動物性たんぱく質が分解され出てきた豊富なアミノ酸がこの濃厚な旨味を引き出しているんです。
さすが、醤油ソムリエの黒島さんが「今まで食べた醤油の中でもトップクラスに美味しい」と仰ったほどの逸品です。
いかなご醤油は普通の大豆醤油の代わりとして使っていただければとのことでした。ほんの少し使っただけで料理の旨さの幅が広がりそうですね
魚醤といえば癖のあるものというイメージが覆えりました。これなら家にある醤油の替わりに使えそう
穀物アレルギーのある方がいかなご醤油を買い求めるケースが今増えているんだとか。
大手食品メーカーからもいかなご醤油のサンプルを送ってほしいという声もあり、
いかなご醤油への注目度はどんどん高まっています
実はこのいかなご醤油、おうちでも簡単に作ることが出来ます。
まず、いかなごを良く洗います。
洗ったらざるに入れて水を切ります。いかなごの重さを計っておきましょう。
そして塩を入れて、混ぜ込む!
いかなごの重さに対して25〜30パーセントの食塩を入れます。(10キロのいかなごなら2キロ500グラム〜3キロの塩)塩が多ければ作りやすくなるそう。
いかなごのはらわたが出てくるまで混ぜます。ここでつまみ食いすれば、いかなごの塩辛として食べれます。
最初の1週間くらいは3日ごとに軽く混ぜ、常温で1年半〜3年放置。
漬物やぬか漬けようの樽などにいれて放置しましょう。置いておく場所は水の入らない場所であればどこに置いていても良いんだそうです。
さすが原始の醤油…。
熟成期間はかかりますが、簡単手間入らずです。
いかなごがドロドロのこんな状態になったら、必要なぶんだけ濾して使いましょう。
そんなに待てない!
という貴方は、菊水で毎年販売されるいかなご醤油(1本300ml/1,260円)をゲットしましょう!
完成の際にはお知らせしたいと思います
今年度のいかなご醤油の予約は秋頃予定とのこと。
すぐ売り切れてしまいますので、公式ホームページと女将のブログを要チェックです
日本料理 菊水
香川県さぬき市昭和1479-5
Tel(0879)52-5555
Fax(0879)52-5656
mail:info@wasyoku.net