星空大好き♪
やっちです(*^▽^*)
2014年5月18日、旧多和小学校に
とても貴重な天体観測用の双眼鏡が寄贈されました!!
今までにも全国各地から天体望遠鏡博物館へ
貴重な天体望遠鏡の寄贈が相次いているんです(*^▽^*)
今回寄贈されたものは天体望遠鏡の中でもとても貴重なもので、
なんと!「20世紀を代表する彗星『百武彗星』を実際に発見された
アマチュア天文家の百武裕司さんが、百武彗星発見時に使われていた
FUJINONの双眼鏡!!
百武さんが使用されていたこちらの双眼鏡は
レンズの直径が150mm、倍率は25倍のもの。
『双眼鏡』と聞いて私が想像していたよりも存在感がありました。
とても素晴らしい双眼鏡が、亡くなられた百武裕司さんの代理として、
奥様の百武昭子さんより直々に寄贈されました!
天体望遠鏡博物館の望遠鏡の保守管理をしている吉川さんに
奥様がお話をされたところ、こちらに寄贈したらという流れになり
今回の寄贈が決まったのだそう。
寄贈式の後には寄贈された双眼鏡などを使って
観望会も行われましたよ♪
彗星の発見は一生涯で1つ発見することでもすごいこと。
しかし、百武裕司さんは今回寄贈された双眼鏡を使って
1995年12月〜1996年1月の
約1ヶ月間で2つもの彗星を発見されたんです!
しかも1995年12月に発見した1つ目の彗星は、
今回寄贈された双眼鏡で見られる星の明るさの限界である
12等級の明るさだったそう。
この写真撮影の2ヶ月前に百武さんはこの彗星を発見されました。
写真で撮るとはっきり見えますが、実際に肉眼で確認できるのかどうか?
という程度の明るさだそうです。
その状態で気づいたのはとても鋭い目を持っていらっしゃったのだと
お話してくださいました。
双眼鏡には百武裕司さんの名前【YUJI HYAKUTAKE】と、
発見した彗星の名前【1995Y1】、【1996B2】の
シールも貼られていました。
1996年1月に発見した2つ目の彗星を一般的に百武彗星というそうですが、
そちらは20世紀を代表するほどのとても素晴らしい彗星でした。
地球から近い場所を通ったために発見されてから急激に明るくなり、
再接近の頃には北極星近くに頭があり、彗星の尾は北斗七星を貫き
南の空まで達するほどだったそうです。
しかも!通常、明け方や夕方にしか見えない彗星ですが
百武彗星は地球の北側を通過したため、
一晩中見ることができたんです!
百武彗星は科学的成果も大きく、
彗星からのX線放射が発見されたことや
エタンとメタンという蒸発しやすい物質が発見されたことで
彗星の氷が太陽から遠く離れた空間で作られたものだと確認されたのだそう。
とても大きな結果を残した彗星だったのですね!
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そして、双眼鏡と共に寄贈されたのは
当時百武さんが使っていた記録資料や雑誌など。
一般社団法人 天体望遠鏡博物館 代表理事である村山さんは
「双眼鏡と当時の資料をセットでいただけるというのは
本当に考えられないほど素晴らしいことです。
これをセットで残すことによって歴史の証人として、
これから日本の科学の発展のため、
子どもたちにこのストーリーを伝えていきたいです。
本物の迫力を小さいころに体験することで、原体験となり
自然科学に対する興味を持ってもらえると思います」
と、子どもたちに是非見てもらいたい!
との思いを話してくださいました。
「双眼鏡に付いている傷はまさに誇るべきもので、
百武さんと過ごしてきた年月を物語るもの。
新品とは違う歴史的なものを感じることができます。
彗星の名前のシールは勲章のようにも感じられます」
とも話してくださいました(*^▽^*)!
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百武裕司さんの奥様からは、彗星を発見するまでの苦労なども
聞くことが出来ました。
彗星を探している百武さんのため、暗い星空を求め
福岡から鹿児島へ引っ越したこと。
仕事を探すまで1年間の猶予をあげるから
彗星を絶対に探しなさいと言ったこと。
毎晩外へ彗星を探しに出かけて、寒い時期には
明け方帰った時に体に霜がついていたこと。
「今日見たものこそ大発見だよ!」と夜中に家族を起こすため
「オオカミ少年」とアダ名をつけたこと。
などいろいろなことを話してくださいました。
1つ目の彗星、1995Y1を発見した時に家族に見せようと思ったが、
興味を示さなかったため写真を撮ろうと百武さんが思いたったそう。
1995Y1と、次に発見された1996B1を一緒にと思い
撮影していたときに2つ目の彗星1996B2を見つけたんだとか。
「こうしていろんな方に主人を覚えて頂いていることが幸せですし、
今になって主人の事を話題にしてくださっているのがありがたく
感謝の気持でいっぱいです。
大事にしてくださるところになら安心して預けられます。
多和小学校で是非いろんな方に見て頂いて
可愛がっていただきたいです」
と奥様は話してくださいました。
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「双眼鏡も旧多和小学校も思い入れのあるもの。
村山さんと天体望遠鏡博物館の方々に活用していただいて
第二の人生を進むのではないかと思っています。
ここ多和の地でご主人のように素晴らしい業績を残すような人材が
この双眼鏡を使って育つように祈っております」
と『結願の郷 多和の会』の藤岡さんがお話してくださいました。
さぬき市の大山市長も
「地元の多和地区の皆さんの思い、天体望遠鏡博物館の皆さんや
地域を元気にしたいと思うさぬき市の職員など
皆さんの思いがこの地に呼び寄せられているのだと思います。
鹿児島から新幹線などを使って7時間かかりますが、
これからも望遠鏡に込められたご主人の思いを
ぜひ確認に来ていただきたいなと思います」
と話してくださいました。
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寄贈式終了後には、百武さんの双眼鏡などを使った観望会が
多和小学校校庭にて行われました。
きれいな夕焼けの後…
木星(赤い矢印)が輝き始めると観望会の始まりです!
私も百武さんの望遠鏡を覗かせていただいたのですが、
木星の大きな衛星4つのうち3つが輝いているのを見ることができました。
集光性に優れているため、本当に明るくクリアに見え、
とても感激しました(≧▽≦)!!!
多和で星を見るのは初めてでしたが、
家の明かりなどが少ないため、
本当にクリアな星空を見ることが出来ました!
あまりの綺麗さに、たくさんの写真を撮影してきました(≧▽≦)
★2回クリックすると少し大きな画像でご覧いただけます。
観望会途中ではレーザーを使って星を指し示しながらの
星座の星の説明もしていただき、本当に分かりやすかったです!
とても素敵な観望会でした(≧▽≦)!!
来年度完成予定の望遠鏡博物館、さらに楽しみになってきました♪
今後は一般の子どもたちを中心に観望会も開催される予定です。
子ども達を連れて観望会に参加したいなと思いました(*^▽^*)♪
百武裕司氏双眼鏡寄贈式
開催日/2014年5月17日(土)
開催場所/旧多和小学校(さぬき市多和助光東30番地1) 【地図】
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