やっちです(*^▽^*)
今年2014年は四国八十八ヶ所霊場開創1200年の記念すべき年!
第86番志度寺から第88番大窪寺までの上がり3か寺がある
さぬき市でも様々なイベントが予定されています♪
さぬき市で昨年行われた『わらべ地蔵を被災地へプロジェクト』は
京都の3代目仏師である冨田睦海さんが中心となって行われていて、
参加者の皆さんで掘りあげたわらべ地蔵を被災地の方へ贈るイベント。
活動開始から3年で約3,000人の方にわらべ地蔵を彫っていただいたそう。
参加された皆さんから
「自分で彫り上げたものを手元に置きたい」
との言葉が多かったんだとか。
そのため、今回は自分で作ったものを持ち帰ることができるイベント
『仏道について、聞いてみる、彫ってみる』
が行われることになりました。
2014年6月8日(日)
講演会会場である長尾公民館には県内外から
100人を超える人たちが集まりました(≧▽≦)!
遠いところは兵庫県赤穂市、
香川県観音寺市、三豊市から参加された方も!
前回の『わらべ地蔵を被災地へプロジェクト』を行われた
京都の仏師である冨田睦海さんの講演、
第1回『仏師の語る、仏像の見方・楽しみ方』が行われました。
四国八十八ヶ所霊場開創1200年記念ということで、
各霊場では御本尊の御開帳が行われるなど
仏像に触れることが増える今年。
仏像の簡単な説明は御開帳の時にお聞きすることができても
それがどれだけ貴重なものなのか…
そこまでは分からずにいた私。
「今回冨田さんのお話をお聞きすることで、
少しでも仏像のことがわかるようになれば…」
と思い、私も皆さんと一緒にお話を聞かせていただきました(*^▽^*)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
まず、今まで冨田さんが関わってこられた仏像の紹介がありました♪
父、兄との3人での合作となる身丈1尺6寸の阿弥陀如来像は
一番思い入れのあるものなんだとか。
不動明王の光背には火の神が宿っていることを知り、
3ヶ所に鳥をイメージして彫り込んだのだそう。
この頃から仏像に興味を持ち始めたのだと話してくださいました。
そして京都にある萬福寺に納めた隠元禅師の像は
見本である掛け軸を立体の像にしたもの。
普段富田さん達は、立体を捉える力を養うために絵を描かないんだとか。
この時は平面である掛け軸を見た瞬間奥行などがパッと頭に浮かび、
予想通りに仕上がったことから、普段どれだけ立体に捉える力が
鍛えられていたのかを実感したと話してくださいました。
2年かけて彫り上げた身丈2尺5寸の地蔵菩薩像。
坐像は珍しいんだとか。
こちらはおへんろつかさの会との縁を繋ぐことになった仏像で、
宮城県松島の瑞巌寺に安置されたもの。
これをきっかけに東日本大震災の被災者の方々へ
「何か役に立てることはないだろうか」と活動を始められ、
前回の『わらべ地蔵を被災地へプロジェクト』が行われました。
阿弥陀如来像は鎌倉時代から伝わる技法を使い、
3年かけて作られたもの。
電球で見るとよくわからないのですが、
金箔を細かく切ったものを貼り合わせて模様を作っています。
それが蝋燭の光で下から照らすとまさに「金色に輝く」のだとか。
『これはまさに仏像が仕上がって、
信仰が始まるような幻想的な世界表現』
だと説明してくださいました。
初めの頃は見本の通りに彫ったり、
造った仏像がどこに入れられるのか知らないままに
仕事をしていたそうですが、そのうち
「自分たちが造った仏像は
出来上がって初めて信仰の対象となるもの。
どこに行ったかもわからないようなものが、
本当にこれからも残っていくのだろうか…」
と感じたのだそう。
そのため今は京都の五条坂にオープン工房を構えていらっしゃるそうです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて次は仏像の材質についての説明♪
冨田さん自身も
「この仏像は何で出来ているの?この木は何ですか?」
とよく聞かれるそうです。
そこで今回は仏像の技法と歴史についてまず説明されました。
★仏像の材質は
金銅製(金属(銅)で造られた仏像)
塑像(粘土を材料として造られた仏像)
乾漆像(漆と木の粉末等を混ぜあわせた素材を木心に貼り付け彫像したもの)
木造
に分けられます。
さらに木造は2に分けられ、
一木造(1本の木から彫り出された仏像)
寄木造(同材を寄せて彫像された仏像)
に分けられます。
金銅製は粘土で型を取り、銅を流して作られます。
そのため日本の銅がなくなってしまうくらい作られたため、
次第に金銅製の仏像は少なくなったんだとか。
下の写真、塑像の仏像は、粘土で作られたものの
強くするための焼きの工程が行われておらず自然乾燥だけなんだとか。
そのため残っているのが奇跡なんだそう!
乾漆像は漆を使用しているのですが、漆は不思議な天然塗料で
採取した時は液体ですが湿度の中で乾燥させるとカチカチに固まります。
それを利用して粘土を貼り付け、固まってから削ったのでしょう。
漆が高価なのと、完全に乾燥するまで1ヶ月以上かかることから
製作日数がすごくかかったのではないかとのことでした。
この日冨田さんは大窪寺の本尊御開帳を見てから来られたのですが、
本堂内に祀られていた極彩色の四天王が乾漆像で作られていて
年末に完成したと話されていたとも教えて下さいました(*^▽^*)
一木造はクスノキ、カヤノキ、ビャクダンなどのダンゾウで
作られるのが一般的です。
なぜかというと…
インドでは石像が多いのですが、
木造の場合は香り高いもので作りなさいと言われていて、
そのためビャクダンが使われることが多いんだとか。
しかし日本ではビャクダンが無いため、
代わりに香り高いクスノキをつかうのだそう。
下の写真の薬師如来は平安時代にカヤノキで作られたもの。
霊木信仰としてしめ縄がされているカヤノキは切れないのですが、
天災などによって倒れてしまったものを彫り上げて造ったのではないか
とのことでした。
一木造は割れやすく、大きさに限界がありますが、
寄木造から大きな仏像が作れるようになったんだそう。
中を彫り、木を薄くすることで割れるのを防ぐことができるんだとか。
写真の仁王像は60日で造られたもので、
平成の大修理の際にバラバラに解体されたんだとか。
冨田さんも大好きだったため見に行ったそうです(*^▽^*)
文献によると鎌倉時代の仏師、
運慶さんと快慶さんそれぞれが仕上げて立てた時、
運慶さんの仁王像は遠くを見ていたが、
快慶さんのは威圧するように足元を見ていたんだとか。
そこで運慶さんは自分の方を倒して作り替えたんだとか。
当時人力で作業していた時代に、さすがはリーダーだなと感じだそうです。
冨田さんが持って来られていた寄木造の仏像。
なるほどー!こんな風に分解できるのね!
と感心しました(*^▽^*)!
現在では玉眼を入れる工法もできていて、
それも内部をくり抜ける寄木造りだからこそ。
うらから慎重に削り、目の部分に水晶をはめ込むのだとか。
表が完成してから裏を彫るため、リスクの高い技法なんだそうです。
他にも小さな像が飾られていました( ´艸`)
細部までとても細かく綺麗に仕上げられていて驚きました!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次回行われる『彫ってみる』は
「上手下手じゃなく、気持ちがこもれば仏になります。
残っていく期間を考えたら、作る期間なんてあっという間です。
その一瞬の貴重な時間の中に、
自分を振り返る時間を入れてほしい。
そうすることで気持ちが入ったお地蔵さんに
なるのではないでしょうか」
との冨田さんのお話が心に染みました。
四国八十八ヶ所霊場開創1200年記念
仏像について、聞いてみる、彫ってみる
1.聞いてみる(講演会)
開催日時/2014年6月8日(日) 13:30〜15:00
開催場所/長尾公民館(さぬき市長尾東914番地1) 【地図】
参加料/無料
2.彫ってみる(彫像会)
開催日時/2014年7月13日(日) 9:00〜15:00
開催場所/第86番札所 志度寺 書院 【地図】
参加料/1,000円(材料費の一部として)
彫刻刀、手袋をお持ちでない方は無料でお貸しいたします。
募集人数/50名 先着申込順
その他/お弁当、お飲物は各自でご準備ください。
お申込み・お問い合わせ先
おへんろつかさの会
香川県さぬき市志度5385番地8(さぬき市商工観光課内) 【地図】
TEL:087-894-1114
募集人数に達しましたので、
以後申し込み分はキャンセル待ちとなります。
ご了承くださいませ。