やっちです(*^▽^*)
今年2014年は、瀬戸内海国立公園指定80周年ということで
瀬戸内海沿岸の県で数々のイベントが行われていますよね。
さぬき市で瀬戸内海国立公園の指定を受けている場所は
昭和9年の国立公園指定当初の
志度湾と小豆島を含む瀬戸内海沿岸。
続いて昭和31年の第二次拡張で
津田の松原が指定されました。
津田の松原には津田古墳群が点在していて、
そちらも2013年10月17日に国の史跡に指定されました。
瀬戸内海は日本で初めて国立公園に指定されたのですが、
そんな瀬戸内海国立公園指定に向けて…
とても大きな偉業を成し遂げられた、瀬戸内海国立公園の父と呼ばれる
『小西和(こにし かなふ)』をご存じでしょうか?
【瀬戸内海国立公園指定80周年記念
瀬戸内海国立公園の父 小西和 展】
が2014年8月1日〜8月31日まで、
さぬき市大川町の『みろく自然公園』内にある
『さぬき市歴史民俗資料館』で行われています!
展示されている小西和さんに関係する物は約50点!
こんなに沢山の資料が残っていることも驚きです!
「今回展示されている図書については、
顕彰会という図書関係を管理されていた会から
さぬき市に2006年に寄贈されたものです。
瀬戸内海国立公園指定80周年の記念すべき年に
さぬき市として初めて公開して、
皆さんに小西和さんの功績を伝えたいです。」
と話してくださった
さぬき市生涯学習課 文化財担当の山本さんに
小西和さんはどのような人だったのか…
どうしてさぬき市で企画展が行われることになったのか…
お話をお聞きしました(*^▽^*)♪
小西和さんは1873年(明治6年)
香川県長尾名村(現在の香川県さぬき市長尾名)に生まれました。
そこで出身地であるさぬき市で
企画展が開催されることになったのです(*^▽^*)
企画展では彼の一生を、様々な資料で読み解くことができます。
中学卒業後、札幌農学校(現在の北海道大学)に入学した時の記録や
移住された時の日記帳が展示されています。
1983年(明治26年)
北海道開拓を夢見て
栗沢村(現在の岩見沢市)に小西農場を開設します。
地元の方から慕われ、現在も小西地区として
地名が残り、小西神社という神社も残されています。
地元の人に愛されていたのだなということが伺えます。
下の写真は栗澤村開拓時代の手帳に描かれていた
絵だそうです(*^▽^*)
絵が書かれていた手帳も展示されています。

農場経営が破綻し上京した後、東京市役所へ勤務しながら
得意の絵を売って生活費を稼いでいたのではと
山本さんが話してくださいました。
その後朝日新聞社に入社し、記者として活躍されます(*^▽^*)
当時の新聞のスクラップが展示されているのですが、
その中の土用入りの天候図に注目!
今では珍しくない日本地図のイラストのある天気図ですが、
これは1903年(明治36年)頃から載り始めたのだとか。
「もしかしたら小西和さんの書いた記事が
日本最古の天気図なのかも!?」
と、とても興味深いお話をお聞き出来ました♪
日露戦争中は従軍記者として満州、樺太・シベリアでの取材では
文章とスケッチを記事として掲載していました。
小西和さんはイラストの場合は松亭(しょうてい)、
文章は海南(かいなん)というペンネームを使用していたんですよ。
従軍記者終了後、1年間の慰労休暇が与えられました。
休暇中に瀬戸内海の学術調査に着手します。
「北海道や樺太の景色とは違った、
瀬戸内海の風景が目に飛び込んできたのでしょう」
と山本さんが説明してくださいました。
1908年(明治41年)にはさぬき市長尾、亀鶴公園に隣接する宇佐神社へ
桜2500本を献木しました。
宇佐神社には小西和さんが遺した石碑があります。
その石碑の掛軸も展示されていますよ(*^▽^*)!
1911年(明治44年)に瀬戸内海論を発刊します。
この本はベストセラーだったそうですよ(*^▽^*)!!
瀬戸内海論の原本(初版本)も展示されています。
1912年(大正元年)、香川県から衆議院議員に初当選。
大正8年3月12日に行われた
帝国議会の衆議院議員の議事録も掲示されています。
小西和さんが実際に発言された内容が書かれています。
「彼が生きた戦争時代を挟むような激動の日本の状況の中で、
外国に向けて観光地のPRをしてきたのがよくわかります。
日本の良さを的確に把握、調査研究された成果だと思います。
当時から歴史的な価値を的確に把握し、
100年先を見越してスケールの大きな人生観を
持っていたのだなと感じます」
と山本さんが話してくださいました(*^▽^*)
他にも、浜口雄幸首相、犬養毅首相からの書簡も展示されていて
大物政治家とのやりとりも垣間見ることができます。
本当にすごい方がここさぬき市出身だったのだなと
実感することが出来ました。
「小西和さんはいろいろな芸術、
特に書道の達人でもあったんです!!」
と山本さんが教えてくださいました(*^▽^*)♪
実際、小西さんが書かれた作品も展示されているんです(*^▽^*)
74歳で亡くなられた小西和さん。
中には晩年に書かれたであろう作品も
ご遺族の方からお借りして展示されています。
「小西和さんの書道作品も見て頂いて、
幅広い人間性を感じていただけたら…」
とのことでした♪
他にもご遺族の方からお借りしている、
小西和さんが実際に使用していた硯や筆、
家族に送られた絵葉書、
自分で書いて彫られたついたても展示されています。
中でも一番に目に飛び込んできたのは
小西和さんが実際に使われていた旅行かばんたち♪
当時の様々な国のステッカーが貼られていて、
とても素敵です(*^▽^*)
「このかばんの中にいろんな思いを詰めて
日本のために活躍されていたんだなと感じます」
と山本さんは話してくださいました。
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「小西和さんは約15年間、国会でずっと国立公園制定に向けての
意見を言い続けれられていました。
自分のポリシーがあったのかなと感じます。
小西和さんは100年先を見越して、
日本の良さを瀬戸内海を通して世界にPRしていました。
小西和さんの熱い思いを展示物を通して感じていただきながら、
小西さんの生き様の一端も見てもらえたらと思います」
と山本さんは話してくださいました。
私も今までは小西和さんについて話で聴くだけでは、
素晴らしい人だったのだとしかわかりませんでした。
今回実際に展示されているものを見させて頂いて、
小西和さんがとても身近に感じられるようになりました。
さぬき市歴史民俗資料館を入ってすぐの場所には
瀬戸内海国立公園指定80周年の軌跡について詳しく書かれている
プレートも展示されています。
歴史的な背景などはこちらで学ぶことができちゃいますよ!
ここに来れば瀬戸内海国立公園指定について
一気に詳しくなれちゃうこと間違いなし!
是非足を運んでみてくださいね♪
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そして、さぬき市前山にある『おへんろ交流サロン』では
小西和さんが描かれたという舞台幕が展示されています。
さぬき市前山の多和神社で代々宮司をされていた永山さんが
長年保管されていたもので、約13年前に寄贈されたそうです。
多和神社は『正一』と頭につく最高位の神社で、
昔は村芝居が行われていたそうです。
田和神社と書かれているのは、
田和神社と書かれているのは、
漢字が正しく伝わっていなかったのでしょうと
おへんろ交流サロンの館長さんが教えて下さいました。
明治39年に小西和さんが舞台幕を作って
寄贈されたんだとか。
描かれている桜は昼寝城の桜。
宇佐神社に桜を献木した経緯もあるため
「桜が好きだったんでしょう」
という館長さんのお言葉に思わずうなずきました。
桜と共に句が沢山書かれていますが、その中に
「お酒を飲んでひょうたんを枕にして寝るのが幸せだ」
と言った句も書かれているそうですよ(*^▽^*)
こちらの舞台幕はおへんろ交流サロンの方に
声をかけると案内してくださいます。
こちらも是非、見に行ってみてくださいね♪
瀬戸内海国立公園指定80周年記念
瀬戸内海国立公園の父
小西 和(こにし かなふ) 展
開催期間/2014年8月1日(金)〜8月31日(日)
開催場所/さぬき市歴史民俗資料館(さぬき市大川町富田中3286番地) 【地図】
開館時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日/毎週水曜日
観覧料/無料(企画展開催期間に限り)
展示解説/2014年8月3日(日)、17日(日)11:00〜11:30
主催/さぬき市教育委員会(生涯学習課)
TEL:0879-42-3107
共催/さぬき市観光協会
前山おへんろ交流サロン
香川県さぬき市前山榿936番地 【地図】
営業時間/9:00〜16:00
定休日/年末年始
駐車場/あり
(外部サイトへ移動します)
TEL:0879-52-0208
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