2014年08月09日

瀬戸内海の良さを日本一知っていた…瀬戸内海国立公園の父『小西和展』!@さぬき市


やっちです(*^▽^*)

今年2014年は、瀬戸内海国立公園指定80周年ということで
瀬戸内海沿岸の県で数々のイベントが行われていますよね。

さぬき市で瀬戸内海国立公園の指定を受けている場所は
昭和9年の国立公園指定当初の
志度湾と小豆島を含む瀬戸内海沿岸。
続いて昭和31年の第二次拡張で
津田の松原が指定されました。
津田の松原には津田古墳群が点在していて、
そちらも2013年10月17日に国の史跡に指定されました。

瀬戸内海は日本で初めて国立公園に指定されたのですが、
そんな瀬戸内海国立公園指定に向けて…
とても大きな偉業を成し遂げられた、瀬戸内海国立公園の父と呼ばれる
『小西和(こにし かなふ)』をご存じでしょうか?

【瀬戸内海国立公園指定80周年記念
瀬戸内海国立公園の父 小西和 展】
が2014年8月1日〜8月31日まで、
さぬき市大川町の『みろく自然公園』内にある
『さぬき市歴史民俗資料館』で行われています!
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展示されている小西和さんに関係する物は約50点!
こんなに沢山の資料が残っていることも驚きです!

「今回展示されている図書については、
顕彰会という図書関係を管理されていた会から
さぬき市に2006年に寄贈されたものです。
瀬戸内海国立公園指定80周年の記念すべき年に
さぬき市として初めて公開して、
皆さんに小西和さんの功績を伝えたいです。」
と話してくださった
さぬき市生涯学習課 文化財担当の山本さんに
小西和さんはどのような人だったのか…
どうしてさぬき市で企画展が行われることになったのか…
お話をお聞きしました(*^▽^*)♪
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小西和さんは1873年(明治6年)
香川県長尾名村(現在の香川県さぬき市長尾名)に生まれました。
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そこで出身地であるさぬき市で
企画展が開催されることになったのです(*^▽^*)

企画展では彼の一生を、様々な資料で読み解くことができます。
中学卒業後、札幌農学校(現在の北海道大学)に入学した時の記録や
移住された時の日記帳が展示されています。
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1983年(明治26年)
北海道開拓を夢見て
栗沢村(現在の岩見沢市)に小西農場を開設します。
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地元の方から慕われ、現在も小西地区として
地名が残り、小西神社という神社も残されています。
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地元の人に愛されていたのだなということが伺えます。

下の写真は栗澤村開拓時代の手帳に描かれていた
絵だそうです(*^▽^*)
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絵が書かれていた手帳も展示されています。
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農場経営が破綻し上京した後、東京市役所へ勤務しながら
得意の絵を売って生活費を稼いでいたのではと
山本さんが話してくださいました。

その後朝日新聞社に入社し、記者として活躍されます(*^▽^*)
当時の新聞のスクラップが展示されているのですが、
その中の土用入りの天候図に注目!
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今では珍しくない日本地図のイラストのある天気図ですが、
これは1903年(明治36年)頃から載り始めたのだとか。
「もしかしたら小西和さんの書いた記事が
日本最古の天気図なのかも!?」
と、とても興味深いお話をお聞き出来ました♪

日露戦争中は従軍記者として満州、樺太・シベリアでの取材では
文章とスケッチを記事として掲載していました。
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小西和さんはイラストの場合は松亭(しょうてい)、
文章は海南(かいなん)というペンネームを使用していたんですよ。

従軍記者終了後、1年間の慰労休暇が与えられました。
休暇中に瀬戸内海の学術調査に着手します。
「北海道や樺太の景色とは違った、
瀬戸内海の風景が目に飛び込んできたのでしょう」
と山本さんが説明してくださいました。

1908年(明治41年)にはさぬき市長尾、亀鶴公園に隣接する宇佐神社へ
桜2500本を献木しました。
宇佐神社には小西和さんが遺した石碑があります。

その石碑の掛軸も展示されていますよ(*^▽^*)!
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1911年(明治44年)に瀬戸内海論を発刊します。
この本はベストセラーだったそうですよ(*^▽^*)!!
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瀬戸内海論の原本(初版本)も展示されています。

1912年(大正元年)、香川県から衆議院議員に初当選。
大正8年3月12日に行われた
帝国議会の衆議院議員の議事録も掲示されています。
小西和さんが実際に発言された内容が書かれています。
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「彼が生きた戦争時代を挟むような激動の日本の状況の中で、
外国に向けて観光地のPRをしてきたのがよくわかります。
日本の良さを的確に把握、調査研究された成果だと思います。
当時から歴史的な価値を的確に把握し、
100年先を見越してスケールの大きな人生観を
持っていたのだなと感じます」
と山本さんが話してくださいました(*^▽^*)

他にも、浜口雄幸首相、犬養毅首相からの書簡も展示されていて
大物政治家とのやりとりも垣間見ることができます。
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本当にすごい方がここさぬき市出身だったのだなと
実感することが出来ました。

「小西和さんはいろいろな芸術、
特に書道の達人でもあったんです!!」
と山本さんが教えてくださいました(*^▽^*)♪
実際、小西さんが書かれた作品も展示されているんです(*^▽^*)
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74歳で亡くなられた小西和さん。
中には晩年に書かれたであろう作品も
ご遺族の方からお借りして展示されています。
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「小西和さんの書道作品も見て頂いて、
幅広い人間性を感じていただけたら…」
とのことでした♪

他にもご遺族の方からお借りしている、
小西和さんが実際に使用していた硯や筆、
家族に送られた絵葉書、
自分で書いて彫られたついたても展示されています。
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中でも一番に目に飛び込んできたのは
小西和さんが実際に使われていた旅行かばんたち♪
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当時の様々な国のステッカーが貼られていて、
とても素敵です(*^▽^*)
「このかばんの中にいろんな思いを詰めて
日本のために活躍されていたんだなと感じます」
と山本さんは話してくださいました。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「小西和さんは約15年間、国会でずっと国立公園制定に向けての
意見を言い続けれられていました。
自分のポリシーがあったのかなと感じます。
小西和さんは100年先を見越して、
日本の良さを瀬戸内海を通して世界にPRしていました。
小西和さんの熱い思いを展示物を通して感じていただきながら、
小西さんの生き様の一端も見てもらえたらと思います」
と山本さんは話してくださいました。

私も今までは小西和さんについて話で聴くだけでは、
素晴らしい人だったのだとしかわかりませんでした。
今回実際に展示されているものを見させて頂いて、
小西和さんがとても身近に感じられるようになりました。

さぬき市歴史民俗資料館を入ってすぐの場所には
瀬戸内海国立公園指定80周年の軌跡について詳しく書かれている
プレートも展示されています。
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歴史的な背景などはこちらで学ぶことができちゃいますよ!

ここに来れば瀬戸内海国立公園指定について
一気に詳しくなれちゃうこと間違いなし!
是非足を運んでみてくださいね♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

そして、さぬき市前山にある『おへんろ交流サロン』では
小西和さんが描かれたという舞台幕が展示されています。
さぬき市前山の多和神社で代々宮司をされていた永山さんが
長年保管されていたもので、約13年前に寄贈されたそうです。
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多和神社は『正一』と頭につく最高位の神社で、
昔は村芝居が行われていたそうです。
田和神社と書かれているのは、
漢字が正しく伝わっていなかったのでしょうと
おへんろ交流サロンの館長さんが教えて下さいました。
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明治39年に小西和さんが舞台幕を作って
寄贈されたんだとか。
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描かれている桜は昼寝城の桜。
宇佐神社に桜を献木した経緯もあるため
「桜が好きだったんでしょう」
という館長さんのお言葉に思わずうなずきました。
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桜と共に句が沢山書かれていますが、その中に
「お酒を飲んでひょうたんを枕にして寝るのが幸せだ」
と言った句も書かれているそうですよ(*^▽^*)

こちらの舞台幕はおへんろ交流サロンの方に
声をかけると案内してくださいます。
こちらも是非、見に行ってみてくださいね♪



瀬戸内海国立公園指定80周年記念
瀬戸内海国立公園の父
小西 和(こにし かなふ) 展
開催期間/2014年8月1日(金)〜8月31日(日)
開催場所/さぬき市歴史民俗資料館(さぬき市大川町富田中3286番地) 【地図
開館時間/9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日/毎週水曜日
観覧料/無料(企画展開催期間に限り)
展示解説/2014年8月3日(日)、17日(日)11:00〜11:30
主催/さぬき市教育委員会(生涯学習課)
TEL:0879-42-3107
共催/さぬき市観光協会

前山おへんろ交流サロン
香川県さぬき市前山榿936番地 【地図
営業時間/9:00〜16:00
定休日/年末年始
駐車場/あり
    (外部サイトへ移動します)
TEL:0879-52-0208

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posted by sanuki-asobinin at 12:00| 香川 ☁| Comment(0) | 歴史・文化財 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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