早速の台風に夏の気配を感じる、
はっとーです!
みなさん、まずはこの動画をご覧ください!
こちらはアット・ライフ・プランニングの福永さんが撮影した
『白方の精霊送り火(しらかたのせいれいおくりび)』というお盆の伝統行事の様子です。
送り火は、さぬき市鴨庄の白方地区で毎年8月15日にを行っています。
送り火(おくりび)とは、
お盆の行事の一つで、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出す行事のこと。
大規模なものでは大きく分けて、山の送り火、海の送り火の2つがあります。
例えば、
さぬき市の山の送り火は『大師山火祭』が有名ですが、
海の送り火は知る人ぞ知るこの『白方の精霊送り火』があるのです。
かつて地域ぐるみで行われていた海の送り火でしたが、
香川ではこの『白方の精霊送り火』だけしか残っていないと言われています。
そして、白方の送り火も一度途絶え、6年前に地元有志の手によって復活したものでした。
私も動画を見るまで知らなかった、『白方の送り火』。
一体どういう思いが送り火を蘇らせたのでしょうか?
復活に尽力した地元の方にお話をお聞きしました。
お話をお聞きしたのは
山本さん(写真右)と多田さん(写真右)
さぬき市白方地区は、さぬき市を南北に流れる鴨部川の河口西にある地域。
お2人ともさぬき市鴨庄白方地区に生まれ育ち、
お2人ともさぬき市鴨庄白方地区に生まれ育ち、
現在も白方に住んでいます。
山本さんも多田さんも小さな頃に復活する前の送り火を経験した体験者。
2009年に復活した現在の『白方の送り火』では、
白方の約150mの砂浜海岸沿いに直径約80センチ・深さ50センチほどの穴を掘り、
108ヶ所の松の葉や枝で作ったたいまつを並べ、祭壇を設置します。
日没になると地元の皆さんでたいまつに火を灯し、
僧侶の読経と地元の方の焼香ともに
海で亡くなった方、地元でなくなってた方の霊を弔います。
海岸線に続く108つの炎は瀬戸内海を照らし、幻想的にな讃岐の原風景を映し出します。
今白方の海岸線は多くがコンクリートで埋め立てられてしまってはいますが、
昔は砂浜がもっと長く、その海岸いっぱいに送り火が続いていたのだそう。
半農半漁で栄えた白方地区。地区の北側には雄大な瀬戸内海が広がっており、
海と陸をつなぐ海岸では40年前まで送り火を行っていました。
住む人が少なくなったことと送り火に使用する松の枝葉の調達が難しくなったため途絶えてしまったのだそう。
山本さん「乾燥した松の枝葉がその代わりでどの家も蓄えていて、それを燃やしてお風呂やご飯を炊いていました。
昔は貴重な松の枝葉を各家が持ち寄ってたいまつにして、送り火を行っていましたが、
送り火をしなくなった時期はちょうど高度成長期で、ガスや電気が普及しだした頃。
松の葉枝を家事で使う事がなくなったので、調達するのが難しくなったんです」
多田さん「今も乾燥した松の枝葉を集めるのが一番大変。自宅や個人のお宅の松や津田の松原で剪定した枝や葉を貰いにいって、乾燥させてよく燃えるように管理しています」
そんな大変な思いをしてまで、なぜ6年前に白方の送り火を復活させたのでしょうか?
山本さん「地元に根付いていた伝統行事を知っている
自分たちが実際にやって、後世の人に伝えていかなければ
残っていかない、忘れられてしまうという思いがあったからです。
白方の海の送り火を若い人に知ってもらいたいですね」
今年も8月15日(金)18時頃から送り火が執り行われる予定です。
海と陸を繋ぐ美しい弔いの火が今年も楽しみですね、
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