2014年10月28日

海から見るとスゴイんです!東讃のジオサイト@さぬき市・東かがわ市

さらです。


突然ですが質問です。
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このしましま模様は、いったい何でしょ〜か?


これらは、香川県東部(東讃)の
瀬戸内海沿岸で見られる地形や地層なんです。

大自然が描く模様が、こんなにもキレイなんて
ちょっと不思議ですよね〜。

これら東讃に存在するジオサイト(地質遺産)
理解を深め、関心を持ってもらおうと、

2014年10月25日(土)
さぬき市津田町の津田公民館で、
瀬戸内海国立公園指定80周年記念
『東讃・海から見たジオサイトと石の文化講演会』
が行われました。
(主催は香川大学。共催はさぬき市教育委員会と東かがわ市教育委員会)

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講演会の前には、関係者のみの参加でしたが、
船に乗って海からジオサイトを観察する
『東讃ジオクルーズ』も行われたんです







今回のジオクルーズは、

・東かがわ市の引田漁港で乗船
    ↓
・西へ西へと進みながら沿岸のジオサイトを観察
    ↓
・さぬき市の志度港で下船

という約2時間のコース

乗るのはこちら
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香川大学の調査船カラヌスです。

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まず、出発地点の引田港で注意事項などを聞きます。

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香川大学工学部の長谷川修一教授

長谷川先生は、讃岐平野や備讃瀬戸のジオサイトを
世界ジオパーク(ユネスコの世界遺産のようなもの)に登録しようという
『讃岐ジオパーク構想』を提唱していらっしゃいます。
(詳しくは、こちらをクリック)

「観測船の移動は、フルスロットルで疾走します。
振り落とされないように気を付けてください」
という説明を、穏やか〜に話される長谷川先生。

ちょっとビビる私。

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ということで、ライフジャケットをしっかり着て
船に乗り込みました。

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いざ出発!


🚩まずは東かがわ市のジオサイトから。


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引田漁港を出てすぐにある城山の引田不整合
(赤い点線の左上が和泉層群で、右下が花崗岩の地層)

不整合というのは、ザックリ言うと
異なる地層が重なりあった場所のこと。

重なり方を見ると、地殻変動が起こった時代や
順序、規模などが分かるのだそうです。

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白鳥港の東側、鹿浦越にあるランプロファイア岩脈
1942年(昭和17年)に国の天然記念物に指定されました。
干潮のときは歩いて近くまで行けるそうです。

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まるでシマウマのような模様。

白っぽい色の花崗岩のひび割れに、
黒っぽい色のランプロファイア岩脈が入り込んだため、
こんな模様になったんだとか。

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丸亀島。1940年(昭和15)に国の天然記念物に指定されました。

亀に見える〜なんだかカワイイ


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島には竜神伝説が残って、洞穴は『蛇の穴』と呼ばれているそう。

洞穴の入り口付近の岩石は、柱が積み重なったような形状で、
『柱状節理(ちゅうじょうせつり)』といいます。

ちなみに『節理』というのは、規則性のあるひび割れのこと。
溶岩が冷えるときに出来るのだとか。

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絹島。丸亀島と同じく、国の天然記念物に指定されています。

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絹島の柱状節理は見事な横方向。

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ちなみに、この頃には観測船のスピードにも慣れ、
吹き付ける風が気持ちよくて楽しくなってきました。

さらに西へ西へと進みます。


🚩ここからはさぬき市のジオサイトです。


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海から見た津田湾の風景。

日本の渚百選にも選ばれた
さぬき市津田町の『津田の松原』
中央に見えています。
(かすんで良く見えませんが💦)

実は、この写真には歴史のロマンが
いっぱい詰まっているんです!

例えば、津田湾沿岸は国の史跡に指定された
津田古墳群のある地域なので、
古墳時代に海から津田湾を見たら、
大小様々な古墳が見えていたはず。

そして火山(ひやま)は凝灰岩の産地で、
古墳時代には畿内まで石が運ばれていました。

隣の雨滝山は、世界最古のなまずの化石が出土した
化石の宝庫なんです。

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雨滝自然科学館の森繁館長が解説されました。

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さぬき市小田の馬ヶ鼻

写真左に見えているのは、
ゴルフ場の志度カントリークラブです。
(詳しくは、こちらをクリック)

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ここは、約1400万年前の火山活動によって形成された
瀬戸内火山岩類(讃岐層群)のほぼ全体が
一度に見られる奇跡の場所なんです!

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崖の地層は、凝灰岩、凝灰角礫岩、砂岩、礫岩などが
ほぼ垂直に積み重なっていて、不整合もみられるそう。

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さぬき市小田の大串岬


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海から見たさぬきワイナリー(写真中央の塔がある建物)
見慣れた場所なのに、見る方向が違うと印象が変わりますね。

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四国霊場86番札所「志度寺」の五重塔が見えてきました。
もうすぐ終点の志度港です。

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さぬき市志度の志度港に無事到着。

振り落とされなくて良かった!

長谷川先生によると、香川県の海岸線は
埋め立てによって大きく形を変えているのだとか。
東讃地域は昔の地形をそのまま残している点が
素晴らしいのだそうです。


🚩おまけ

ジオクルーズの帰り道、
昼食に立ち寄ったうどん屋さんでのこと。

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参加者の方々がこのトイレの案内を見て、
「これはどこの柱状節理だろう」
と和気あいあいと話していたのが
微笑ましかったです。

ジオサイトとか地質学とか言うと、
ちょっと遠いものに思ってしまいますが、
以外と身近なところにあるんですね。

普段は見ることが出来ない景色に感動して
ますますジオサイトのことを知りたくなった
ジオクルーズでした。



瀬戸内海国立公園指定80周年記念
『東讃・海から見たジオサイトと石の文化講演会』
開催日時/2014年10月25日(土) 13:30〜
開催場所/津田公民館【地図


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posted by sanuki-asobinin at 12:00| 香川 ☀| Comment(0) | レジャー・アート・写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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