いいものを長く使える人になりたい、
はっとーです!
香川県伝統工芸士であるさぬき市長尾の
白井 敏隆さん
の『香川竹細工』
をご存知ですか?
香川竹細工の香川県伝統工芸士は、現在、白井さんただ一人。
しかも、御年91歳の白井さんはすでに、竹細工作りを引退されていらっしゃいます。
そんな貴重な『香川竹細工』の世界を少しでも覗いてみたい!
そう思い、竹細工を作っていた工場に足を運んでみました。
『香川竹細工』は、
細くさいた竹を、形を整えながら製品に合わせて編み上げていったもの。
用と美を兼ね備えた生活の用具として花器や籠、菓子器、茶托など様々な用途の竹細工が製作されており、「竹のまち」と呼ばれる長尾ならではの伝統工芸品です。
昭和13年頃、長尾で育った白井さんは
高松から長尾に竹細工作りについて教えにやってきた職人のもと、竹細工の作り方を学びます。
その後、太平洋戦争が起き、白井さんも出兵。
戦争が終わり、ふるさとである長尾に命からがら帰ってきた白井さんが携わったのが、幼い頃に学んだ竹細工作りでした。
物品が不足し、粗悪品がたくさん出回っていた中、
地元の天然竹を使い、見事な竹細工を作った白井さんの商品は一躍大人気となったのだそう。
それから「白井竹器工場」を立ち上げ、職人を擁しながら香川竹細工を全国で販売。
東京の大手デパートで販売されていたり、京都や全国の老舗料亭や有名旅館で使用されていたのだそう。
以前、現在の皇太子ご夫婦が香川県に訪問なされた際に、
白井さんの作ったこちらの茶托を大変気にいられ、ご購入なさったこともあったのだとか。
白井さんらが作る香川竹細工を見て行くと、非常に編み目が細かく、繊細に作られています。
全て手作業で作っていたのだそうですが、どれだけ作品を見ても、編み始めと編み終わりがどこなのかわからないほど丁寧に編み込まれています。
ここまで細かく編み込むには、手先の器用さだけでなく、しなりの強い竹を自在に操る腕力が必要だったのだそうです。
跡取りはおらず、香川竹細工の技術を残す職人はもういないだろうと話す白井さん。
いつかもう一度、香川竹細工が脚光をあびる時がやってきてほしいなと思うはっとーなのでした!