福はやってくるものではない…
奪うものだ!!!
はっとーです。
2015年1月7日(水)、
さぬき市長尾の
四国八十八箇所霊場の第八十七番札所・長尾寺で毎年1月7日恒例の年始行事
『長尾寺大会陽』が行われました!
大会陽(だいえよう)とは、真言宗の年中行事で
寒い冬を乗り越え、陽春に出会う(会陽)時期に、その年の除災招福や五穀豐穰などを祈念するというもの!
1200年前、空海の時代から続くとされる
長尾寺の大会陽では、
1月2日に行われた三味線餅つき
昨年の様子はこちら
でついたお餅をまく「福奪(ふくばい)」と
つかれた餅で作った巨大鏡餅を持ち上げて距離を競う「力餅運搬競技」の2つで構成されています。
福と書かれた福餅を投げる「福奪」。
縁起よさそう〜!
境内には、1つでも多くの福餅を手に入れるべく、たくさんの方が集まっていました。
例年は、長尾寺の屋根上からもまかれる餅ですが、
今年は長尾寺が喪中ということもあり、軒下だけから
約3000個のお餅が投げられました。
大人も子どもも必死!
地元の少年野球チーム「長尾コンドルズ」の子どもたちもたくさんのお餅をゲットしていました!
お餅は固くてボールのようにまん丸ではないので、捕るのに苦労したそうですよ。
福奪の後は、こちらも人気の「力餅運搬競技」!
この日も、広島からわざわざ日を合わせて見にきたお遍路さんがいらっしゃっていました。
子どもと一般飛び入りの部門では、45kgの砂袋を持ち上げた状態で歩いた距離を競い、
大人の部門では、三方含めた巨大鏡餅を1人で持ち上げて、歩いた距離を競います。
この鏡餅の重さは毎年変わり、
今年は上のお餅40kg+下の餅60kg+三方88kgの
計188kg!
その重さは中型バイクと同じくらい。
相撲の横綱・白鳳の体重が158kgということなので、
お相撲さんよりも重い、もしくはそれくらいの重さのお餅と三方を持ち上げて歩かなければいけません。
▲鏡餅の上の部分を持った大山さぬき市長。その大きさがよくわかりますね!
大人部門の前に、子ども部門!
地元の長尾小学校と造田小学校の男女15人が参加しました。
子ども部門はチーム制。3人1チームでそれぞれ持ち歩いた距離の合計を競います。
45kgといえば自分たちの体重以上!
一生懸命持ち上げていました。
女子優勝は造田小Aチーム!
6年生で最初で最後の出場だったのだそう。
「すっごっくすっごく重くて、落とした瞬間に体が『軽っ!』ってなりました」と感想について話していました。
男子優勝は長尾小Cチーム!
他の出場者の平均100mほどだったのですが、
6年生の岡田くん(写真真ん中)の記録は、なんと232メートル!
「根性で持ち上げました!持っている時は自分が何メートル歩いているかわかりませんでした」と貫禄のコメントを話してくれましたよ。
おめでとう!大きくなったら、大人の部門にもチャレンジしてほしいな!
さて、さて、緊張感が漂う大人部門。
今年は、7人がエントリーしました。
そのほとんどが毎年参加している猛者たち。
競技前、参加者は力餅を腰に引っ掛けるための回しをつけるのですが、
みなさんその表情は真剣そのもの。
その姿はまさにアスリートそのものです。
大人部門では188kgの力餅と三方を2回持ち上げ、距離の長かった方が記録となりまし。
まず最初に登場したのが昨年の優勝者である、段 洋司さん。
徳島県から毎年、長尾寺力餅運搬競技に参加しており、4連覇中。
他にも、たくさんの力餅運搬競技に参加しているそうですが、3年間負けなしなんだそう。
力餅を渡すのも、大人7人がかりです。
他の力餅運搬競技では、鏡餅と三方が固定されていますが、
長尾寺の運搬競技では固定なし!
そして、三方自体がとても重く
力だけでなく、餅と三方のバランスも考えながら持たなければなりません。
要するに、とっても持ちにくい!餅だけに!(笑)
段さんの一回目の記録は、39.5メートル!
去年の優勝記録を超える好成績です!
2人目で登場したのは、生田英大さん。昨年の準優勝者です。
落とした瞬間に地鳴りのように「ドーン」という音が聞こえ、
記録は40.6メートル!
段さんを超える距離!段さんの2回目の記録次第で、初優勝が狙えるかも!
そして、見つめる観客からもっとも熱い声援が贈られた選手が、
4人目に登場した、大浦年文さん。
大浦さんは通算24回の優勝と19回の連続優勝記録を持つ、
「ミスター力餅」!
なんと今年で65歳なんだそう!
大浦さんの記録はふるいませんでしたが、大きな拍手が贈られていました。
そして注目の2回目!
記録が抜かれた段さんにとっては、連覇の望みを繋ぐラストチャレンジです!
観客も固唾をのんで見守ります。
倒れ込む段さん!
記録は…
41.2メートル!
生田さんの記録を抜き、今年も優勝を決めました。
上位3名には、鏡餅と粗品が贈られ労をねぎらわれました。
今年も優勝の段さんに、優勝の感想をお聞きしてきました!
今の気持ちを一言で!
「最高です!一年の幸先の良いスタートが切れたので大満足です」
1回目に記録を抜かれましたが、2回目はどのような気持ちで試合に臨まれましたか?
「1回目の記録を抜く事は大変なことなのですが、気持ちを切り替えて、とにかく失敗しないように落ち着いてやりました」
ずばりコツはなんですか?
「経験ですね。まわしのしめ具合なども今年は水をかけるなどしながら毎年試行錯誤しています」
また次回の長尾寺力餅運搬競技も期待しています!
「40歳(段さんは現在38歳)まで連覇したいなと思っています」
小学校2年生の息子さん・翔太くんに「がんばった」と声をかけられ、嬉しそうな段さん。
来年も連覇に向けて、頑張ってください!
昔、長尾町内では大会陽が終わってからが
仕事始めとされていたほど、
地元に密着していた、長尾寺大会陽。
長尾力餅実行委員会の池田会長は、
「昔から続く長尾の伝統行事をこれからも続けたい、続けないといけないと思っています」
と力強く話していました。
是非一度、長尾寺大会陽の迫力に圧倒されてくださいね!
★おまけ★
?運搬競技で使ったお餅はどうするの?
答え・巨大鏡餅は、わらを切るための機械を使って小さく切り分けられ、長尾寺の檀家に配られます。
なにせ大きいため、大人3人がかりで、何回も刃を入れながら豪快に切っていくのです!
過去の様子