今年もさぬき市さくらまつりのはしごをしちゃった、かっしーです
土曜に続き、晴天を期待した2015年4月5日の日曜日。
時折晴れ間は覗くものの…やはり雨模様☔
さぬき市で行われた春恒例の「さくらまつり」の一つ
「花鎮祭」が行われる亀鶴公園も桜が散り始め。
お祭りは拝殿内での祭典のみとなりましたが…
(晴れた時の花鎮祭の様子はこちら)
(晴れた時の花鎮祭の様子はこちら)
祭事で活躍した、地元長尾中学2年生の女の子たちが扮する「桜小町」から
明るい笑顔を頂きました♪
さて、桜にまつわるお祭りも行われている亀鶴公園が
「桜の名所」となった所以が書かれている石碑が
園内にあるのをご存知ですか?
亀鶴公園の桜を植えたのは…
昨年80周年を迎え話題になった
「瀬戸内海国立公園」の父、小西和(こにし かなふ)だったのです
小西和は亀鶴公園の地区、さぬき市長尾名の出身。
幼いころから勉学に勤しみ、中学を卒業後
札幌農学校(現在の北海道大学)に進学して北海道開拓に励みました。
(小西和について詳しくはこちらを♪)
文と絵の達人であった小西和は朝日新聞社に入社して記者として活躍。
従軍記者が終了したのち
1年間の休暇と2000円(現在の1400万円ほど)の報酬をもらった小西和は…
休暇を瀬戸内海の学術調査の日々に。
そして報酬を亀鶴公園の桜の木の献木に使ったのです。
なぜ亀鶴公園に…?
それは小西和が日露戦争出征時の無事祈願を
氏神様である亀鶴公園の宇佐神社で行ったからと言われています。
その御礼として桜を。
そして彼の想いを境内にある「櫻ノ碑」という石碑に刻み込みました。
櫻ノ碑は宇佐神社の鳥居をくぐってすぐ左手に。
つい最近、小西和に詳しい地元のみなさんに協力頂き
隣に説明看板が付けられました。
看板の監修に携わった櫻谷和香さんと石碑を読み解いて行きましょう!
櫻谷さんは、お祖父さまと小西和のご長男が親友だったことや
旧長尾町時代に亀鶴公園によく携わっていらっしゃったことから
今回の看板設置に関わられたのだとか。
『説明看板』には小西和の生涯の歴史と
石碑に刻み込まれた文字がそのままの形で写されていました。
明治の頃に書かれた文章と聞くと一見読みにくそうですが
目を通してみると…
この櫻は明治37、8年の戦役に従軍した私が
その記念として明治40年から4年間に苗木2500本を埼玉県から取り寄せて…
普通に読める!
「小西和さんはとっても頭の良いひと。
私たちが読める言葉で、ちゃんと想いを残してくれているんです。
だから看板にもそのまま写してもらったの」
と櫻谷さん。
「そして亀鶴公園はこの石碑のとおりの風景になったんよ」
追々育って 花が咲き 森や水と調和して美しうなって来ました
それでここが亀鶴公園と名付けられた一つの名勝になりました
神様はお喜びなさる 多勢が見物に
夜は電灯が光渡って 賑わふ有様で 踊って楽しんでくれます
櫻谷さん曰く、昭和30年頃が亀鶴公園の全盛期。
亀島に続く桜並木は枝が伸びてトンネルみたいになっていて
ぼんぼりは道の両脇に連なり、まっすぐ通りぬけができていたそう。
宇佐神社の手前にはお屋敷があって
賑やかに三味線を鳴らす芸者さんと、池の和舟遊びが盛んで…
常々宴会が行われて、着物の女性で賑わっていたのだとか。
長い年月の後には 木が自然に枯れて来るでせうから
その時々 苗木を植えて補はねばなりません
石碑のとおり、小西和が献木した桜の木は昭和47年に枯れてしまいました。
その代わりに高さ1メートルほどの苗木を補い
それが今の亀鶴公園の「桜」並木を作っているのだそうです。
今、亀鶴公園は香川の中でも有名な桜の名所。
桜の木は小西和の時代から減り、約300本となりましたが
未だ花の時期には各地から沢山の人が訪れて桜並木を歩き
ライトアップされた夜桜の下では宴会を楽しむ様子が見られます。
小西和は今でもその風景を空の上から眺めて微笑んでいるかも?
瀬戸内海国立公園の父であり、政界で活躍したさぬき市の達人 小西和の
優しい一面にふれた気がしました
亀鶴公園に訪れた際には小西和の桜への想いを見に…
「櫻ノ碑」まで足を運んでみてくださいね。
【櫻ノ碑もうワンポイント!】
櫻ノ碑の説明看板に付けられたこの「桜の絵」
実は小西和の作品なんです!
さぬき市の前山から多和に向かう途中にある
昼寝城の桜を描いた芝居緞帳の桜の一部を
ポイントとして看板にもつけたんだそうです。
(詳しくはこちらの記事後半を♪)
華やかな色合いとやわらかい花びらの流線。
真正面だけでなく、花の後ろ側や横顔もしっかり描かれています。
桜とお酒と一緒に詠んで楽しみたい、彼の一句などもたくさん。
前山おへんろ交流サロンでは
毎年春に行われる「道の駅ながお さくらまつり」の日に緞帳を掲示しますが
今年は4月いっぱい展示されていますので
小西和の桜はしごを楽しんでみてくださいね♪