昨日に引き続き、今日は平賀源内記念館の特別展示のご紹介
館内をゆっくり歩いていると
意外に初めて知る源内の一面が多いこと多いこと。
エレキテルをはじめ、彼自身が発明、提案したものは数え切れないほど。
その中でも今だけしか見られない、とっても貴重なものを玉手箱コーナーで発見!!!
それが
「金唐革紙(きんからかわかみ)文庫」
時を経て、少し黒ずんではいますが…
表面を見れば洋式の美しい柄は健在。
源内の発明品の一つと言われるこの「金唐革紙」って
一体どんなものなんでしょう?
一体どんなものなんでしょう?
「金唐革紙」は、現在平賀源内記念館で開催中の企画展
「秩父との関わり今昔〜修復された金唐革紙文庫を通して〜」
で展示されています。
秩父といえば、源内が「石綿」を採取するために移り住み
「火浣布(かかんふ)」という燃えない布を発明したゆかりのある土地。
そんな秩父のとある個人宅で長年保管されていた様々なものが
2015年4月に平賀源内記念館に寄贈されました。
中でも注目したいのは源内が江戸時代に発明した「金唐革紙」
その元はヨーロッパの宮殿や邸宅の壁を彩っている皮の壁紙「金唐革(きんからかわ)」でした。
「金唐革」は江戸時代に海外から日本に渡ってきた美しい装飾用革のこと。
革をなめし、凹凸をつけて合金の箔を押し、模様をプレスしたもの。
高級品として日本では幕府へ献上され、その後は一般にも広がり
煙草入れや刀の鞘、馬の鞍などに使われていました。
ちいさくても非常に高価なものだった「金唐革」を
もっと手軽に、大衆向けにと立ち上がったのが、我らが平賀源内!!
ついに「紙」で作る金唐革、「金唐革紙」を発明しちゃいました!
そんな「金唐革紙」で作られた文庫(ふみばこ)がこちら!!
この文箱は木の箱に金唐革紙を貼り付けたもの。
すずの箔に漆を塗ったもので、表面がぽろぽろと剥がれおちるほどでしたが
半年かけて修復を施し、みなさんに見て頂けるようになったそうです。
中にも同じように模様が描かれた紙が貼られています。
薬草にも関わりのあった源内らしい柄だな…と思いました。
江戸時代の金唐革紙は現代に2つしか残っていないので
大変貴重なんだとか!!
こちらの冊子は、昭和になってできた平賀源内顕彰会作の冊子「平賀源内全集」
内表紙に同じ模様が描かれています。
様々な植物の絵柄は、まさに高級な洋館の壁や絨毯の柄のよう。
金唐革紙は、江戸時代から明治にかけて国が主体となって和紙で作られるようになりますが
万博をきっかけに海外で日本のものが好まれた背景もあり
ヨーロッパへ輸出されるほどになったそう。
しかし、源内が金唐革紙を作った…という話はあまり残っていません。
企画展の中では、この文庫が源内のものであるとわかる直筆の手紙の展示もされ
彼の発明品のひとつであることがはっきりとわかってきました。
「私が細工した文庫をさしあげます」と書かれてあります。
金唐革紙文庫が大切に保管されていただけではなく
平賀源内の直筆の手紙が見つかったため
金唐革紙が源内の発明品であることが証明されたと言えます!
金唐革紙文庫を通して、源内の歴史をたどる資料も展示されています。
金唐革紙が初めて世に展示されたのは昭和5年。
平賀源内顕彰会主宰、東京松阪屋にて行われた「電気三賢遺品展覧会」ですが
その展覧会の券やポストカードも!
さらに志度にある平賀源内旧邸横の源内さんの銅像を作られた
小倉右一郎先生の即席画まで。
源内ゆかりの地は志度以外にも日本全国にたくさんありますが
秩父が源内の地として現在に知られてきたのは
昭和はじめにできた平賀源内顕正会がきっかけとも言われています。
昔から熱いファンのバックアップを受けて伝わってきた源内の功績を
この企画展で垣間見てみませんか?
「秩父との関わり 今昔 〜修復された金唐革紙文庫を通して〜」展
会期/2015年7月5日〜9月23日
観覧料/入館料のみ
平賀源内記念館
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