あなたの街には、お盆ならではの風景がありますか?
さぬき市鴨庄の海岸沿いの町「白方地区」では
毎年お盆に8月15日の18時から108つの炎を焚いて
お盆に帰ってきた先祖や海でなくなった人の霊を送り出す風習
「白方の精霊送り火」が行われます。
そんな「白方の送り火」をきっかけに生まれた映画「ある夏の日の送り火」の撮影が
現在さぬき市内で毎日行われています。
先週さぬき市民病院で行われたロケの合間を縫って
映画「ある夏の送り火」の監督、岸本景子さんや
出演される俳優さんにお話をお聞きしました!
取材に訪れたのは8月某日。
夜のさぬき市民病院。
診察室が並ぶ1階。
灯りはついていますが、やはり夜の病院は普段とは違った表情。
この日は主人公の女性が精神・心療内科に通うシーン。
実際に診察室を借りきってのロケが行われていました。
様々な角度からカメラさん、音声さんが機材を構えていらっしゃいます。
カメラテストから本番まで。
終始緊張した重い空気が流れていましたが…
撮影が終わればこの通り!
とっても和やかなキャスト、スタッフ陣に笑顔がこぼれます。
この日は早朝からさぬき市内のスーパーでロケが行われていたので
合計12時間以上の連続ロケ!
皆さんお疲れ様です〜〜〜!!!

映画「ある夏の送り火」の監督を務められるのは
大阪出身の映像作家、岸本景子さん。
2011年には岡山県総社市でロケを行った自主映画「HEAVEN」を制作。
その後、自身2作目となるのが「ある夏の送り火」。
今年もロケハンのためにさぬき市に足を運ばれていました。

(岸本さん)
「8月7日にクランクインしましたが、撮影は順調に進んでいます。
特にさぬき市の中でも鴨庄という半農半漁の町でロケを行っていますが
海と山に囲まれる自然いっぱいの撮影がなんとも気持ちいいです。」
(岸本さん)
ちょうど2年前にYoutubeで鴨庄白方の送り火の映像を見つけました。
その時、祖母を亡くしたばかりの時で…
映像をみたことで客観的に祖母の死を受け止めることができたんです。
この想いはみんなに共有できるんじゃないかなと思って撮影することにしました。

主人公を務めるのは映画「HEAVEN」にも出演されていた竹田朋子さん。
竹田さん演じる主人公の女性は、子供を亡くした母親。
映画の中では送り火を通して子供の死を受け入れていく姿が描かれていきます。
(竹田さん)
「実は母が三重県の海沿いの町の出身なので
白方の海岸はその風景を思い出します。
海を怖がっている女性の役なんですが
撮影しながら白方の海はとても綺麗だなと思いました。」
主人公の女性を支える旦那さん役の倉増哲州さん。
ロケのためさぬき市に到着したのが夜。
真っ暗で何も見えない…というイメージだったのが
翌朝、目の前に広がる海と山の景色に感動されたのだとか!
(倉増さん)
「さぬき市内の一軒家を借りてのロケも行っているんですが
廻りの田んぼや川の景色もとても綺麗で。
すれ違う地元の方がとてもフレンドリーで嬉しいです」
こちらは映画「HEAVEN」から、岸本監督とタッグを組んで制作を行っている脚本の堤健介さん。
連日連夜のロケで大好きなさぬきうどんがなかなか食べられないのがツライそう。
(堤さん)
「白方の送り火は写真を見て火が連なる長さに驚きました。
遠くまで届きそうな炎だなと。
この映画は子供を亡くした母の話ですが
白方には同じように海で子供を亡くした方がいらっしゃって。
そんな方にも届けばいいなと思う作品です」
そして今日18時からは、映画のメインである「白方の精霊送り火」が行われます。
地元の方の了承を得ての撮影も同時に行われます。
お時間のある方はぜひ、白方まで足を運んでみてくださいね!
(岸本監督)
「白方の送り火」は40年の時を経て復活し毎年行われていますが
これを支えている地元の方は高齢者ばかり。
いつ途絶えるかわからないこの風景を映画として残してくれることを
地元のみなさんもとても嬉しく思ってくださっているのだそうです!」
今夜のロケはもちろん、完成が非常に楽しみ。
白方の送り火とともに、みなさんに長く伝えて頂きたい作品です!
【映画「ある夏の送り火」】
来年1月頃にはさぬき市で試写会を。
そして来年夏には全国のミニシアターで公開予定!
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