2015年10月11日、
塚原稲荷神社では秋祭りが行われました。
あばれすぎ!だが、そこがいい!
塚原あばれみこしの魅力をちょこっとご紹介します。
祭りが行われた、塚原稲荷神社は、
もともとは、備前の海岸から瀬戸内海を渡ってきた神様がまつられていると伝えられており、
神仏習合の時代から村の守り神でありました。
京都の伏見稲荷神社には、塚原稲荷神社の分神がまつられているのだそう。
本神輿に対抗した、純☆塚原産な『あばれみこし』。(制作風景はこちら)
別名『にわかみこし』とも言います。
あばれみこしの興りが実にロック!
江戸時代(明治時代初頭という方もいます)
塚原は不作の年が多く
力の持った庄屋さんや年貢の厳しい取り立てに不満を持った
若い人がにわかみこしを作り、顔がわからないように化粧をして『あばれ』に扮し、
にわかみこしを担ぎ、本物の神輿をあおることで
権力者や大人への反抗の気持ちを表したことがその始まりと言われています。
あばれみこしの担ぎ手の
「もったいない!もったいない!」という掛け声も
そういった歴史的な背景を考えるとなんだか深いものを感じてしまいますよね。
そんなはじまりだった『塚原あばれみこし』ですが、
不思議とあばれみこしが出た時は豊作になり、出なかったときは不作になったため、
そのうち塚原稲荷神社の秋祭りの伝統行事として毎年行うようになったそうです。
現在でも地元の3つの自治会の方々が協力してまつり、
秋祭りやあばれみこしを執り行っています。
あばれみこしの大切な要素の一つが『あばれ』たちの化粧。
コンロで炙ったびんつけを顔に塗って白塗りにしていきます。
化粧は眉毛があがっているのが男化粧で、下がっていて頬が赤いのが女化粧。
青ひげのような塗りもポイント。
歌舞伎化粧をふざけさせたようなメイクといえば分かりやすいでしょうか?
肌が荒れたひとや年寄りはノリが悪く綺麗に色がつかないのだそうで、そういう意味でも若者限定の化粧です(笑)
昔は塚原にも農村歌舞伎が行われていたとのことなので、その名残もあるのかもしれません。
残念ながら昔ながらの化粧の型というのは残っていないらしく、
基本の白塗りにアレンジを加えながら即興で考えるのだそう。
あと、衣装はボロ着、傘は破けたものをものというのもお決まり。
おたゆうさんだけ、片足だけ1本足の下駄を履き、
あとは全員わらじを履きます。
お太夫さんの服は、紙を切ってマジックで柄を書いたハンドメイド!
着古されて破けた服を来ている人もいれば、
どう考えても女性用のものを着ている方もいてもうめちゃくちゃ(褒め言葉)
本神輿が境内をお出になるまでの神事中、
あばれたちは「もったいない!もったいない!」と叫びながら、
神社の裏で祝い酒を飲んだり、吹いたりしています。
神事が一通り終わると、神社の小さな小窓からご神体があばれたちに渡されます。
そのご神体をあばれみこしにおのせし、あばれみこしは一気に動きだします。
塚原は阿鼻叫喚、まさに『暴れ』!とにかくめちゃくちゃに走り回ります!
あばれみこしは神社の裏道を走り、お太夫さんが信じられないくらい下品な祝詞を上げる一方で、
本神輿が粛々と上品に神社から御旅所へお下がりしていきます。
こちらの本神輿がまたとても立派…
あばれみこしと本神輿。
双方のギャップにクラクラして、もうわけがわかりません(笑)
あばれみこしは、参道を行く本神輿にちょっかいを出すようにぶつかり、
最後は、神社の前にある池にドボーンと投げ込まれます!!
(もちろんあばれみこしだけです。本神輿はお下りを続けます)
担ぎ手のあばれたちもドボーン!
そして、見ているまわりの人もドッボーン!!!
あばれたちに捕まえられて次々と!そして私も投げ込まれた!
ワイルドですが、投げ込まれるときに「携帯は持ってないですか?めがねも外しますか?」と気遣ってくれました。
見た目は変質者なのに、中身はちゃんと紳士です…。
あばれすぎ!はしゃぎすぎ!
そして、終始笑いっぱなし!
正直、こんなに笑顔になれるお祭りはなかなかないのではないかなと思います。
きっと昔の人も塚原あばれみこしを見て、不作で落ち込んだ気持ち吹き飛ばし来年の活力にしていたに違いありません。
さてさて、簡単に紹介しましたが、
今回の様子はまた後日動画でもご紹介予定!
皆さんお楽しみに〜!!!
塚原稲荷神社あばれみこし
開催場所/塚原稲荷神社【地図】
開催日時/2015年10月11日(日) 14:00〜
問い合わせ先/塚原あばれ神輿保存会(TEL:0879-52-2504)
【注意】
お祭り当日のゴミは各自で必ず持ち帰りましょう。
無断での路上駐車等は絶対にやめましょう。
マナーを守り、周辺住民や観客のご迷惑になる行為は避けますようにお願い申し上げます。