さぬき市を南北に流れる2級河川『鴨部川』
その流域には、それぞれの地域で環境保護活動を頑張る方たちがいます!
各地区で鴨部川の環境保護活動をされている皆さんが集まり、
鴨部川を下流から上流に巡ることでそれぞれの活動を知り、深めるバスツアーが行われました!
2015年10月9日(金)
そのツアーに同行させていただきましたよ〜〜!
『かがわの里海づくり 鴨部川流域見学ツアー』と銘打たれた今回のツアー。
今回のツアーは、
かがわの里海づくりプロジェクトを主導されている
香川県 環境森林部 環境管理課 水環境・里海グループが主催されたものです!
『里海づくり』とは、
水産資源だけでなく、景観、憩いの場、食文化、観光など多くの恵みを享受できる「豊かな海」を目指して、
人の手を適度に加えて海域・陸域を一体的に管理する手法です。
『山・川・里(まち)・海のつながり』=『里海』をを考えながら、総合的な施策展開を図るものです。
県では、全域が瀬戸内海の流域であることや、県土がコンパクトで人の暮らしと海が近いという特徴を生かして、県下全域を対象とした里海づくりを県民の皆さんや関係者と連携・協働しながら進めていきます。
今回バスツアーは、鴨部川流域で活動されている環境保全団体やさぬき市役所のみなさま等がこれから活動するために
普段なかなか訪れることのない他の地域(上流・中流・下流域)をバスで訪れ、
その地域の状況や課題を共有することを目的としています。
まず私たちが最初に訪れたのは、鴨部川の下流域!
鴨部川の水は志度湾、瀬戸内海に流れます。
今回のバスツアーではそれぞれ立ち寄った場所で、
水の汚れを調べるCODと
透明度を調べる透視計を使って、それぞれの流域の水質を調査していきます。
徳島文理大学で『志度湾プロジェクト』を実施している水野准教授と、
徳島文理大学ボランティアサークル「レインボーの会」の学生さんがお手伝いをしてくださいました!
CODはスポイトのように検査器具に水を入れ、その中に入った薬品と反応させると…
水の色が変わります。
その色あいによって汚れの度合いがわかる優れものです。
下流域の値は2~5くらい!
かなり綺麗です!
下流域の活動報告をしてくださったのは、鴨庄漁協の松中参事。
鴨部川下流域はかつてはあさりを捕る、潮干狩りの名所でしたがここ5,6年で数が半分以下に。
その数を持ち直したいと、干潟を掘り返し研究を行っているの出そう。
困っているのは、漂流ごみ。この日もペットボトルや釣りのゴミが砂浜に流れ着いていました。
台風がくるとたくさんのゴミが流れつき大変困っているそうです。
続いて訪れたのが中流域のひとつ、造田地区。
こちらでは、『鴨部川アジサイ夢ロード』と名付けられ、たくさんのアジサイが植えられています。
説明をしてくださったのは、鴨部川アジサイ夢ロード造田の会の松原さん。
もともと地元の造田小学校の子ども達が竹やぶに覆われた鴨部川の土手沿いを「綺麗にしたい」という声をあげ、
それから旧長尾町の町花であったアジサイを植えたことがはじまりだったのだそう。
川べりは綺麗に整備されていて本当に綺麗!
竹やぶに囲まれていた場所とは信じられません。今現在も小学生が月1回清掃活動をしているのだそう!
つづいて訪れたのも同じく中流域の昭和地区。
昭和地区では平成11年から地元の有志が集まって、ゴミ拾い活動をしているのだそう。
それもあってか周りにはゴミが一切落ちていませんでした。
「1600mの土手の景観を良くするため、他にも自治体100人かがりで草刈りをしたりしています」
そう話してくださったのは『昭和を美しくする会』の森川さん。
何気なくみていた『綺麗な鴨部川』がこういった皆さんの努力でなりたっていたことに、改めて気づかされました。
そして川を汚したくない気持ちが改めて湧いてきますね!
そして、最終地点・来栖渓谷。
おへんろの最後のお寺・大窪寺へのおへんろ道沿いにある場所です。
私も含め、参加者のみなさんほとんどが足を踏み入れたことがないと話していましたが、
実はこちらが鴨部川の上流地点。鴨部川の水はここから流れています。
「来栖渓谷は阿讃山脈から水が流れ込んでいる、さぬき市が誇る渓谷です」と『前山をよくする会』の蓮井さん。
その言葉の通り、来栖渓谷は心が癒されるくらい、澄んだ水が流れていました。
この水が、一度前山ダムに集められて、そこから川に流れて行くの出そう。
アカマツやサワガニなど、綺麗な川にしか住まない生き物たちが来栖渓谷にはまだたくさん生きています。
透明度も抜群です!
この綺麗な水を守り続けていきたいですね…。
最後は前山おへんろ交流サロンで今回の感想と意見の交換会を行いました!
CODの値や透視度を最後にまとめて感想を参加者で述べ合いました。
「CODの値や透視度を見て、海が実はすごく綺麗だったことに気づいた!」
「河川沿いにゴミがほとんど落ちておらず、活動されている方の努力と苦労を感じることができました」
とそれぞれ別の地域の場所で感じた意外な点があったようでした!
今回のツアーを主催した香川県 環境森林部 環境管理課の大倉さんと中根さん(写真左から)。
大倉さんは
「今回ツアーを開いてみて、下流の方は上流に、上流の方は下流に意外と『行ったことがない』ということがわかりました。その中で今回はそれぞれで活動する皆さんが交じり合う形で交流をしていきました。今回の体験で交流が生まれて、何か今度に繫がっていければなと感じています」
と今回を振り返っていらっしゃいました。
今回のツアーから鴨部川から始まる新しい『里海づくり』が始まれば素敵ですよね!
かがわの里海づくり
お問い合わせ/
香川県 環境森林部 環境管理課 水環境・里海グループ
Tel:087-832-3218