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さぬき市寒川町にある門入の郷。
県道10号線から南に向かって3.5km進むと、街の喧騒を忘れるような山に抱かれたスポット「門入の郷」にたどり着きます。
この自然の中で生まれた陶芸作品も集まる、陶芸作家 島田誠さんの個展が
現在21世紀館さんがわで開催されています。
三木町出身、28歳で初めて陶芸に触れた島田さん。
14年間続けて来られたのは「門入に出会ったから」だそう。
その理由を、作陶展の作品をご案内いただきながらお聞きしました。
島田さんはさぬき市のお隣、三木町のご出身。
現在も三木町に住み、普段は仕事をしながら陶芸をされている陶芸作家さんです。
島田さんが28歳のとき、さぬき市寒川町の門入の郷に「寒川陶芸同好会」が発足。
知人に誘われて、ここで初めて陶芸の世界に足を踏み入れました。
同好会の人は発足当時からほとんどが地元の高齢者。
月に2回集まって、みんなでわいわいと思い思いのものを作る自由な会なのだそう。
それまで門入にはカメリア温泉に1、2度訪れただけだったという島田さん。
自然に囲まれた工房で土を触るうちに自分の中でしっくりとくるものを感じたそう。
以来14年間、現在も門入工房で作品作りを行っています。
現在開催中の「作陶展」では、大小合わせて40点の作品が展示されていますが
大きい花器は島田さんの先生である陶芸家の伊藤信夫さんに教えを受けて制作してきたもの。
小さめのお茶碗や湯のみなどは寒川陶芸同好会で制作した作品です。
特に「◯◯焼」という流派はなく、しいて言えば
門入で焼いたものは島田さんご自身が「門入焼」と呼んでいるそう。
ここに並ぶ多くの作品のカラーは銀を含む黒色。
それこそが島田さんの作品の特徴で「カナケ」という地元の山で採ってきた自然の素材を
釉薬の代わりに塗って焼くことで、この「黒」が出るのだそう。
地元門入の素材で作った作品を見て、門入の自然を感じてほしいというメッセージが込められています。
(島田さん)
「色が出るものは自然の中にはいっぱいあって、例えば木も釉薬の代わりになる。
師匠である伊藤信夫さんが地元の素材にこだわっているので
先生との出会いに影響され、自分も地元を身近に感じられる作品づくりをしています」
そんな島田さんの代表作といえるのが「鉄茜花器(てつあかねかき)」
これも地元香川の山から生まれた素材を釉薬がわりに使っていますが、塗り加減でこういった風合いが出るそう。
上部の赤茶色は空の茜色に似ていることから、島田さん自身が「鉄茜」という名前をつけられたそう。
ろくろをまわす時点で色合いのイメージができている島田さん。
この作品は茜色の柔らかさをさらに活かすために変形し、チューリップのようにカーブを作ったのだそう。
逆に銀黒色の作品はシャープでがっちりした形が似合うと、エッジの効いたスタイルに仕上げるそう。
色合いはもちろん、島田さんの優しいお人柄が出た「形」も楽しめる作品展。
真上から眺めると思わず笑顔になれる作品もたくさんあります♪
今年は全国から作品が集まる伝統系の展覧会
「第62回日本伝統工芸展」に入選!
入賞した島田さんの作品が全国を巡回し
2016年1月2日〜1月17日には香川県立ミュージアムに帰ってきます。
(島田さん)
「人間国宝の先生たちと並ぶ展覧会に入選し、非常に嬉しかったです。
僕は焼き物が得意な人間として、地元の素材を使った作品を作ることで
みなさんに地元をもっと知ってもらいたいと思います」
(島田さん)
「とくに門入は自然がとても豊かでいいところなのに、あまり知られていない。
作品を作ることで、門入のことをもっと沢山の人に知ってもらいたいと思っています」
展覧会のチラシ、ハガキ用の作品撮影も門入の郷で行っていますが
シンボルである門入ブリッジと緑をバックに、島田さんの作品がとても気持ちよさそう。
「島田誠 作陶展」に足を運んでいただいたら
帰りにぜひ門入の郷にもお立ち寄りください。
冬は夜空がとっても綺麗ですよ♪
【島田誠 作陶展】
会期/2015年12月8日(火)〜12月20日(日)※月曜休館
開場時間/9:00〜17:00(最終日は16:00まで)
場所/21世紀館さんがわ(さぬき市寒川町 さぬき市民病院東側)【地図】
お問合先/0879-43-0780(21世紀館さんがわ)
※会期中、土日は島田さんご本人がいらっしゃいます。