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世界中に星を眺める天体観測所は数あれど…
「天体望遠鏡」が主役の博物館は世界にここだけ!
さぬき市多和の旧多和小学校をリユースした
「天体望遠鏡博物館」が2016年3月13日(日)にオープンしました!
天体望遠鏡博物館はさぬき市の中でも過疎化の進む山間部「多和地区」の
閉校した旧多和小学校をリユースした施設。
学校前の道は四国霊場八十八箇所の結願の寺「大窪寺」に向かうお遍路さんが通る遍路道でもあります。
現在、旧多和小学校は地元の人が営むどぶろく工房や産直市、農家レストランとして生まれ変わっています。
と同時に、天体望遠鏡博物館も数年前から着々と準備が進められていました。
校舎には博物館の看板が。
博物館のロゴは香川県の女性映画監督、香西志帆さんのデザインです♪
(さぬき市ロケの映画「恋とオンチの方程式」監督としてもお馴染み)
校舎には4つの展示室と屋上観測フロア&2mドーム、大型望遠鏡観測室、天文図書室があり
ニコンなどのメーカー別に展示されている教室も。
天体望遠鏡はほとんどが寄贈されたもの。
県内外から天体望遠鏡をこよなく愛するみなさんがボランティアとして集まり
休日を利用して運び込み、修繕、展示を行ってきました。
アマチュアが使うものから、天文の専門誌に掲載される憧れのモデルまで200基以上。
まだ展示できていないものもあるのだとか。
展示室には多和小学校が閉校になったときのままの黒板や掲示物が。
この校舎は多和地区の心のふるさと。
想い出をそのままを残しつつ、博物館として機能させたいという気持ちが現れています。
注目は屋内プールをリユースした大型天体望遠鏡の展示棟!
こちらはこの博物館で一番大きな「60cm反射望遠鏡」
昭和54年に海上保安庁下里水路部観測所に納入されましたが
観測方法がレーザー式に変更になったため平成20年に御役御免、引退。
その後保管されていたものがこの博物館にやってきました。
年季の入ったこちらも天体望遠鏡「カルヴァ望遠鏡」
昭和4年に輸入され、京都の花山天文台に据え付けられて多くの光度観測などに使用されたもの。
一時行方不明になっていましたが、長野県の山中に保管されているのが見つかったというエピソードを持っています。
普通の博物館では「展示物の歴史やスペック、技術的なこと」を説明するのが主ですが
ここでは「この天体望遠鏡がだれによって、どういう経緯で作られて、どう廃棄されて、多和にきたのか」
というストーリーを伝えるという目的があるようです。
この博物館を一緒に運営し、解説をこれから行っていく多和地区のみなさんも
「専門的なことはわからないけれど、ストーリーならば伝えられる!」と協力的なのだとか。
さて、天体望遠鏡博物館のオープンは2016年3月13日(日)でしたが
前日の3月12日(土)にはオープニング・セレモニーが多和小学校体育館で行われました。
式典では天体望遠鏡博物館 代表理事の村山さんやさぬき市長、香川県知事のほか
株式会社ニコン取締役社長、京都大学花山天文台台長など専門分野のご来賓の方々も県外から参列されていました。
(天体望遠鏡博物館代表理事 村山さん)
「全国の大型公共施設の天体望遠鏡がどんどん廃棄されていると知ったのをきっかけに
2007年にたった4人で天体望遠鏡を文化遺産として残す会を作ったんです。
四国でどこかいい場所はないかと5〜6年探して、やっとこの多和に出会いました。
世界中を探しても天体望遠鏡だけの博物館はありません。
いま世界の天文ファンの中では「TAWA」というワードが大ヒットしているんです」
(天体望遠鏡博物館代表理事 村山さん)
「この博物館の目的は3つ。
1つは文化遺産としての天体望遠鏡を残すこと。
2つめは青少年たちの教育。
3つ目は人口が減りつつある多和地区の再生です。
屋内プールも展示室になりましたが、この天体望遠鏡博物館が成功して多和に人口が増えた時
いつでもプールが再開できるようにしています」
さて運動場では星空観望会の準備が行われていました。
6〜7基のさまざまな大きさの天体望遠鏡がスタンバイ。
空に浮かぶ三日月や木星、オリオン座を観察します。
この大砲のような布製の筒も天体望遠鏡!
中には大きな丸い反射鏡が!
実際にこれで夜空の星を覗いて見るのだそう。
それにしてもみなさん、とっても楽しそう♪
準備にもかなり体力を使われたそうですが
好きなことをやっているから楽しくて仕方がないのだとか!
さて、明かりが少なく真っ暗闇に包まれる多和の夜。
冷たい山の空気の中、星空観望会が始まりました!
天体望遠鏡博物館のみなさんが目を輝かせながら
「月をみてごらん!」
「これはオリオン座だよ」
「木星の縞が見える?」
と優しく教えて下さいます。
大人の身長の2倍もある大型の天体望遠鏡で眺める月は、本当に手が届きそうなくらいくっきり!
凹凸もよくわかって、ドキドキしました。
レンズ越しにスマートフォンやデジタルカメラで撮影ができるというのでチャレンジしてみました!
太陽の光が当たる際のところにクレーターのでこぼこが見えるのがわかりますか?
肉眼だともっとはっきりと見ることができました!
今後はこのような星空観望会も行う予定とのこと。
肉眼では見えない遠くの小さな星が手に取るように間近に見えるこの感動を
沢山の人に体験頂ける貴重なスポットが誕生しました。
まだ天体望遠鏡を触ったことがない方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
【天体望遠鏡博物館】
香川県さぬき市多和助光東30−1【地図】
開館時間/10:00〜16:00
開館日/土日、祝日(金曜と月曜のみ)※ただし臨時休館の場合があるのでHPで確認ください。
料金/大人500円、大学生高校生400円、小中学生300円 ※2019年4月改定
駐車場/あり(40台)
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