



さぬき市と三木町の境、さぬき市昭和。
ここに香川大学農学部の附属農場があります。
研究と学びのための果樹、作物、畜産が敷地内に点在していますが…
まさかまさか「お茶畑」まであったとは!!
ゴールデンウイーク前後に行われたお茶摘みの様子、
そして私達も買うことができる「農学部の煎茶」をご紹介します。
2016年ゴールデンウイーク前半の平日。
農学部附属農場でお茶摘みをする、と聞いて言ってみると…
なんと農場の南側に立派なお茶畑を発見!
香川大学農学部では、敷地内と敷地外に合わせて120Rのお茶畑を管理。
さぬき市に農場が移転された昭和46年頃からお茶畑はあったそう。
品種は日本で最も多く育てられている「やぶきた」
3月頃に芽が出始めて4月にぐんぐん成長しますが、今年は春先に雨が多くてよく伸びたそう。
香川県のように雨の少ない場所でもお茶の木は育つの??とお聞きしてみると
基本的に雨の多い日本では全国エリアでの栽培が可能なのだそう。
摘む部分は上部の一芯二葉。
「芯」はまだ開いていない葉のことで、多いほど質がよく、若いほど成分が多く含まれます。
機械ではなく手摘みすることで、品質もよく成分が高いお茶を作ることができるんです。
この日は午前中に先生と一部の学生が、午後には授業で学生がお茶摘みを行いました。
農学部ではもともと学生のフィールド実習として年に2回「お茶摘み」を行い
6月下旬にも二番茶を機械で摘むことがあるのだそう。
お茶摘み体験は2度めの農学部4年生たち!
「今までやったことがない体験ができて嬉しいです」
「以外と香りがしないんだなあと思いました」
「普段はペットボトルでお茶を飲んでいますが、出来上がったら自分で淹れて飲みたい!」
なかなか茶葉からお茶を淹れることが大学生には、お茶と向き合うきっかけにもなっているよう。
また、お茶畑に入ってみると足元にはどんぐりのような丸い実がゴロゴロ。
実はこれ、お茶の種(実)。
土に植えるとお茶の木が生えてくるんだそうです!
幹には種(実)が落ちた後の果実が開いて乾いた状態になっているのを見ることができます。
ツバキ科の植物なので、木も葉も花もどこかツバキにそっくり。
お茶の葉以外をじっくり見たのは初めて!
さて、3時間のお茶摘みで20kg以上の茶葉を収穫することができました。
これをそのまま農場内に持ち帰り、すぐに加工します。
ここでまたびっくり!
農学部附属農場には製茶のための加工用機械がすべて揃っているんです!
大学でお茶の加工施設まで持っているところは非常に珍しいんだそう。
まず蒸気を当てながら酵素を止めてカテキンなどの成分を保ちます。
その後熱風を当てながら「より形」に揉んでいきますが、そこでしっかり揉むとお湯に当てた時に成分が出やすくなるそう。
お茶づくりは基本的に「手」で摘み、「手」で揉むもの。
なので機械にも人間の「手」の代わりになるパーツがちゃんとついているんです!
しっかり揉んで乾燥させたら…農学部製「一番茶」の出来上がり。
とーーーーーってもみずみずしい新緑の香りです♪
しかし一生懸命手摘みした25kgの茶葉から出来上がるのはたったの5kg。
手摘みの一番茶が高級な理由がよーくわかりました!
お茶のいろいろを教えてくださった
香川大学農学部 作物担当の諸隈准教授。
「もともとお茶は家の垣根として育ち、春に家族で摘んで揉み、飲まれていたもの。
それが当たり前だった時代がありました。
お茶を摘むのは春ですが、花が咲いて実ができる様子も見て楽しんでもらいたいですね。」
加工の様子を見ていると、茶葉から大事に淹れた美味しいお茶が飲みたくなってきました!
そして作物としての「お茶」、季節に合わせて今後もじっくり眺めてみようと思った取材でした〜。
取材させてもらった香川大学農学部製造のお茶が販売されます!
場所:香川大学生協、道の駅牟礼など
時期:5月下旬頃
※手摘みではなく、機械摘みの煎茶です。
【香川大学農学部附属農場】