2016年06月02日

天体望遠鏡博物館代表理事 村山さんの講演会へ行ってきました。

2016年5月20日(金)さぬき市 天体望遠鏡博物館代表理事 村山さんによる「天体望遠鏡博物館の活動と私の人生」の講演会へ参加してきました。
シーケンス 01.Still001.jpg
天体望遠鏡博物館誕生までのエピソード、また村山さんの人生観溢れるお話しを伺うことができました。その中を少しだけご紹介します。

(はじめに、天体望遠鏡博物館代表理事 村山さん)
「人生が豊かであるかどうか、充実しているかどうかは、いろんな要素があると思うが、どんなに苦しいときも、悲しいときも、辛いときも、そのことだけを頭に浮かべ、一瞬にして吹き飛んでしまうことがあれば人生は豊かで楽しいものになるだろう。それが私にとって天体望遠鏡なのです。ですから天体望遠鏡は切っても切り離せないのです。」
Unknown-1.jpeg
村山さんがはじめて天体望遠鏡と出会ったのは中学生のとき、すべてはこの天体望遠鏡からはじまったそうです。

スクリーンショット 2016-05-30 22.24.12.png
写真は、クック社製口径30センチ屈折望遠鏡(1925年設置)

この天体望遠鏡で星を見たとき大感激し、こんなに神秘的で綺麗なものがあるのか、一生をかけても同じ望遠鏡を手に入れたいと思われたそうです。

メーカーに問い合わせをしたけど高くて買えず一生懸命お小遣を貯めて、当時の中学の先生の初任給が1万だった時代に、6万円で購入し、配達に来てくれたお店の人に「君が使うの?」ととても驚かれたそうです。

そのときに購入した天体望遠鏡がこちらです。
スクリーンショット 2016-05-30 22.56.57.png
写真は、西村製15センチ反射経緯台

少年時代は、友達とよく天体観測をしていたそうです。
Unknown.png
写真は、友達と天体観測を楽しむ村山さんです。
(左側椅子に座っている少年)

それから天体に魅せられ数十年、八ヶ岳に個人の天体観測所を設けられ、週末や長期休暇には、ご家族とそこで過ごされていたそうです。
スクリーンショット 2016-05-31 0.27.14.png

スクリーンショット 2016-05-31 0.27.27.png
50歳のとき転職を機に四国へ移住して、そこで仕事をしながら天文仲間との出会いがあり、四国でも八ヶ岳と同じ天体観測所を作りたいと思われたそうです。

高価な天体望遠鏡はなかなか買えず、古いものを探すことになり、これが新しい天文台計画のきっかけとなったそうです。

大きな天体望遠鏡を探し尋ねていると、公共展望台が閉鎖され天体望遠鏡がゴミになってしまう可能性があることを知り、そこから天体望遠鏡を引き取っていくことに。

2007年、任意団体「天体望遠鏡文化遺産を残す会」を発足したあとも、天体望遠鏡の回収は続きます。

写真は、2008年6月、高松市の五色台少年自然の家からの25センチ屈折望遠鏡
スクリーンショット 2016-05-31 2.14.03.png
古いドームが使われないまま10数年そのままになっていました。見に行くとあまりにも荒んでいたそうです。
スクリーンショット 2016-05-31 2.19.58.png
天体望遠鏡を取り出すため、ドームに登り開けようとしても錆び付いて開かない状態。
スクリーンショット 2016-05-31 2.21.57.png
中で足場を組んで、無数にある鳥の巣を取り除きながら、中からドームを開ける作業をしました。
スクリーンショット 2016-05-31 2.25.22.png
望遠鏡は分解して外へ運び出します。写真は鏡筒部分の分解作業です。
スクリーンショット 2016-05-31 2.27.14.png
鏡筒と赤道儀の分解作業です。
スクリーンショット 2016-05-31 2.28.33.png
クレーンで持ち上げて、トラックの荷台へ乗せます。ドームのスリットが開いているが、中からは閉まらないというトラブルも発生、水漏れすると大変なことになるので、かなり慌てたそうです。
スクリーンショット 2016-05-31 2.31.36.png
結局、外からドームのスリットを棒で押して閉め、このときは事無きを得たのだとか。

他にも屈折引き取り作業には、様々なドラマがあったようそうです。
たくさんの方々の支援をいただきながら活動は続けられました。

こうして…
2010年 一般社団法人化。
2013年 数年掛け探した多和に天体望遠鏡博物館を作ることを決定。
2016年 3月に天体望遠鏡博物館オープンとなりました。
P1410063-thumbnail2.jpg
目指すものは3つあるそうです。
一つめは、天体望遠鏡を保存していくこと。
二つめは、科学少年少女の育成。村山さんが天体望遠鏡で人生が変わったように、そういう体験を子供達にもしてほしいそうです。
三つめは、過疎化の進む多和地区の再生。

(天体望遠鏡博物館代表理事 村山さん)
「地元のお年寄りは元気です。数年前と比べ顔の表情が変わってきた。産直市場や博物館の活動など組織へ貢献することで、役に立つという実感が湧いて生き生きしている。これは非常に大事なこと」と仰っていました。

(最後に、天体望遠鏡博物館代表理事 村山さん)
「人生というのは、どうしなくてはいけないというものではなく、また、どうしたら絶対幸せになるのかという法則もない。最後は自分に納得して、これをやってよかったと思えるかどうかだ。二つ道があるとしたら辛い方を選ぶ。人生なんて明日どうなるかわからない、いいと思って選んでもそうとは限らない。厳しい選択であれば自分が選んだのだから仕方ないと割り切れる。冒険するにしても、大それたことを考えなくてもよい。常に日常生活の中にあり、少し勇気を持ては全く違う世界が広がるものです。」と、グッとくるお話しを語ってくださいました。

終始笑顔でユーモア溢れる講話は、とても参考になるものばかりでした。最後は思わず目頭が熱くなりました。

天体望遠鏡博物館について詳しくはプロモーション映像をご覧ください。


いかがでしたか?
皆さんも天体に魅了されてみませんか?
天体望遠鏡博物館へ、ぜひご家族やお友達とお出かけくださいね。

2016年7月の天体観望会のお知らせです。
定員がありますのでお早めに〜♪

【天体観望会】

開催日時/2016年7月9日(土)19:00集合、オリエンテーション後、20:00頃観望開始
場所/天体望遠鏡博物館(さぬき市多和)
主な観望対象天体/月(月齢4.7)、木星、火星、土星、さそり座、いて座周辺の星雲・星団、ヘルクレス座の球状星団M13
予定定員/約40名
参加申し込み/天体望遠鏡博物館ホームページ参加お申し込みフォームへ

e859bcc4e23bc801633078ca18532e20.jpg
2016年7月9日午後8時ころ西の空低くに月と木星が接近して見えるそうです。

2016年7月30日(土)
天体望遠鏡博物館オープン記念イベント

fa6db6287606fe28d2a7874b84fb45e1-481x680.jpg

【講演会と天体観測会】

宇宙と生命の始まりを考える
開催日時/2016年7月30日(土)16:50〜開場

場所/天体望遠鏡博物館(さぬき市多和) 
講師京都大学大学院総合生存学館宇宙総合研究ユニット准教授 磯部洋明
講師AASJ代表理事 西川伸一

きむね〜でした〜♪


【天体望遠鏡博物館】
香川県さぬき市多和助光東30−1【地図
開館時間/10:00〜16:00
開館日/土日、祝日(金曜と月曜のみ)※ただし臨時休館の場合があるのでHPで確認ください。
料金(天体望遠鏡博物館入館料)/大人500円、大学生高校生400円、小中学生300円 ※2019年4月改定
駐車場/あり(40台)
天体望遠鏡博物館ホームページはこちらをクリック!

【関連記事】
  • 世界初の天体望遠鏡博物館がオープン→こちら
  • 百武彗星を発見した貴重な天体望遠鏡が寄贈→こちら
  • 旧多和小学校を活用! 産直市&どぶろく工房「結願の郷」→こちら
  • 旧多和小学校の「農家レストラン」→こちら
  • 真冬の多和地区→こちら

posted by sanuki-asobinin at 12:00| 香川 | Comment(0) | イベント・お祭り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。