さぬき市志度生まれの天才、平賀源内に続く地元出身のクリエイターを若い世代から発掘する
「第3回平賀源内甲子園」授賞式が
2017年11月3日(金・祝)に香川県立ミュージアムで開催されました。
「さぬき市に移住したくてウズウズしちゃうキャッチコピー」や、
「香川のオリーブを全国にアピール!源内先生顔負けのキャッチコピー」など
地元にちなんだコピーのお題に対し、学生から集まったコピーの数はおよそ8000件!
大人も思わず「くすっ」と笑ってしまうコピーも盛り沢山でした!
気になる「さぬき市に移住したくてウズウズしちゃうキャッチコピー」など
今年表彰された素晴らしいコピーをご紹介します!
「平賀源内甲子園」は、クリエイター集団『瀬ト内工芸ズ。』が地元の企業を絡めて開催している学生向けのキャッチコピーコンテスト。
9月1日から約1ヶ月間、香川県やさぬき市、県内企業、団体などに関わる「7つのお題」へのキャッチコピーを募集したところ、史上最高の8000件の作品が届いたそう!
2017年11月3日(金・祝)には香川県立ミュージアムにて、
入賞作品の授賞式と特別審査員であるプロのコピーライターさんによるトークショーなどが開催されました。
授賞式前には、瀬ト内工芸ズ。や協力団体によるワークショップが開催されました。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館さんのワークショップブースでは、実際に猪熊弦一郎さんがされていたという遊びを体感。
端材(モール、針金などの雑貨)でモチーフを作り、対話をさせるという面白いもの。
また、瀬ト内工芸ズ。ブースではクリエイターさんによる「消しゴムハンコ」づくりも体験できました!
プロの方に教えてもらうと、普段何気なく手にとっていた素材も面白い材料になるのだな〜と感動!
物販、展示ブースでは、瀬ト内工芸ズ。の皆さんが手がけたデザインの作品や、新しいプロダクトの紹介も。
写真の下駄は、さぬき市志度の桐下駄をベースにした「ZANSHIN」という作品。
桐下駄、家具、革加工、靴の4種の職人さんがコラボして完成したもので、スタイリッシュかつ香川県でしか完成できない逸品!
足を乗せる部分が香川の特産品である盆栽の「松」の枝ぶりの形になっているのが面白いですね♪
午後からはいよいよ授賞式のスタート!
まずは毎年恒例のプロのコピーライター小西利行さん、岩崎亜矢さんによるトークショーが行われました。
小西利行さんは、あの日産自動車CMの「モノより思い出」という名作コピーの産みの親。
コピーライターを目指してなられたわけではなく、就職したらコピーライターという席に配置されたという小西さん。
もともと落語や俳句など言葉のリズムがあるものが好きだったので、この仕事は天職だったかも?とのこと。
岩崎亜矢さんもJINS「私は、軽い女です」、サントリーOra2「きゃりーはみゅがきゅ」など多数のコピーを産みだして来られた方で、コピーライター以外にも翻訳本の監訳、DJ、作詞家としても活躍されています。
岩崎さんも最初は映像ディレクターになりたかったそうで、実際に映像編集をやってみたら意外と編集が苦手だということに気づいてしまったのだとか。頭で考えるだけの仕事が向いているとわかり、現在の岩崎さんがいらっしゃるそう。
3回目を迎える「平賀源内甲子園」の活動に賛同し、毎年ゲストとして来県されているお二人。
小西さんからは、「3回目で8000件の応募まで増えちゃって…もういっそ10万作品くるまで続けてほしい!」という声も(笑)
会場にはコピーライターの卵たちや一般のかたが多いため、広告とは?クライアントとは?といった基礎的なお話、お二人への質問を中心に進められました。
(小西さん)
「自分がCMを手がけた商品をコンビニで買ってる人を見かけると、うははって思う(笑)」
(岩崎さん)
「中高生向けに作った自殺予防のコピーを出した時、いろんな世代の人から『コピーのおかげで立ち直ることができた』と言われ、コピーライターをやっていてよかったと思った」
といった、ご自身の経験のお話や…
(小西さん)
「コピーは嘘をつかないし、嘘をつけない。だから届ける相手のことをどれだけ想像してその立場になれるかが大事です」
(岩崎さん)
「なぜキャッチコピーが必要なのか?広告は無視されちゃうと0円の投資なんだけど、良いコピーがついていれば立ち止まってくれる。コピーがあるから経済が回ると感じます」
といった、コピーライターとしての社会的な役割の話まで…
この日からキャッチコピーを見る目が変わる、面白いお話をたくさんお聞きすることができました!
若い世代のみなさんも、終始トークショーに注目!
そしていよいよ、第3回平賀源内甲子園の授賞式がスタート!!!
今回は香川県の特産品「オリーブ」を全国にアピールするコピーや、協賛企業団体からのお題コピーなど7つの課題がありました。
この中で、さぬき市に関連したものとして、
「さぬき市に移住したくてウズウズしちゃうキャッチコピー」
「シニア世代に靴選びの大切さを伝える、目からうろこのキャッチコピー(徳武産業さん)」
の2つの課題がありましたので、その結果をご紹介します!!!
「さぬき市に移住したくてウズウズしちゃうキャッチコピー」
さぬき市賞
「今なら もれなく 私が居ます。」(高松工芸高校2年 木村風音さん)
小西利行賞
「お前もさぬき市民にしてやろうか。」(高松東高校3年 矢野楓花さん)
岩崎亜矢賞
「漢字が嫌いな人へ」(観音寺総合高校1年 佐藤楓さん)
地元コピーライター菊川祐大賞
「住めば田舎」(志度高校3年 藤澤みづきさん)
入賞作品
「なめんなよ、JRが通ってる」(高松高校3年 小岡千恵さん)
さぬき市のキャッチコピーはいろんな視点からみたさぬき市の捉え方があり、どれも納得!の作品ばかり。
JRや漢字など、まさかの切り口が登場してびっくりでした〜!
さぬき市の大山市長も「ぜひ使ってみたいコピーばかりです!」と感動!
「シニア世代に靴選びの大切さを伝える、目からうろこのキャッチコピー(徳武産業さん)」
第3回平賀源内甲子園グランプリ
「腹が立つ、今までの靴に」(高松工芸高校2年 實川愛理さん:写真右)
徳武産業賞
「関節もむより 靴変えよ」(高松市立木太中学校3年 三谷碧依さん:写真真中)
入賞作品
「ばあちゃんって走るんだ」(高松高校3年 小岡知恵さん)
「一番身近なヘルパーさん」(善通寺第一高校3年 久本怜奈さん)
「”歩く”を買うんです。」(専門学校穴吹デザインカレッジ1年 宮西絵美莉さん)
非常にキレイにまとまったコピーがある中で、リズムのある2作品がグランプリ&徳武産業賞に!
受賞者のみなさんにお聞きすると、頭の中でスッと浮かんできた単純な言葉だったから賞がとれると思ってなかったという感想が。
こういった「ひらめき」もしっかりコピーの一つとして書き留めておくことが大事なのだそうです♪
たくさんの受賞作品から言葉の面白さ、視点を変える斬新さを学ぶことができた「第3回平賀源内甲子園」。
主催された「瀬ト内工芸ズ。」代表 村上モリローさんは…
「今回で3回目になった平賀源内甲子園ですが、来年以降も引き続き開催して、もっと香川を元気にしていきたいと思っています。学生のみなさんも、考えたり失敗することを恐れる前にまずやってみる。そしたら面白いと思った人が広げてくれます!」
特別審査員の小西利行さんも最後におっしゃっていましたが、
次世代のクリエイターを発掘しているイベントをボランティアでやっている県は全国を探してもほとんどないそう。
今回参加できなかった方も、コピーライターを目指すのに恵まれた環境である香川県で、まず「平賀源内甲子園」にチャレンジしてみてほしいなと思いました!
次回開催をお楽しみにー!!!