お散歩したくなるような陽気の日もでてきた今日このごろ。
さぬき市の中では大川町にある「富田茶臼山古墳」もお散歩するのにおすすめ♪
長尾街道沿いにドーンと存在することから、立ち寄る方も意外に多いのがこの「富田茶臼山古墳」なんです。
四国最大級という大きさは見てわかるものの、それ以外の「富田茶臼山古墳」の特徴を知らないみなさんに
さぬき市の文化財の達人が作った本をご紹介します!
「四国最大の巨大古墳 国指定史跡 富田茶臼山古墳」!
2018年3月31日に出来たてホヤホヤの一冊。
本当に欲しかった、「富田茶臼山古墳をまるごと知る」ための基礎本です!
編集、発行された「さぬき市文化財保護協会大川支部」の理事会のみなさんにお話をお聞きしてきました♪
「富田茶臼山古墳」に関する新しい資料本を制作したのは、さぬき市文化財保護協会大川支部のみなさん。
大川支部では年間を通して文化財にまつわる研修会や講演会を行っています。
また所属するメンバーから掘り下げたい文化財のことをヒアリング。
すると、大川町富田中にある国指定史跡の「富田茶臼山古墳」に関するわかりやすい資料がない!という意見が。
(歴代の富田茶臼山古墳パンフレットと新しく発行された冊子)
これまではみろく公園内の「歴史民俗資料館」にて小さいパンフレットを配布していましたが…
これでは古墳を見学しに来てくれる方々には不十分…という声も出てきました。
そこで立ち上がったのが、文化財保護協会大川支部の理事会のみなさん!
3年前から富田茶臼山古墳を改めて調査、研究し、満を持して2018年3月31日に富田茶臼山古墳のための本を発行されました!
それが…
「四国最大の巨大古墳 国指定史跡 富田茶臼山古墳」(2018年3月31日発行)
40ページ、フルカラーで見応えのある1冊。
表紙は数年前に撮影されたばかりのダイナミックな航空写真!
富田茶臼山古墳の全景が一目でわかるようになっています。
内容は「わかりやすい解説、古墳研究の基本書」と書かれてあるとおり、
小学生から高齢者までが見やすいように写真や図をたくさん入れ、『富田茶臼山古墳』の特徴が簡単に分かるよう目指して制作。
なので表紙をめくった最初のページに早速「富田茶臼山古墳の三大特徴」が写真付きでドドーンと登場!
「特徴は三段筑成、盾形周豪、陪塚」…と文字だけだとわかりにくいですが、すぐ上の写真に解説が書き込まれてあるのでわかりやすくなっています。
さらにメンバーで古墳を歩き、写真を撮影しながら
「どうやってここまで土を盛ったのか」
「あの時代に何人でこれを作った?」
「なぜその時代のものとわかったのか?」
等、想像を膨らませたそう。
それらの疑問を検証してみたらこれまで知らなかった新しい情報が出てくることも!
今回の本にはそういった最新の情報も掲載されているのだそうです。
例えば8ページの「富田茶臼山古墳の盛り土および葺石(ふきいし)はどれ位?」という特集。
古墳の大きさを正確に計算し、どのくらいの土が必要になり、「もっこ」で運ぶとしたら1000人で何日かかったか…という、古墳づくりの様子をリアルに想像できる実証実験が掲載されています!
1000人で…というくだりも、その時代の大川町の人口を組み込んでの予想!
こだわりの深さに感動しました!
それ以外にも富田茶臼山古墳と周辺の津田古墳群との関係、出土品、地図、諸資料が40ページにギュウギュウに詰め込まれていて、いろんな側面から富田茶臼山古墳を再発見できる冊子になっています。
私も知らなかったことが多く、説明をお聞きしながら眺めると「へえ〜〜!!!」の連発!
しかし編集側は資料の収集や歴史の検証にかなり時間がかかり、なかなか進まなかったそう。
だからこそ、2018年最新版の正しい知識を詰め込んだ自信の一冊が出来たのですね!
(文化財保護協会大川支部の皆さん)
「古墳研究の基本書として使って欲しいのはもちろん、私達の想いを次世代に伝える大切な役割を果すものだと思っています。
正しい古墳の知識を持ってもらい、地元にこんな古墳があるのだと感じながら大きくなっていく。
それが町の活性化に繋がればいいなと思います」
残念ながら石室が発掘されていないため、出土品が少ない富田茶臼山古墳ですが
今後は文化庁と相談しつつ発掘作業が進められるかも?という期待もあるそう。
まずはこの本でより多くの方に富田茶臼山古墳の面白さを知ってもらい、
今後登場する歴史ロマンにも注目してもらいたいなと思いました!