「残心(ざんしん)」
それは、日本の武道で攻め技の直後に心を残す(保つ)ために執る構え。
激しい空気の対流を落ち着かせる、静かな時間。
そんな「残心」を表した完全オーダーメイドの桐下駄
「ZANSHINシリーズ」が完成!
履き終えた後ですら美しい姿と
これまで以上に足にフィットする履き心地。
しかも香川県の桐下駄、木工、靴、香川漆器、デザインの達人の手が加わった、
完全なる「Made in KAGAWA」
「ZANSHINシリーズ」を産み出した香川県のデザイナー
「株式会社スクルト」の村上モリローさんにお話をお聞きしました。
香川県の伝統工芸品のひとつ「桐下駄」
さぬき市志度で発展した下駄産業が多くの桐下駄職人を生み、
志度が四国から関西方面への流通の拠点であったことも手伝って、
日本でも唯一の桐下駄の地として有名になりました。
そんな桐下駄の新しいスタイル「ZANSHINシリーズ」は
香川県のデザイナー 村上モリローさんが考案したもの。
2018年5月に発売になったばかりの「漆(紅葉、新緑)」と、「白木」「焼き」の4タイプ。
サイズは桐下駄にはあり得ない1センチ刻みの7展開
(通常の桐下駄はM、Lサイズなどおおまか)
完全受注販売なので、自分の足のサイズにあわせた「自分だけの桐下駄」を職人さんが手作りしてくれます。
(完成には1ヶ月ほどかかります)
「ZANSHIN」シリーズの細かい良さをご紹介!
まずはその形。
置いた時にも美しいようにと、香川県高松市が生産量日本一を誇る「松盆栽」をモチーフにしています。
香川県民ならビビッときたかも?
素材はさぬき市志度の桐下駄職人「山西商店」が最高級の新潟産の桐を用意、
それを高松市の家具職人が美しいカーブになるよう手削りします。
「漆」のシリーズは、さぬき市の香川漆器「川口屋漆器店」が木地に色漆を塗って仕上げます。
このカラーリングは「川口屋漆器店」さんが県産品コンクールを受賞した漆器皿にも使われている人気の色♪
鼻緒には高級国産革「栃木レザー」を使用。
この「栃木レザー」、とっても柔らかくて触っていると気持ちいい〜〜!
鼻緒を取り付けるのは高松市の靴職人さん。
長時間履き続けても鼻緒ずれができないように鼻緒の長さや取り付け箇所を考えているのだとか。
下駄の裏も見てみました。
土踏まず部分には栃木レザー。
よく接地する先端と踵部分にはベルギー産の強い革を貼り合わせているんです!
この辺りも靴職人さんにお任せしたからこそ出来た工夫なのだそう。
デザインも素材もとっても素敵なんだけど「すぐ脱げそう」…
などと下駄が苦手な私は思ってしまいますが、
履きやすさ、脱ぎやすさは通常の下駄と変わらないのだとか。
真横から「ZANSHIN」を見てみると…
土踏まずはふんわり盛り上がり、下駄の歯は踵側に寄せて取り付けられていることがわかります。
こうすることで履くと自然と姿勢も良くなり、所作も美しくなるのだそう。
おしゃれで、かつ、自分が美しい佇まいに見えるだなんて最高のファッションアイテム!
お値段は52000円(税抜)〜となかなかな価格ですが、
自分だけのオーダーメイドとして、どこにもないファッションアイテムとして生涯楽しめるはず!
鼻緒や台のメンテナンスもできるので、世代で受け継いでみるのもおすすめです♪
ZANSHIN誕生のきっかけは「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016」への参加
全国から推薦された各地域の「匠」たちが、「世の中にない工芸品、工業品」を生み出し、
有名クリエイター陣を前にプレゼンテーションを行う「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」に村上さんも香川代表として推薦されて参加。
桐下駄を元にした誰にでも手に取りやすいアイテムを一度は考えたものの、
途中で「とにかくデザインが素晴らしく、新しい価値を伝えられる、高くても良いものを」と方向転換。
改めて「和装とは何か?」と考え、それが日本ならではの所作、作法である「残心」であるとたどり着きます。
下駄のことも改めて調べなおし、脱げば揃えるものだということに着目。
脱いでもなお揃えたくなる下駄にしよう!と、置いた形が美しい「松」のフォルムを採用。
現在のデザインを家具職人さんなどと何度も試作を行い、最終プレゼンテーションで発表した結果…
なんと各都道府県の代表52名の匠の中から選出する『5人の注目の匠』として選ばれました!
審査を行った清川あさみさんも注目して思わず履いてしまったという「ZANSHINシリーズ」は
満を持して2017年10月からネットでの受注販売をスタート。
県外での展示会や販売会でもファッションへの感度が高い方や和装の方、外国人の方に着目され、
「すごい下駄!」
「これは履けるの?」
「脱げそうだけど脱げなくてびっくり」
といった感想をもらったそう。
特に新発売の「漆シリーズ」は通常の漆の下駄よりもポップで
履いても指の隙間から覗くカラーがなんとも綺麗なところが女性に大人気!
長く続く人気アイテムになりそうです。
(「ZANSHIN」をデザインされた 村上モリローさん)
「今回は履いていない時も美しい、がコンセプトの下駄ができましたが
今後は日本の余韻を残す美をまた別のアイテムに生かした新しい『ZANSHIN』のプロダクトシリーズを作っていきたいですね」
日本人がより日本人らしく振る舞える「ZANSHIN」
桐下駄だけでも十分心震わされましたが…
今後の新作にも注目です!
詳しくは以下のページをチェック!
「ZANSHIN」ホームページ → こちら
「ZANSHIN」Facebookページ → こちら
ZANSHINシリーズ
価格/桐下駄「白木」「焼き」52000円(税抜)、「漆(紅葉、新緑)」各64000円(税抜)
サイズ/7展開。1(21〜22cm)、2(22〜23cm)、3(23〜24cm)、4(24〜25cm)、5(25〜26cm)、6(26〜27cm)、7(27〜28cm)
素材/新潟県産桐、朴、栃木レザー、ベルギーレザー
販売方法/職人手作りのため完全受注販売。完成まで1ヶ月ほどかかります。
お問い合わせ先/087-845-0007(株式会社スクルト)