明日は「土用の丑の日」!
(2018年は7月20日と8月1日が夏の土用の丑の日)
「夏の土用の丑の日にうなぎを食べよう!」というのが当たり前になってきた日本の夏。
その仕掛け人は平賀源内!と言われていますが…
それってホントーーー!?
真相を確かめに、さぬき市志度の「平賀源内記念館」に行ってきました!
さぬき市志度は江戸時代の奇才と呼ばれた平賀源内の生まれた町。
志度の駅前通りを歩いてしばらくゆくと「平賀源内記念館」「平賀源内旧邸」があります。
「平賀源内記念館」では源内の一生を追いかけながら、彼が残した功績を展示していますが、その才能の幅広さに改めて驚きます。
エレキテルの復元に始まり、絵画、書、本草学、焼き物、
そしてコピーライター(広告を書く人)という顔も持っていました。
ちなみに、夏はうなぎが売れないからと
「夏の土用丑の日にはうなぎを食べよう」
というキャッチコピーを書いてうなぎ屋に貼り付けたのが平賀源内!と言われていますが、それはどこまでホント?!
平賀源内記念館の学芸員、瀬来さんにお聞きしてみると…
「もともと江戸時代には土用の丑の日に『う』のつく名のものを食べると夏バテしないという言い伝えがありました。
また、江戸時代の本『明和誌』によると、その頃には土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は根付いていたと書かれています。
そんな中、『土用の丑にうなぎを食べるといい!』と源内がコピーを書いたと言われていますが、
その証拠になる文献は未だに発見されていないんですよ」
な、なんと!!
証拠なしーー!!
「ただ、その時代に源内が書いてきた本の中には『うなぎ』がよく出てくるんです。
また、源内は江戸の商品を売り込むコピー(言葉遊び)をよく書いていて、それが世間には流通していました。
この2つのエピソードがくっついて、『土用の丑にうなぎを食べようと源内がキャッチコピーをつけた』と言い伝えられてきたのかもしれませんね」
まさかまさか、「土用丑の日にうなぎを食べよう」が幻のキャッチコピーだったとは?!
現代も調査中とのことですが、これは時代のミステリー!
とっても気になってきました!
ちなみに、そんな噂が立っちゃうくらい源内はコピーライターとして売れっ子だったのか??というと…
その証拠はたくさん残っていました。
当時は「引札(ひきふだ)」といって、現代の新聞折込チラシのような紙があり、
商品のPRやなにかの募集広告として世に広く配布されていたそう。
見た後は障子の内張や陶器の包み紙として使われたため、案外残らずに捨て去られてしまっています。
そんな中見つかった「引札」の一部が「平賀源内記念館」にも常設展示され、
また、現在開催中の特別展でも見ることができます。
こちらがその特別展。
大阪商業大学の石上敏教授による「源内研究の礎〜一、研究者の収集資料より〜」
源内を文学の面で研究している石上先生が大阪などで手に入れた源内に関する文献資料を展示しています。
こちらは源内没後の源内ブームの仕掛け人となった戯作者 平亭銀鶏による『飛花落葉』より、
源内46歳時に作ったという引札『麦飯報條(むぎめしひきふだ)』
この作品は平賀源内がコピーライターのはしりであるという評判を高めるきっかけになったそう。
「高かろうよかろう 安かろうわるかろうとは やぼの時代のたとえにて〜」
と、麦飯の質と値段のことを文字のみで書いている宣伝文句。
ラップで歌えそうなほど、リズミカルな文面です♪
そのほかにも「清水餅(きよみづもち)」という引札も、ただお餅の美味しさを推すだけではなく、どことなく口ずさんでしまいたくなる韻を踏んだ文面。
源内はまさに「キャッチー」なコピーライターだったのだな!と感じました。
(福内鬼外は源内のペンネーム)
こちらは歯磨き粉の引札。
「トウザイ〜トウザイ〜」というフレーズから始まり、
歯を磨くことについて意味があるのか!?と毒づきながら唄う宣伝文句。
「詰め替え用あり」と書かれてあり、さらに詰め替え用の方がお値段が安いというのも少し笑えました!
江戸時代の平賀源内はこれらの引札を作るごとにお金を頂いて儲けていたそうで、
今でいうフリーのコピーライターのはしりだったのだなとわかりました。
同時に、
『「土用丑の日にうなぎを食べよう」ってうなぎの屋台に引札を貼り付けたのは源内らしいぞ!』
という江戸の民衆の声が耳に聞こえてくるようでした〜。
さあ、これからその証拠となる文面がいつ、どこで見つかるか!
楽しみです!
日本初のコピーライター?!平賀源内の引札展示は「平賀源内記念館」で見ることができます。
暑い中、涼みがてら足を運んで見てくださいね〜!
平賀源内記念館、平賀源内旧邸
香川県さぬき市志度587−1【地図】
開館時間/9:00〜17:00
休館日/月曜日(祝日、振替休日の場合はその翌日)
入館料/大人500円、大学高校生400円、小中学生250円
TEL.&FAX:087-894-1684
開館時間/9:00〜17:00
休館日/月曜日(祝日、振替休日の場合はその翌日)
入館料/大人500円、大学高校生400円、小中学生250円
TEL.&FAX:087-894-1684
平賀源内記念館ホームページはこちら