さぬき市は秋祭りシーズン真っ只中。
この週末には多くの神社で秋のお祭りが行われ、地域ごとの獅子を楽しむことができます。
「遊びの達人」ブログでも秋祭りをいろいろ取材してきましたが、
今年初めて訪れたのは、志度インターチェンジ南側にあたる「末(すえ)」地区の祭り。
末の秋祭りで「末の獅子」を堪能させてもらいました!
さぬき市「末」は、ちょうど高松自動車道 志度インターチェンジから南のエリアに当たります。
のどか〜な田園風景が広がる中に民家が点在するほっこりエリアですが、実は歴史の深い地区。
かつて参加した「志度まちぶら探検隊」の末コースでは、
志度の名家と言われた「岡田屋敷跡」
元県議会議員の名士 廣瀬小三郎の銅像
山中にある登り窯「末一号古窯跡」
松平家と所縁深い「霊芝寺」をめぐり、それを実感しました。
そんな「末」の秋祭りはどんな雰囲気で行われているのでしょう?
隣町の志度はちょうさ(太鼓台)がぶつかり合う激しい秋祭り「多和神社例大祭」が有名ですが、「末」もそうなのでしょうか?
実は「末」地区も多和神社例大祭のエリア。
「当家」という当番が8年に1度回ってくることもあるのですが、ちょうさ(太鼓台)を持っていないため、どこかの組を指定するという仕組みになっています。
ただし獅子組はあるので、多和神社例大祭の折には御旅所での奉納に参加します。
そして「末」自体のお祭りは毎年9月に行われています。
末は4つの地区があり、氏子ごとに「若宮さん」「天神さん」の2つの神社で神事を行い、獅子を奉納します。
2018年は9月24日(月・祝)に秋祭りが行われると聞いて、お邪魔することに。
まず神事と獅子奉納が行われるのは、末にある懐石料理店「侘助」のさらに東奥、
民家の合間に隠れるように祀られている「若宮さん」です。
朝11:00から多和神社の禰宜さんが来られて神事が執り行われていました。
それを見守るのは「末獅子保存会」のみなさん。
戦前の末には2つの獅子があったそうですが、少子高齢化に伴い、いつしか1つの組になってしまったのだそう。
しかし互いの獅子の使い方が違っていたため、うまくミックスして曲を作ったという話も残っています。
「末」の獅子は太鼓、鐘、そしてキョウクチが2人。
そして黒髪に顔も真っ黒な獅子頭の獅子が一頭。
奉納舞は拍子木の音が時折入って、その度に場がキュッと締まります。
獅子はずうっと神様の方向を見るばかり。
今年のキョウクチは小学校3年生の双子の女の子。
お顔がそっくりで、まるで神話の絵のよう!
キョウクチももともとは男子の役目。
ここ10年で子どもが少なくなり、女の子がやらざるを得ないことも。
そんなキョウクチを経験した中高生が獅子や太鼓の手になり、下の世代に受け継いでいるという末。
獅子組の男子も若い!!
かつて獅子を使っていた方のお話によると、
「末の獅子は50歳になると使えないくらい激しいんです。
『平獅子(ひらじし)』と呼ばれる使い方で、他のエリアでもあまり残っていないと聞いています。」
獅子には「牡丹くずし」と「平獅子」の2つがあると取材先で教えてもらったことがありますが、
大人しく見える「平獅子」より、見ていて激しい「牡丹くずし」の方が苦しいのかと思っていたら…
「使うのは結構キツイです!
特に後ろ側は頭が上がらない姿勢をキープしたままなのでかなりキツイ。
前は前でさらに耳や口を動かす動作が入るので大変です」
だそうで、、、スクワットしているときのジワジワくる辛さを思い出してしまいました。
見ている者にはわからない、その大変さ。
末の獅子は突然大きく動き、また静まり、また突然神様の元に走りこんできます。
氏子の先輩たちも神様とともに暖かく見守ります。
獅子の奉納が終われば神様に一礼。
もう一つの「天神さん」にすぐ移動します。
今では住む人も少なくなってきた「末」ですが、まだまだ子どもたちが秋祭りで木々を囲んで遊んだり、お酒を交わしながら上の世代と若者たちがともに獅子を奉納する姿が見られて、とても心穏やかに楽しむことができました。
これも「末」ならではの空気なのかも?
みなさんの笑顔もとてもほっこりさん♪
お祭りの取材協力、ありがとうございました!
今後「末」の獅子組を見られるのは、10月6日、7日開催の志度の多和神社例大祭のみ。
気になる方はぜひ多和神社のお祭りに足を運んでみてくださいね。
10月6日(土)11:00〜 さぬき市役所前、獅子、奉納太鼓集合
10月7日(日)夕方 志度寺東側御旅所にて獅子奉納
末の秋祭り
開催日時/2018年9月24日(月・祝)
場所/若宮さん【地図】、天神さん
多和神社 秋季大祭
日時:2018年10月6日(土)9:00宵宮、11:00〜獅子、奉納太鼓 市役所集結
10月7日(日)10:00例大祭、11:30〜御幸祭、みこし出御
開催場所/多和神社・御旅所周辺 【地図】
問い合わせ先/多和神社(TEL:087-894-1169)