夏祭りの「焼きそば」や「たこ焼き」でいい味出してくれる「青のり」
実はさぬき市でも「青のり」が作られていることをご存知ですか?
さぬき市鴨庄のスジアオノリ養殖は、ゴールデンウィークから6月がシーズン最盛期!
鴨庄漁業協同組合の松中さんのご案内で
スジアオノリを育てるみなさんに会いに行ってきました!
さぬき市鴨庄地区、鴨部川が海に流れ込む河口付近にやってきました。
鴨庄では志度湾〜大串半島までの沿岸部に漁港がいくつかあり、
鴨部川から海に向かって流れ込む環境と立地を生かして、牡蠣や黒海苔の養殖が行われています。
しかし平成20年ごろから鴨庄の黒海苔養殖に問題が発生。
降雨量が減って色落ちが現れたり、カモや魚が養殖網の海苔を食べてしまうという食害などです。
そこで鴨庄漁協が新たに取り組み始めたのが
「スジアオノリ(青のり)」の養殖!
「スジアオノリ」は食用の青のり類の一種で、香りが高く美味しい品種。
水揚げしたての色は鮮やかな緑色で、乾燥後出荷されたものの多くは市販のポテトチップスやおかきなどに利用されています。
鴨庄漁協では兵庫県から種網を取り寄せ、
平成26年から「スジアオノリ」を試験養殖していますが
他のアオノリに比べて鴨庄の海と相性が良いことがわかり、
昨年度は3件の業者で「スジアオノリ」5600kgを生産することができたのだとか!
そんな「スジアオノリ」を養殖している漁師さんに会いに、鴨庄白方漁港へ行ってきました!
白方といえば、お盆に108つの炎を海岸に灯して亡くなった方の霊を見送る「送り火」が残る場所としてもおなじみ。
(写真:鴨部川に竹の棒を立ててスジアオノリの網を張っている)
「スジアオノリ」のシーズンは3月〜6月。
期間中は3〜4回収穫できるため、種網張りと水揚げも3〜4回を繰り返されます。
網を張って2週間〜20日で刈り取ることができるのだそう。
種網を張っているのは、鴨部川河口付近。
鴨部川の中にもスジアオノリの網が張られています!
そういえば青のりって「川」のイメージが強かったのですが、淡水系なので
海で養殖する場合も河口に近いほうが色と香りの良いものができるのだそう。
(写真:鴨部川河口の防波堤から沖を眺めたところ)
また、海に張られたスジアオノリの網は、河口の防波堤からも目視できます。
こちらはウキの下に種網を張っています。
黒海苔ならば、ここからはるか遠くの沖合いに網を張らなくてはなりません。
その分、漁師さんの行き帰りが大変なのだとか。
白方のスジアオノリ漁師さんに会いに 白方エリアでは昔から「黒海苔」を育ててきた漁師さんが、スジアオノリ作りに転向しています。
こちらは白井さんのノリ収穫の船!
作業が行われている様子を覗かせてもらいました〜!
海に張っていた網を専用の機械に通すだけで、こんな風にスジアオノリだけが剥がされて出てきます!
ノリは薄く軽いので、フワフワと空中を舞い、漁師さんの頭もスジアオノリで緑色に〜〜!
これが水揚げしたてのスジアオノリ。
今年は雨が少なく、スジアオノリの成長も遅かったため、例年よりも難しい年になったそう。
白井さんも「本当はもっと色が濃くて綺麗な色なんよ」と残念そう。
紫外線に当たりすぎたり、成長しすぎると、スジアオノリの価値である色が薄くなるそうで、水揚げの時期や水温などの環境を見極めるのが難しいそう。
また、アオノリの網には海藻が絡むことが多く、海上で洗いながら育てます。
しかし、海藻が多いときには写真のように手で剥がすことも。
苦労もありますが、沖合いに網を張る「黒ノリ」に比べると船の油代も少なく済み、採算も良いので、黒海苔からスジアオノリ養殖に転向したのだそう。
水揚げ後のスジアオノリがパリパリの青のりになるまで さて、こちらは先ほどの白井さんとは別の白井さん(白方地区には白井さんが多い!)のスジアオノリ加工場。
水揚げした後の処理を見せてもらいました。
獲れたてのノリには海藻やエビなどが混ざっているので、
水揚げしたスジアオノリを1日かけて海水洗浄します。
さらに真水でしっかりと洗って、塩分を抜きます。
そして水分を抜くため、脱水機へ。
ノリの脱水機、見た目は家庭用の洗濯脱水機にそっくり!
脱水したばかりのスジアオノリの塊を機械のエアーでほぐし、
乾燥機に入れるため、トレイに薄くのばし、満遍なく乾くようにします。
この1トレイで1.7kgのスジアオノリが乗るのだそう。
乾燥機から出てくると、スジアオノリはパリッパリ!
さっきまでしっとりしていたのに、手でトレイから剥がせるまでになりました。
すこし味見させていただくと、
ほんのり塩味に青のりのいい香りがふわ〜〜!
これだけで白ご飯何杯も食べられる!と思うほど、美味しい!
青のりは料理の飾り的なイメージがあったのですが、
素材の持つ味わいが強く、主役級の食材だというのがよくわかります。
ちなみに白井さんのご家族から、このスジアオノリで「青のりおにぎり」や「焼きそば」を作って頂くのが美味しいよ〜!と教えていただきました。
サンド〜バッグに〜♪ …見えますが、
乾燥したスジアオノリの出荷用袋です。笑
6kg単位でこのようにまとめて県外へ出荷。
その後は入札を経て、県外の業者さんに販売されます。
多くは市販のポテトチップスやおかきに使用されるのだとか。
ということは…
さぬき市や香川で、このスジアオノリが販売されることがない???
(鴨庄漁業協同組合の松中さん)
「そうなんです!
香川県内の一部の小学校では、地元食材として鴨庄のスジアオノリが給食に出る日がありますが
一般の方に地元の青のりを買ってもらえる機会が今はありません。
しかし、現在香川県内の各漁協でのスジアオノリの養殖が始まっていて
種網も自分たちで種付けできるようにチャレンジしたいと思っています。
生産量が順調に増えれば、5年後には県産青のりとして、
皆さんに食べてもらえるのではないかと思います。
ぜひ楽しみに待っていてください。」
(写真:白方の漁師さんオススメ、青のりおにぎり)
地元の恵みを吸って育ち、青のりならではの風味と味わいが得られる「スジアオノリ」
漁師さんに出荷後余ったノリをいただいて「青のりおにぎり」を作ってみましたが、白ご飯との相性は最高!
この美味しさをたくさんの人に味わってもらいたい!と思いました。
鴨庄産スジアオノリが流通するようになれば、
白方の漁師さんの顔を思い出しつつ、
「青のりおにぎり」や「焼きそば」で味わってみてくださいね!
鴨庄漁業協同組合
場所/香川県さぬき市鴨庄4374番地30 【地図】 【鴨庄漁協関連記事】
posted by sanuki-asobinin at 13:40| 香川 ☔|
Comment(0)
|
グルメ
|
|