さぬき市志度、志度駅から歩いて10分ほどの場所にある「志度寺」
7月16日、明日17日は、
年に一度の「志度寺御本尊御開帳」の日!
実は志度寺の本堂の中にはなかなか見ることができない文化財がいっぱい!!
御本尊である「十一面観音菩薩立像」はもちろん、
天井からお面、そして境内にある書院の素晴らしいお庭まで、
全てを堪能しに、「志度寺ご本尊御開帳」に行ってきました〜!
さぬき市役所前から志度湾沿いに東に進むと見えてくる「志度寺」。
歴史は非常に古く、開創は625年。
その頃に作られたと言われている文化財が多く、実は見どころの多いお寺です。
志度駅前通りと交差する門前通りの突き当たりにある仁王門とそこに鎮座する木造金剛力士立像も重要文化財の一つ。
そして境内には9つの文化財があるんです!
そんな文化財を間近に感じられる年に一度のイベントが
毎年7月16日、17日に開催されている
「志度寺御本尊ご開帳」
7月16日は志度寺の重要文化財「志度寺縁起絵」で描かれる「海女の玉取伝説」の海女の命日。
7月17日は「観音様の日」ということで、観音様がご本尊の志度寺では7月の16日、17日をご開帳の日とされています。
ということで、2019年7月16日(火)に志度寺へ行ってきました!
日差しが厳しい日中でしたが、境内は季節の花や緑がいっぱいで涼しく感じます。
3連休明けですが境内はお遍路さんやご開帳を楽しみに来られた団体の方で賑やか。
まずはご開帳がおこなわれている本堂へ。
拝観料500円をお支払いすると、結縁金剛線腕輪守(結界を張って身を守ってくれる5色の糸)、極楽浄土にいけるという御札を頂けます。
中は撮影禁止となっているためお写真はありませんが、
常に案内をしてくださる方がいらっしゃるので文化財のこともよくわかります!
メインのご本尊「十一面観音菩薩立像」は、平安時代の檜の一本造りで国指定の重要文化財。
頭の上に10のお顔があるのですが、
8方位+上下2方向、それらをまとめて見る1つの顔を合わせての「十一面」となっていて、
どこからでもみんなを見ている仏様と言われています。
また、「十一面観音菩薩立像」の右側にはお不動様、左側には毘沙門天様がいらっしゃいますが、これは「天台宗」の並び。
志度寺は現在「真言宗」なので、なぜ?と思うポイントですが、
戦国時代になるとお寺が戦火を逃れるために宗派を変えることはよくあったとのこと。
『625年に創建された志度寺も時代とともに移り変わってきましたが、
その中でも唯一普遍的なものが「十一面観音菩薩立像」ということで、
しっかりお顔を拝見してお参りしていただけたら』
とお話がありました。
本堂にはそれ以外にも、貴重な文化財が観音様のお側に並びます。
弁財天像は芸能、財福の神様。
愛染明王像は縁結び、家庭円満を司る五大明王の一尊。
歓喜天像は夫婦和合の神様。
普門示現三十三尊は観音菩薩が人々を救済するために顕現した三十三の姿。
と、何かとお願いしたくなる方々ばかり。
また、面白い見どころとしては「天井」と「肉付面」をチェック!
天井には龍と天女が舞う天井画が描かれているんです。
戦前まではよく見えていたというこの天井画。
高松空襲の後、志度寺に疎開してきた人々の煮炊きのせいか煤が上がって少し見えにくくなったとも言われています。
「肉付面」は志度に残る言い伝えで、
意地の悪いおばあさんがお嫁さんを驚かそうと面を被ったら取れなくなってしまい、
観音様にお祈りしてやっと取れたものの、
顔の皮膚もろとも剥がれてしまったため「肉付」の面と呼ばれています。
お面自体も痛々しく恐ろしい表情をしていますが、
意地の悪い顔から新しい顔に生まれ変わるというたとえでもあり、
やはり日々いい顔で過ごしていきましょうという教えにもなっています。
さあ、本堂の拝観が終わった後は、ご開帳の日に特別に見られる「奪衣婆堂」と「閻魔堂」にも足を運びましょう。
「奪衣婆堂」は寛文11年、松平頼重公によって閻魔堂と同時に建立されたと言われていて、
奪衣婆とは死後の世界でまず最初に出会うおばあさんのこと。
着ている服を引剥され、それを木にかけて枝がしなだれると、
悪行をしてきたと判断されて閻魔様のもとへ。
しなだれなければ観音浄土に導いてくれるという、閻魔様の前に裁きを下す人物です。
同時に閻魔堂もご開帳されますが、こちらは毎月17日にご開帳の日を設けています。
靴を脱いでお堂の中に入る事もでき、丁寧に説明をしてくださいます。
志度寺の閻魔様は十一面観音様の生まれ変わりと言われ、頭の上にお顔が10体乗っていて、
とても綺麗に色彩が残っているのが珍しいくらいなのだとか!
中には閻魔様の両側の司命(罪状を読み上げる係)、司録(判決を記録する係)、風神など、見どころがたくさん。
さらに「閻魔様の御朱印ください」と社務所で伝えると、閻魔様の御朱印を頂けます。
このように志度寺に奪衣婆や閻魔と行った死の世界に関わるものがあるのには、
昔「死渡寺(しどじ)」と呼ばれ、一番あの世に近いお寺と言われていたこともあるから。
ここに来て閻魔堂や奪衣婆堂にもお参りすることで、
一度死んで生まれ変わることができるとも言われています。
さあ、そして隠れた志度寺のおすすめスポット「書院」へ行ってみましょう!
ご開帳の日は扉を開け放し、お庭の一部が額に入った絵画のように見えました。
エアコンはないけれど、静寂の中、木々の揺れる音や鳥の声を聞いていると不思議と涼しく、心が落ち着く場所です。
この先には…
立派な枯山水「無前庭」があるんです!
お庭を前に腰掛けてみれば何時間でも過ごせそうなほど気持ちの良い場所。
京都の有名な枯山水を思い出させるこのお庭は、昭和期の著名な作庭家 重森三玲によって昭和37年に作られました。
志度寺に残る「海女の玉取り伝説」にちなんだデザインになっているんですよ♪
涼しい境内を散歩するように、志度寺の見どころをたくさん楽しめる「ご開帳の日」
7月17日(水)も開催されますので、まだ足を運んだことがない方も楽しんでみてくださいね!
そして社務所で見つけたこのジオラマは一体???
続きは後日のブログで!
志度寺御本尊御開帳
香川県さぬき市志度1102 【地図】
実施期間/2019年7月16日(火)10:00〜16:00、17日(水)10:00〜13:00
拝観料/500円
お問い合わせ先/志度寺(TEL:087-894-0086)
香川県さぬき市志度1102 【地図】
実施期間/2019年7月16日(火)10:00〜16:00、17日(水)10:00〜13:00
拝観料/500円
お問い合わせ先/志度寺(TEL:087-894-0086)
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