春らしい山の新緑に癒される季節になりましたが
さぬき市昭和にある香川大学農学部の附属農場では
今年も恒例のお茶摘みが行われました。
生まれたてで青々と輝く一芯二葉たち。
これらを手摘み&機械摘みすることで附属農場の「一番茶」が出来上がります。
今年は初めてお茶の機械摘みを見学させてもらうことができました!
その様子を詳しくご紹介します。
さぬきワイン用ぶどう「香大農R-1」もここで研究栽培されているんですよ〜!
附属農場は農場で育った野菜苗や果物を買うことができる直売所的な役割としても地元の方におなじみですが、
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、春の野菜苗の販売は中止に。
行き場がなくなった苗たちは、農場のみなさんでそのまま大切に育てているそうです。
そんな附属農場もゴールデンウィークになると恒例の「お茶摘み」が始まります!
農場では敷地内外合わせて120Rのお茶畑を管理。
5月に入るか入らないかのタイミングで、手摘み作業が行われます。
今年は新型コロナウイルスの影響でメンバーは最小限に。
大学職員と大学院の学生たちのみでお茶摘みが行われました。
最初に手で摘むことで品質もよく成分が高いお茶を作ることができるものの、
どうしても摘み残しが出てしまうため、手摘みの1週間後に機械摘みを行うのです。
以前は手摘みの日にお邪魔させていただきましたが、
お茶摘みの機械も見てみたい!と思い、
ゴールデンウィーク明けに「香川大学農学部附属農場」へ!
今回は農場の東側入口すぐのところにある茶畑へ。
品種は日本で最も多く育てられている「やぶきた」。
(香川大学農学部 諸隈先生)
「今年4月上旬にわりと雨があったものの、後半は天気に恵まれて、水も行き渡って元気に育ちました。
新芽の成長が良いと思いますので、お茶になった時の味わいも比較的良いのではないかと思います。」
茶畑では諸隈先生を含む大人4人で作業を行なっていました。
長方形の機械の両端に2人、そして機械に備え付けた袋を持つのに2人。
機械がチャ(茶)の木に覆いかぶさるように進んでいますが、
木を真横から見てみると、ゆるいカーブを描いた木の上部に芽がひょっこり飛び出ているのがよくわかります。
その部分だけを機械で刈り取っていくのはなかなか難しそうですが、
機械のカーブと木のカーブがうまくフィット!
きもちよく新芽だけが刈り取られて行きます!!
実は機械で摘む時のことを考えて、表面がまあるくなるようにチャの木を育てているのだそうです。
ちなみにこの機械は面積が狭い茶畑用のもの。
上の写真のように段差や急な斜面、どんな高さでも人間の持ち方によって対応できるので、
附属農場でも大活躍!
さて、どんな仕組みで新芽が刈り取られているのか、
機械の中も見せてもらいました!
ギザギザのバリカンが上下2枚あり、
それが左右交互に動くことで柔らかい茎をカット。
そのまま後ろ向きに風が出るファンで、備え付けた袋に新芽を送り込みます。
袋を持つ人が必要なのは、刈り取るうちに水分を含んだ新芽でずっしり重くなるから。
大人4人いないとできない、意外と力の必要な作業なのですね〜〜。
ファンからの風が抜けるように袋の天井はメッシュ状になっています!
刈り取った新芽はこちら!
青々とした美しい緑。
手で揉むと何処と無くお茶の爽やかな香りがするような…
今年は加工後の計量で、手摘みで8.9kg。
機械摘みでは30kg〜50kgが収穫できる予想とのこと。
これらの機械摘みされた新芽は混ざった雑草を丁寧に取り除き、
附属農場内にある加工場へ!
ここで乾燥機にかけ、軸を取り除き「荒茶」を作ります。
仕上げの加工はJAの加工工場にお願いし、出来上がったものを農場のみんなで詰めて「農学部茶」の完成!
春に摘んだ新芽は、6月ごろに香川大学医学部にある生協や道の駅で販売が行われます。
いまだにこの葉が美味しいお茶になるなんて、と不思議に思いますが、
これこそが春に生まれた春の恵みを詰め込んだ自然の産物。
緑茶は体がほてりやすいこれからの時期に体を冷ましてくれるという作用もあると聞きます。
初夏には急須で地元のお茶を入れて、春の香りを楽しんでみませんか?
【今後の香川大学農学部附属農場 生産物販売ラインナップ】
・4月10日頃〜 果物野菜苗販売(ナス、トマト、キュウリ、ピーマン、スイカなど)※2020年は中止
・6月下旬頃〜 煎茶、桃
・7月末〜9月下旬 ぶどう(ピオーネ、巨峰など)
・11月頃〜 みかん(12月には小原紅早生も)
・12月中旬頃〜 シンビジウム
その他、草花類(パンジー、ビオラ、日々草、ペチュニア)、野菜苗(キャベツ、ブロッコリー、白菜、玉ねぎ)なども季節ごとに販売。
大学生協、医学部売店でも生産物を販売していますので、ぜひ覗いてみてくださいね♪