2020年7月16日、17日。
今年も年に一度の貴重なイベント
「志度寺御本尊御開帳」がやってきました!
国指定の重要文化財である御本尊「十一面観音菩薩立像」はもちろんのこと、
2020年は弘法大師が「大師」の名前を頂いてちょうど1100年となるお祝いに合わせて
滅多に見ることができない「大師堂」の中に入ることができます!
今の時期だからこその拝観の心構え、お大師様とのご縁を頂きに、
志度寺を拝観してきました!
さぬき市志度、JR・ことでんの志度駅から歩いて15分ほどのところにある「志度寺」にやって来ました。
お寺の北側は五剣山や小豆島を望むことができる志度湾。
かつては小豆島から参拝のための船が出ていて、志度寺の北側に着岸していたそう。
「志度寺」の歴史は非常に古く、開創は625年。
まずは見どころ満載の本堂へ。
今年特別に御開帳となった「大師堂」へ!
同時に楽しみたい志度寺ならではの「閻魔堂」と「奪衣婆堂」
あそたつ的志度寺のおすすめ「書院」と「志度寺の閻魔うどん」
その頃に作られたと言われている文化財が多く、境内には9つの文化財が存在します。
西に向かって建つ仁王門とそこに鎮座する木造金剛力士立像も重要文化財の一つ。
四国霊場八十八箇所の八十六番札所としておへんろさんが巡礼する場所としてもおなじみですが、
普段から見どころが多く、文化財を楽しみに訪れるのにもおすすめのお寺です。
そんな「志度寺」が年に一度開催しているのが
「志度寺御本尊御開帳」。
7月16日は志度寺の重要文化財「志度寺縁起絵」で描かれる「海女の玉取伝説」の海女の命日。
7月17日は「観音様の日」。
ということで、観音様がご本尊の志度寺では毎年7月の16日、17日をご開帳の日とされています。
この2日間は普段お顔を見ることができない御本尊である「十一面観音菩薩立像」をはじめとした多くの文化財を間近に見ることができます!
ということで、今年も御開帳の初日 7月16日(木)に志度寺へ行って来ました。
境内には多種多様なアジサイが花開き、本堂へと進むごとに季節の彩りに迎えられます。
志度寺の境内はでは、かなり多くの花や木々を見ることができるので、実はどの季節に訪れてもお楽しみがあるなと感じます。

西門から入り、最初の交差する参道を左に曲がると立派な五重塔や奪衣婆堂があります。
その先に「本堂」がお目見え。
窓が開け放され、中の様子が見えるようになっています。
御本尊を拝観するためには、本堂横の元納経所へ。
拝観料を500円渡すと、少し大きめの納め札と飲み物をいただきました。
実はこれ、「写経納札」。
薄く書かれた「南無大師遍照金剛」という文字を写経し、
感染症が落ち着いた後に改めて札所へ訪れ収めてほしいと、
巡礼を自粛をされているおへんろさんのために作られたのだとか。
ちなみに「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」は、
おへんろさんにとっては札所を巡礼しながら唱える言葉としてお馴染み。
これを口にすることでお大師さまが側にいてくださる、と言われています。
そんな納め札を手に、靴を脱いで本堂へ上がります。
(中は撮影禁止のため、文章でのご紹介になります)
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
大勢の方を対象にした解説も中止に。
参拝客のみなさんも、静かに御本尊を眺めていらっしゃいました。
本堂でぜひ見ていただきたい文化財や仏様はこちら!
↓ ↓
・御本尊「十一面観音菩薩立像」
本堂の真ん中奥にお目見えしている志度寺御本尊の「十一面観音菩薩立像」は
顔の上にあるたくさんのお顔で四方八方を見渡していると言われています。
つまりどこにいても我々のことを見守ってくださる仏様。
観音様の前で今年一年の自分・身の回りの人の健康と幸せを祈り、
その幸福を広げていただきたい、と教えてもらいました。
・弁財天像
芸能、財福の神様。
・愛染明王像
縁結び、家庭円満を司る五大明王の一尊。
・歓喜天像(聖天さんとも言われる)
商売繁盛、夫婦和合の神様。
・普門示現三十三尊
観音菩薩は私たちの前に現れる時に三十三の姿を選ぶと言われています。
その三十三の姿そのままを表した三十三体の仏様
・天井
天井には龍と天女が舞う天井画が描かれています。
戦前まではよく見えていたというこの天井画。
高松空襲の後、志度寺に疎開してきた人々の煮炊きのせいか煤が上がって少し見えにくくなったとも言われています。
・肉付面
「肉付面」は志度に残る言い伝えで、
意地の悪いおばあさんがお嫁さんを驚かそうと面を被ったら取れなくなってしまい、
観音様にお祈りしてやっと取れたものの、
顔の皮膚もろとも剥がれてしまったため「肉付」の面と呼ばれています。
お面自体も痛々しく恐ろしい表情をしていますが、
意地の悪い顔から新しい顔に生まれ変わるというたとえでもあり、
やはり日々いい顔で過ごしていきましょうという教えにもなっています。
たまたま志度寺を訪れたという参拝客の方は
「こんな日にお目にかかれるなんて、ありがたい。」
と熱心に御本尊を拝んでいらっしゃいました。

おへんろさんが札所を参拝する際、本堂のあとに大師堂に進みます。
弘法大師さまを祀った場所ですが、普段はお大師さまに御簾をかけているためお顔を見ることもできません。
しかし2020年は四国遍路を開創した空海上人が、
延喜21年(921年)に醍醐天皇より「弘法大師」という名前をもらいちょうど1100年の年という記念に合わせて
大師堂の御開帳が特別に行われていました!
さらに中にも入ることができるんです!(中は撮影禁止)
金色の灯篭が天井からいくつも吊るされた大師堂の中は、暖かい灯りに照らされていました。
その奥にお座りになった姿のお大師さまが。
御簾もしっかりとあげられ、穏やかなお顔を拝見することができました!
胸元に当てた手からは五色の紐が繋がり、大師堂の表までつながっていて、
「お手綱」として、お大師さまと縁をつなぐことができるものとして参拝客が触れられるようになっています。
この先にお大師さまがいらっしゃる。
そう思うと不思議と温かく感じる「お手綱」なのでした。

ご開帳の日に特別に見られる「奪衣婆堂」と「閻魔堂」にも足を運びましょう。
「奪衣婆堂」は寛文11年、松平頼重公によって閻魔堂と同時に建立されたと言われていて、
奪衣婆とは死後の世界でまず最初に出会うおばあさんのこと。
着ている服を引剥され、それを木にかけて枝がしなだれると、
悪行をしてきたと判断されて閻魔様のもとへ。
しなだれなければ観音浄土に導いてくれるという、閻魔様の前に裁きを下す人物です。
奪衣婆って少し恐ろしいおばあさんというイメージがありますが、その通りの顔をしているかどうかは…
実際に見て、確かめてみてくださいね♪
同時に閻魔堂もご開帳中。
こちらは毎月17日にご開帳の日を設けていますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月から閉めていました。
久しぶりのご開帳に閻魔さまも嬉しそう。
中には靴を脱いで入る事もでき、丁寧に説明をしてくださいます。
志度寺の閻魔様は十一面観音様の生まれ変わりと言われているので、お顔が少し穏やか。
十一面観音様と同じく、頭の上にお顔がたくさん乗っていらっしゃるのです。
両サイドには閻魔様の両側の司命(罪状を読み上げる係)、司録(判決を記録する係)も。
また、志度寺の閻魔様は「蘇りの閻魔さん」と言われていて、
志度寺に残る縁起絵巻でも人を蘇らせ、生前の行いを正させるという物語が描かれています。
一度生まれ変わってやり直したい!
そんな大きい後悔を胸に残してしまった時には、志度寺の閻魔様に会いに行ってみてくださいね。

「遊びの達人」ブログが個人的に推す志度寺のスポットは何と言っても枯山水「無前庭」。
境内にある「書院」のお庭で、昭和期の著名な作庭家 重森三玲によって昭和37年に作られました。
志度寺に残る「海女の玉取り伝説」にちなんだデザインになっているんですよ♪
もし書院が開いているときは自由に眺めることができますので、縁台に腰掛けてゆっくりと過ごしてみてくださいね。
もう一つの推しは「志度寺の閻魔うどん」!!!
いつの間にか納経所に登場していたお土産物で、志度寺ならではの閻魔様がパッケージに描かれたうどんです。
「閻魔大王 地獄の釜揚げうどん」
「志度寺の閻魔カレーうどん」
「地獄の閻魔大王 激辛味噌煮込みうどん」の3種類!
閻魔大王で ”地獄の釜揚げ” だなんて、洒落たネーミング〜!!
ご開帳で見られる赤い閻魔様のお顔もしっかりプリントされております〜!
贈答用の箱もありますので、お中元や手土産にぜひどうぞ〜〜♪
ちなみに味噌煮込みは「地獄の素付き」ですよ(笑)
「御開帳」というのは、貴重な文化財を見ることができるというだけでなく、
普段は御利益がありすぎたり、お姿が変わっているため表に出されていない方に会うことができるチャンス。
また、普段は気づかなかった地元のお寺の良さを楽しむこともできます。
明日7月17日(木)も御開帳が行われますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
志度寺御本尊御開帳
香川県さぬき市志度1102 【地図】
実施期間/2020年7月16日(木)10:00〜15:00、17日(金)11:00〜13:00
拝観料/500円
お問い合わせ先/志度寺(TEL:087-894-0086)
香川県さぬき市志度1102 【地図】
実施期間/2020年7月16日(木)10:00〜15:00、17日(金)11:00〜13:00
拝観料/500円
お問い合わせ先/志度寺(TEL:087-894-0086)
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