お互いに大好きな写真の世界を楽しみつつ教えあう達人たちの写真展
「第21回 SIC&柴田好政写真展」が
2020年9月27日(日)まで
「21世紀館さんがわ」にて開催されています。
長時間待機して撮影できた印象派絵画のような朝靄の景色や
お庭で見つけた自然が作る奇跡的な模様、
大好きなカワセミを追いかけた写真など、
それぞれの達人の視点の面白さを楽しめる内容になっています。
写真展を覗いて、達人たちのお話をお聞きしてきました!
さぬき市寒川町、さぬき市民病院横にある展示施設「21世紀館さんがわ」にやってきました。
こちらでは年間を通して、写真、絵画、陶芸など、様々な作品展がひっきりなしに行われていますが
今年は新型コロナウイルスの影響で中止になった展覧会もたくさんあるそう。
そんな中ですが、コロナに負けない元気な写真家たちの写真展が開催されています。
「第21回 SIC&柴田好政写真展」
「SIC」はさぬき市造田公民館で活動を行なっている「さぬきインターネットクラブ」のこと。
その一部に「写真クラブ」があり、毎週火曜にお茶を飲みつつ
メンバー同士でお互いの写真を見せ合いながらワイワイと交流しているのだそう。
部長はさぬき市の写真の達人でもある柏原宏さんですが、
「SIC写真クラブ」ではメンバー全員がみんなの先生。
お互い教えあいながら、楽しみながらやっているのが良いところなのだとか。
さらに年間2回は写真展でメンバーの作品をお披露目するのが恒例となっており、
2020年最初の写真展が今回のものに!
今回で21回目ということは…
もう10年以上も続いている写真展!
お客さんは写真仲間や常連さんも多く、
写真好きのみなさんの繋がりの深さを感じました。
それでは今回の写真展について、部長の柏原宏さんにお聞きしてみましょう!
(SIC写真クラブ部長 柏原宏さん)
「今年はコロナの影響で春に写真展ができず、やっとの開催になりました。
みんな写真が好きで、自分の好きなものを撮影しています。
だからこそどんな世代の方でも楽しめる写真展になりました。」
遠方まで出かけて風景を撮影していたという柏原さんも今年79歳。
2月からは新型コロナウイルス感染防止のために遠出を控えていて
最近では朝焼けと夕焼けを主に撮影して楽しんでいるのだそう。
そのため今回の写真展では過去に撮影した貴重な写真や、
地元で見つけた驚く風景を選んで展示しています。
柏原さんのお気に入りの一枚はこちら!!
「夜明」と名付けられた朝靄の様子。
北海道鶴居村の川のほとりで早朝からカメラを握りしめ、
待ちに待ってシャッターを押したという一瞬の風景。
ここは国の特別天然記念物タンチョウ(ツル)の生息地で、
毛細血管のように四方八方に伸びる朝日を浴びた雪枝の向こうには
タンチョウが存在しているのだとか。
「これは本当に写真なのかな?」
と思ってしまうほどの美しい色彩で、うっとりと見とれてしまいました。
実際に写真の前に立って眺めていると、朝日の色彩の美しさがじわじわと迫ってきます!
また、「グランドキャニオンさぬき」と名付けられたこちらの写真は、
実は高松市の神内上池の風景。
水が引いた池の表情は本当にグランドキャニオンの岩場のよう!
そんな目線で地元の池を見たことがなかったので、大発見だなあと感動しました!
こちらは今年「SIC写真クラブ」に入られたという最年少メンバー
藤原夏子さんの作品「水玉もよう」。
朝、お庭の草を眺めていると、こんな不思議な光景が!
朝露が葉っぱを飾る風景はよく見ますが、
このように縁取りするのを見るのは初めて!
柏原さんや他の写真家さんも「よく見つけたなあ〜」と感心されていました。
こちらは富士山ばかりを20年撮り続けていたという福家壽義さんの作品。
大串半島の夜の顔と、牟礼の朝の顔を並べています。
柏原さんとは早朝5:30から毎日朝靄を撮影するカメラ仲間だったそうで、
瞬間の奇跡を求める芯の強さが写真からも感じ取れました。
面白いのは会場の奥が個展会場になっていること。
「SIC」の写真展では、メンバーそれぞれの士気を高めるためにも
毎回1人の個展を同時開催していて、
会場の一角にそのスペースを確保しています。
今回はメンバーの柴田好政さんが個展を開催。
柴田さんは10年ほど前に仏生山の池で出会ったカワセミの美しさに魅せられて写真の世界に入ったそう。
それまではコンパクトデジカメで孫の記録写真を撮るだけのカメラ生活でしたが…
カワセミを追いかけ始めてから一眼レフを購入し、
野鳥の会や写真仲間から聞いた野鳥の情報をもとに県内の山へ出かけ
多くの鳥の写真を撮影するようになったのだとか。
今回の個展でも「野鳥の世界」と題して、
柴田さんの大好きなカワセミや
香川県で見つけた野鳥の姿を展示しています。
鳥の種類は600種、そのうち200種が香川に存在すると言われて驚きましたが、写真を見ると
「こんな鳥が本当に地元にいるの?」
と見たことのない鮮やかな色彩の野鳥や柿をつつく可愛い野鳥の姿を見てワクワク!
(SIC写真クラブ 柴田好政さん)
「野鳥を撮影するまでは森を歩いてもその姿が見えなかったのに、
撮り始めたらすぐに見つけられるようになったんです。
いろんな野鳥を撮影しましたが、やはりカワセミが好きですね。
体の色の美しさ、水に飛び込むスピードの速さに魅せられて今だに追っかけています。」
さらに個展会場には柴田さんがコレクションし始めたばかりというクラシックカメラもずらり。
ボタンひとつで写真が撮れるようになった今だからこそ、
若い人たちに見てもらいたいカメラたちとのこと。
これらのカメラでの撮影方法が気になる方は柴田さんに聞いてみてくださいね〜!
地元香川県の風景が多いはずなのに、1つ1つが新しい世界に見えるこの写真展。
撮影した「SIC写真クラブ」のメンバーの年齢は60代〜80代後半というお歳ですが
好きなものを撮影したい!という熱い思いがそれぞれの写真から滲み出ていました。
達人の「好き」の世界を覗きに、
あなたも写真展に足を運んでみてくださいね。
第21回 SIC&柴田好政写真展
会場/21世紀館さんがわ【地図】
開催期間/2020年9月22日(火)〜9月27日(日)
開場時間/9:00〜17:00、最終日は9:00〜16:00
お問合せ先/0879-43-0780(21世紀館さんがわ)
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