2020年11月24日、
日本国内の消滅予定都市が抱える問題と香川の「西高東低」観光の風向きを変えるための新しいチーム
「さぬき市津田地区漁業活性化協議会」が誕生しました!
津田エリアの飲食・宿泊・体験を担う団体個人が一致団結し、
農泊を通じてこれから津田の新しい魅力と楽しみ方を発信していきます。
今後の展望や参加する地元の方々の期待の声をお聞きしてきました。
「さぬき市津田地区漁業活性化協議会」はその名からもわかるように
津田町の漁業を中心に地域活性の取り組みを行うグループ。
さぬき市津田町で水産加工を行う企業「(株)キングフーズ・(株)安岐水産」が中心となり
国の交付金を受けながら2年間かけて津田町での農泊(食・体験・宿泊)プランの開拓と人材育成を行い、
3年後の津田観光の定着化に結びつける試みです。
協議会の主要団体としては「(株)キングフーズ」を中心に16団体が参加。
事業支援チームとして、さぬき市政策課・商工観光課、さぬき市商工会、さぬき市観光協会、(株)日本ドルフィンセンター、百十四銀行が。
体験支援チームとして、地元漁業の担い手である漁師さんや「クアタラソさぬき津田」「(株)安岐水産」が。
宿泊支援チームとして、津田町のゲストハウス「R-Villaさぬき津田」「まち宿AETE」や大川町の宿泊支援施設「ゆ〜とぴあみろく」が。
食の支援チームとして津田ならではの釜揚げシラスなどの海産加工品を販売する「大塩水産」「木村商店」「(株)キングフーズ」、
年齢層問わず人気のブックカフェ「カフェゆるりと。」が。
またさぬき市長尾で障がい者福祉サービス事業所を営む「(株)りんごハウス」も事業支援団体として参加しています。
さらに繋がりを深める連携団体として、津田町の漁業組合や津田町の飲食・宿泊・販売団体が参加しています。
11月24日(火)には協議会のキックオフ会が「クアパーク津田」で行われ、主要16団体から20名の代表者が出席。
協議会発足のきっかけやこれからの展望が説明されました。
協議会の会長でもある安岐さんは、兼ねてから人口減少が進む地方での経済活動の進め方について考えて来られていた方。
自社の「(株)キングフーズ・(株)安岐水産」が水産加工品の卸販売である形態から、直接消費者に販売できる力を持つ会社にもなりたいと、昨年10月には会社の隣にコンテナショップ『Chumi umi(ちゅみうみ)』をオープン。
その経緯を株式会社JTB 高松市店の高木さんが新聞で見かけ、安岐さんに『漁業を中心とした地域振興の企画に対して出される国の交付金があるので使ってみては?』と声をかけてくださったのだそう。
(さぬき市津田地区漁業活性化協議会 会長(株)キングフーズ 安岐麗子さん)
「このお話を頂いた当時、香川県に多くのインバウンドの観光客が訪れていました。
その流れを東讃に呼びたいと思い、東の魅力を作れたらいいなと協議会を立ち上げることにしました。
新型コロナウイルスの影響で今後のインバウンドがどう動くかわかりませんが、この農泊事業で皆さんの知恵を借りて2年間助走をつけ、3年目に繋げていける協議会にしたいと思います。」
(写真左:「株式会社JTB 高松支店」高木さん)
「私たちはいろんな地域でこのような農林水産を中心とした地域活性に関する交付金のお手伝いをさせてもらっていて、現在香川県内では丸亀市広島や小豆島の三都半島で同様の取り組みが進んでいます。
そんな中、さぬき市津田で魚食を推進する活動を消費者に向けて行う安岐さんのことを知り、お声がけしました。
実際に安岐さんがされている「Cumi umi」のお魚のお惣菜も家族でいただきましたがとても好評で、これはいいなと思ったんです。
これからの観光は『細く長く』ファンが来てくれる場所が長続きすると思っています。
コロナ禍の今、じっくりと2年間準備を行い、2020年に開催される『瀬戸内国際芸術祭』にも間に合えば…という期待をしています。」
そして協議会立ち上げまでの相談から現在も縁の下の力持ち的な役割で関わっているのが「さぬき市観光協会」。
当時観光協会の局長だった現・さぬき市副市長 中村さんは…
(さぬき市副市長 中村さん)
「いよいよスタート、という気持ちです。
安岐さんとも香川の観光は西高東低だと何度も言われて悔しい思いをしたという話をしてきました。
ここからとにかく一歩踏み出して風向きを変えたいですね。
さぬき市は優れた観光地があるけれど、それを面・線として繋げられていない。
なんとか1つの組織を作り、さぬき市活性のために突破して生きたいものです。
市もあらゆるところで協力をして生きたいので、官・民力を合わせて頑張っていきましょう!」
と力強い支援のメッセージを送られていました。
また、この協議会の副会長であり、津田町体験チームの一員でもある「(株)日本ドルフィンセンター」の寺山さんは…
(「(株)日本ドルフィンセンター」の寺山さん)
「これは僕らにとってはメリットしかない取り組み。
常々こういうことをしたいと思っていたし、本来なら我々がやらなければいけないことだと思っていたが、安岐さんが始めるというのを聞いて『ぜひ協力したい』と思いました。
この事業が終わる2年後には補助金なしで続けられるものにするために
この期間中にどれだけ勉強し、参加する地元の皆さんと一緒にどれだけの熱量で取り組めるかもポイントになってくると思います。
他のエリアに比べて衰退している地区なので、これをやってうまくいかなければ今後も難しい。
そんな意気込みで取り組んでいかなければと思っています。」
寺山さんのコメントはシビアに聞こえますが、まさに今が津田の観光進化のきっかけであり最大の踏ん張りどころ。
行政主体ではない、地元主体の取り組みを楽しみにしながら
今後の「さぬき市津田地区漁業活性化協議会」の取り組みを追いかけていきたいと思います。
具体的な今後の取り組み
このキックオフをきっかけに今年度内に多くの取り組みが行われます。
協議会の大きな柱は、農泊推進事業と人材活用事業の2つ。
農泊推進事業では感染症対策や古民家再生についての研修会を行う他、地元のモニターツアーを開催。
人材活用事業では宿泊体制整備の専門家との意見交換会や、飲食部門の外部専門家による津田ならではのお魚の商品開発、協議会で企画した一泊二日のサンプルツアーを開催。
サンプルツアーでは津田町での漁業体験や飲食、宿泊を実際に6〜7人のインフルエンサー的な方に体験してもらい、内容についてのフィードバックを求めて内容をブラッシュアップしていきます。
一般の方むけには、3月14日にお魚のワークショップ&マルシェを開催。
津田の漁師さんが実際に水揚げしている定置網やタコ壷の場所まで見学に行ったり、魚のさばき方教室に参加することができます。
事業のメインターゲットは県外・国外の観光客ですが、今年度はまず県内の人に地元を再発見してもらうところからのスタート。
香川県民のあなたもどんどん参加しましょう!
(さぬき市津田地区漁業活性化協議会 会長(株)キングフーズ 安岐麗子さん)
「最近では大阪など関西方面からは『アイランドホッピング』と言って、淡路島・小豆島・直島といった点在する近隣の島々に観光に訪れるお客さんが増えています。
そう言った方々の目線の中に中継地点である津田町を加えてもらいたいと思っています。」
通過地点から停泊地点へ。
津田のどんな新しい遊び方・感じ方が飛び出すのか、楽しみにしたいと思います!
さぬき市津田地区漁業活性化協議会
問い合わせ先/(株)キングフーズ・(株)安岐水産