2021年01月06日

国指定史跡となる「大窪寺道」を歩いてみる@多和

IMG_9696.jpg

『大窪寺へ向かうへんろ道「大窪寺道」が国指定史跡になる』

というニュースを前回の記事でご紹介しましたが…


江戸時代に多くのおへんろさんが歩いてきた道を実際に見てみたい!と思い

「大窪寺道」の一部を歩いてみました!!


歩き慣れたアスファルトとは違う土の道は

踏みしめるたびに多くの人が歩いた後の体温を感じるような暖かさがありました。

その様子を少しだけ写真でご紹介します!




IMG_9666.jpg

「大窪寺道」とは、八十七番札所長尾寺から結願の大窪寺までのへんろ道のこと。

その長さは約15.6kmあり、道沿いには寺庵や道標・丁石・へんろ墓などの石造物が立ち並んでいます。

 ※丁石(ちょうせき)…目的地までの距離を109m=1丁ごとに表す石標。

 ※へんろ墓…道半ばで行き倒れたおへんろさんのお墓。


そんな「大窪寺道」のうち

8箇所・約1.5kmが国指定史跡に追加されることが決まりました。


 詳しくは前回の記事をチェック!→大窪寺へ向かう旧へんろ道が国指定史跡に!!@多和



IMG_9685.jpg

国指定史跡となる箇所はいずれも江戸時代に使われていたとわかっている場所で

その時代の石造物や歴史的な景色をそのまま残しているとのこと。

つまり昔の人が見て歩いた風景が今でも見られるということです!


「おへんろ交流サロン」の片桐館長にそのお話をお聞きした途端

「それはぜひ歩いてみたい!」と思い

指定箇所の8箇所のうち2箇所に実際に行ってみました!



おおくぼじ.jpg

実際に行ってみたのは、片桐館長が「おへんろ交流サロン」のパネル展示でご紹介していた「大窪寺道:1」と「大窪寺道:2」

いずれも「おへんろ交流サロン」から車で「天体望遠鏡博物館」に向かう県道3号線ぞいにあります。

比較的わかりやすそうなのでこの2箇所をチョイス。


「国指定史跡になる箇所には新しく白い看板を立てた」とおっしゃっていたので、

それを目印に車を走らせながら指定箇所を探します。



IMG_9694.jpg

あ、あったーーー!!!

意外にも普通に道路沿い、ミラーの奥にありましたーーーー!

ここが「大窪寺道:1」の箇所!


IMG_9699.jpg

道の下には「六十五丁」の丁石がありました。

ここから結願寺の大窪寺まで約7キロだという目印です。




IMG_9693.jpg

アスファルトの道路から石垣をよいしょと登ると、山道がその先に現れました。

昔から立つ看板にも「旧へんろ道」という名前が書かれていました。


IMG_9700.jpg

踏み入れてみると…立派な山の中!!

しかしどことなく草の生えていない、道があるのがよくわかります。



IMG_9703.jpg

視線を右に振るとすぐに県道が見えるので安心しますが

これは夜に歩くと怖いかも…



IMG_9701.jpg

驚いたのは土の道のフカフカさ。

江戸時代には多くの人が通り、踏み固められていたのかもしれませんが

今道に立ってみるとかなりの柔らかさが靴底越しに伝わってきます。

足元も暖かく、ここで眠れるかもと思ってしまうほど。



IMG_9702.jpg

途中道幅が狭い箇所も…



IMG_9705.jpg

ちょうど「おへんろ交流サロン」ですれ違った歩きへんろの方が後ろから来られました。

県道を歩いてきたものの、この旧へんろ道を選んで歩くのだそう。


車へんろでは見えない景色を楽しめる、歩きへんろならではのお楽しみ。

山道に自然と馴染む後ろ姿が輝いていて、とてもありがたく思えました。



この道はしばらく歩くとまた県道3号につながります。

距離も長くなく、ちょっぴり旧へんろ道を体験したい方にもオススメの箇所ですよ!





さて、車を走らせ、すぐ近くにある国指定史跡箇所「大窪寺道:2」へ。

こちらも県道3号線沿いで、すぐに見つかるとのことでしたが…


IMG_9707.jpg

あ! これかも?!

先ほどの道を見たおかげで、県道から山に入る道をみると「旧へんろ道」かもという認識がすっかり刷り込まれてしまいました。



IMG_9709.jpg

白い看板を見てみると、「御摂待一万五千人所」とあります。

ここは間違いなく「大窪寺道:2」の石造物がある箇所!

秋になるとこの看板の周りは赤い彼岸花でいっぱいになるよう(「多和産直 結願の郷」のブログより)。



IMG_9708.jpg

この上にかつておへんろさんをお接待した建物があったということで、

緩やかな坂を登ってみると…



IMG_9712.jpg

山に残る石垣の上に石碑が!!!

ちゃんとした道はなく、登れそうな山道を伝って近くへ。


IMG_9714.jpg

たどり着きました!

ここも足元はふかふか。

優しい木漏れ日の差し込む場所です。


石碑の表には「御摂待一万五千人所」と刻まれています。

昔は「お接待」を「御摂待」と書いていたんですね〜。



IMG_9715.jpg

石碑の側面にも文字が刻まれています。

看板によると「紀伊国伊都郡 加勢田庄東村生レ 教翁義染房」とあるそう。

ここでお接待をされていた方のお名前かと思われますが、詳しくはまた片桐館長にお聞きしなくては!


IMG_9711.jpg

普段車で良く通っている箇所ですが、こういったものが残っているのを初めて知ることができました。

なぜこの場所でお接待をされていたのか、

その理由やその人の気持ちも少し知りたいなと思うように。


おへんろに関わった人たちがこんな形で今に残っているという事実がとても感慨深く

多くの方がおへんろを後世に遺産として残したいという気持ちが少しわかってきました。



「大窪寺道」は、おへんろはよく知らないという方でもなにかを感じることができる歴史の道。

ぜひ多和を通る際や大窪寺に向かう途中に立ち止まって眺めてみてくださいね。





「おへんろ交流サロン」で大窪寺道のパネル展示開催中

IMG_9678.jpg

今回国の指定史跡に追加された「大窪寺道」に行ってみたい方は、まず「おへんろ交流サロン」へ!

片桐館長が写真付きでまとめた国指定箇所の様子や見どころをパネル展示しています。

地図のプレゼントや道の案内はお願いできませんが、詳しい場所や行き方は教えてくれますので一声かけてみてくださいね。






前山おへんろ交流サロン
住所/さぬき市前山936番地 【地図
営業時間/8:00〜16:00
定休日/年末年始
駐車場/あり
HP/http://www.geocities.jp/sanukimaeyamanet/ohenro/sisetu/sisetugaido.html
TEL:0879-52-0208
posted by sanuki-asobinin at 19:25| 香川 ☁| Comment(0) | へんろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。