さぬき市で有機農業を営む「ミカタ」さんが作る
『黄金唐辛子(黄唐辛子)』が
「オーガニックエコフェスタ2021」で開催された
栄養価コンテストで優秀賞を受賞しました!
太陽に透かしてみると、黄金色に輝く美しい『黄金唐辛子』。
華奢なこの1本の中にどんなパワーを秘めているのか?
そして味わいは普通の唐辛子とどう違うのか?
珍しい『黄金唐辛子』と有機の野菜づくりについて、
「ミカタ」の舟越芳行さんにお話をお聞きしました。
さぬき市大川町田面にやってきました。
「みろく自然公園」から県道10号線をさらに東へ進むとたどり着くこの地域は
右を見ても左を見ても新緑の山とその麓に広がる田んぼの風景。
この場所に住み、有機農業を行っているのが「ミカタ」の舟越芳行さん・彩子さんご夫妻。
地域おこし協力隊として活動していた関東出身の2人が、
結婚を機にさぬき市へ移住したのが5年半前。
同時に舟越さんの「農家」としての人生がスタートしました。
20代の頃、食べるものを変えることで自分の心が軽くなったり、
体が気持ちよくなったことを経験したことから
食べるものは自分で作らなければいけないと思っていたという舟越芳行さん。
さぬき市に来る以前、地域おこし協力隊として活動していた茨城県でも有機農法の勉強をしていたそう。
そこで学んだ「炭素循環農法」にこだわり、農業を始めてみたものの
うまく育たないという現実にぶつかり、
ならばと肥料を使えば大きく育つものの、
「これは自分のやりたい農業なのか?」と葛藤する日々。
そんな中、土の微生物を増やしていく新しい資材に出会ったことをきっかけに
野菜づくりの考え方が変わっていったそう。
(「ミカタ」舟越さん)
「人が食べたもので育つのと同じで、野菜もあげた肥料で育つ。
その作物本来の味に仕上げたいから、栽培期間中は無農薬・無肥料で。
栽培期間外に『肥料をあげなくても育つ土』作りをしています。
3〜4年こだわって農業をやってきて、うまくできなくて苦労してきたけれど、
場所によって土地や気候が違うなら、自分のやり方でやらなければと気づきました。」
改めて大川町に家と田んぼを借り、新たな「ミカタ」の農業がスタート!
資材の力で土が変わっていく様子を感じたり、
収量も伸びてだんだんとやりがいを感じるように。
現在は2haの面積で唐辛子、お米、野菜を少し育てていますが、
なんといってもメインは「唐辛子」!
(写真:香川本鷹)
ピーマンには虫が来ない、と思ったところから唐辛子作りが始まった「ミカタ」ですが、
香川県はもともと輸出するほど唐辛子があった栽培最適地。
ここで育つ得意なものを作ろうと、
3年前からメイン作物として香川本鷹(赤唐辛子)、黄金唐辛子、ひもとうがらし、房とうがらしなどにチャレンジしています。
その中でもなかなか名前を聞かない『黄金唐辛子』。
一体どんな唐辛子なのでしょうか?
(「ミカタ」舟越芳行さん)
「『黄金唐辛子』は日本の在来品種です。
そして日本で一番辛いと言われています。
自分は黄色が好きだから、これを作ろうって思ったのがまずあるんですけど(笑)
唐辛子の商品の並びに黄色がないんですよね。
そして赤唐辛子の10倍辛いという個性が面白いと思って作り始めたんです。」
舟越さんの手に乗った『黄金唐辛子』。
太陽の下だと本当に黄金色に輝いて見えます。
こんなに小さいのに、日本で一番辛いとは!!
ぜひ体験してみたい!!
というわけで、舟越さんから『黄金唐辛子』を粉砕した小さな粒(1mm各くらい)を食べさせてもらいました。
「うんうん? わっ、辛い!
辛い辛い辛い。でも甘い感じもする?
はー、ピリピリ辛いわ〜(このあと10分くらいずーっと口の中がピリピリ)」
瞬時に辛さが届き、余韻は1粒でも強くながーく。
時折野菜っぽい甘さも感じるのですが、辛いものが比較的OKな私でも結構やられました。笑
激辛好きの方にはぜひ体験してもらいたい唐辛子です!
平均値よりもかなり高い栄養価が! 栄養価コンテストで優秀賞を受賞
そんな「ミカタ」の『黄金唐辛子』が、
今年2月に徳島県で開催された「オーガニックフェスティバル2021」の
栄養価コンテスト・唐辛子部門で優秀賞を獲得しました!
このコンテストは人参、トマト、いちごなどのメジャーな野菜から
紫水菜、ビーツなどのマニアックなものまで、
全国の有機農家から届く自慢の作物を化学的に分析・評価するもの。
結果、より多くの農家さんが有機栽培に取り組めるようになるという有機農業の普及にも繋がっています。
2021年は83品目404検体が集まりましたが
その中の「唐辛子部門」で優秀賞に選ばれたのが
「ミカタ」の黄唐辛子(『黄金唐辛子』)!!
食感が良く、味が非常に良いと評価されました。
データでその美味しさを解析すると
「ミカタ」の『黄金唐辛子』は通常の黄唐辛子の持つ平均値に比べ、
抗酸化力が4.58倍、
糖度が平均値の2.5倍、
ビタミンCが1.67倍もあり、
硝酸イオンは検出限界値以下。
ちなみに「硝酸イオン」とは、食べすぎると体に溜まり体の負担になるもの。
例えばほうれん草で感じるエグみがこの成分にあたるそう。
「ミカタ」の『黄金唐辛子』は硝酸イオンが少ないので後味がとてもスッキリしています。
他の作物に比べるとニッチな『黄金唐辛子』ですが、
青森のラーメン屋さんが必要としてくれたり、
東かがわ市の「プレッソ古川」さんが地元のパセリと合わせた七味を作ってくれたりと
バックアップしてくれる店舗も増えてきました。
今後は賞をとった『黄金唐辛子』を一般流通に乗せられるようにと準備をされています。
(「ミカタ」舟越さん)
「自分たちのサイトでも販売したいですし、
街のスーパーに普通の唐辛子と一緒に並べて売ってもらえたらと思っています。
今後は養蜂もやりたいし、地元の猟友会にも入ったからイノシシも捕まえて捌きたいですね。
自分が楽しく、無理をせずやっていけたらと思っています。」
移住時は夫婦2人だけでしたが、今では可愛いお子さんも2人。
家族4人、太陽の日差しをたっぷり浴びられるぽかぽかの家で過ごしつつ、
昨年の倍以上の数の『黄金唐辛子』や野菜の定植も始まりました。
日々「ミカタ」の味が田んぼで育っています。
「ミカタ」のチャレンジから生まれた美味しく輝く『黄金唐辛子』。
一度味わってみたい方は、ぜひ手にとってみてくださいね!
「ミカタ」の『黄金唐辛子』や野菜は下記の場所で購入することができます。
・春日水神市場(香川県高松市)https://www.suijin-ichiba.com
・ちろりん村(香川県高松市)https://www.niji.or.jp/chirorin/
ミカタ
香川県さぬき市大川町田面