津田の松原海水浴場で見たことがないスポーツを楽しむ人たちに遭遇!
彼らが楽しんでいるのは…
ブラジル発のビーチスポーツ「フレスコボール」!
特殊なラケットを手に7m離れた相手とボールを打ち合うシンプルなゲームですが
心はグッとつながるスポーツ。
四国・香川でも普及活動を行っている「瀬戸内フレスコボールクラブ」の皆さんにお話をお聞きしました!
ある土曜日の11:00ごろ、さぬき市津田町にある津田の松原海水浴場にやってきました。
長い白砂青松の砂浜の西端でなにやら楽しそうにスポーツをしている人たちが…
1対1でラケットを振り、ラリーを楽しむ様子。
広い空、青い海をバックになんとも気持ちよさそうですが
一体これはなんというスポーツなのか?
お声がけしてみました!
お話をお聞きしたのは香川県で「フレスコボール」を楽しむ団体
「瀬戸内フレスコボールクラブ」のみなさん。
2019年に四国でフレスコボールを普及しようと、
高知の「黒潮フレスコボールクラブ」と同時に誕生。
メンバーは21歳から65歳と幅広く、
毎週土曜に津田の松原、毎週日曜に観音寺市有明浜で練習を行っているそう。
「フレスコボール」は1945年にブラジル・リオデジャネイロで生まれたビーチスポーツ。
仕事終わりにビーチでリフレッシュ(フレスコ)することから名付けられました。
現在では中南米やヨーロッパなどのビーチのある国でも楽しまれています。
世界選手権・日本での全国大会も行われていて、
「瀬戸内フレスコボールクラブ」のように「一般社団法人 日本フレスコボール協会」を核に
国内のビーチで楽しんでいる方が増えているそう。
「フレスコボール」の特徴は味方同士でボールを落とさずにラリーを楽しむもの。
ルールもシンプルで、味方同士でペアを組み、
相手と7m離れて5分間、専用ラケットでボールを打ち合います。
ラケットもかなり特殊で、打つ面は1cmほどの厚みがある平面。
テニスラケットより小さく、
卓球のラケットよりは大きいサイズで持ち手は短くコンパクト。
木製やカーボン製があり、重さや打つときの感触で人それぞれ好みが違うそう。
ボールはゴム製で、ぷにぷにに見えて実は固め。
ラケットの面に当てるとよく弾みます!
打つ感覚はとてもテニスに近いと思いました。
練習の様子を見せてもらいましたが、
相手が打ちやすいところに打ち返すように打っているので
立っている場所からほとんど動いていないペアも!
相手とできるだけラリーを続けて楽しみたい。
それぞれのペアからそんな気持ちが伝わってきます。
「フレスコボール」は「思いやりのスポーツ」とも言われているそうですが、見ていて実感。
また、競技としての面白さはラリーがいかに続くかだけでなく、
打ち方のテクニックやスピードも関係してくるそう。
こちらの2人は国内でも実力派の男子ペア。
それぞれラケットの持ち方が違いますが、こうすることで得点に繋がるのだそう。
アタック(写真左の選手)が打つことで3点、
ディフェンス(写真右の選手)が受けて1点獲得でき、
さらに5分間の中でうまくペアの役割交代するのが作戦の一つでもあります。
それにしてもラリーのスピードがかなり早いのに
メトロノームのようにテンポよく続いていて圧巻!
カン! カン!と心地よい音が浜辺に響きます。
ブラジルでは時速60kmほどの速さを生み出さないと点数にならないのだとか!
ラケットの持ち方にもルールに関わる部分があり、
そのスイッチの美しさやスムーズさも評価されます。
また、本場ブラジルでは水着が正装という「フレスコボール」。
ファッション性で評価されることもあると聞いてびっくり!

「瀬戸内フレスコボールクラブ」では大会で活躍するペアの皆さんも!
こちらは屈強な男子ペア 織田さん、宮脇さん。
アタックとディフェンスの割合をうまく切り替えながら、大会でも上位を目指しています。
(写真左:織田さん)
「職場の人に誘われてフレスコボールを始めて、もう2年になります。
簡単そうに見えるけどそうじゃないし
コミュニケーションを取らないとうまくいかない。
そんな難しさがありますね。
相方の宮脇さんはビーチテニスもされてる凄い方で、
ずっとペアを組みたくてお願いしてフラれ続けた結果、やっとペアになれました!
1年が経ちましたが、ディフェンスやアタックの時間配分を考えて大会で勝ちたいですね。」
(写真右:宮脇さん)
「フレスコボールを始めて3年、普段はビーチテニスもやっているんですが、
相手のいるところに打たないテニスとの違いを感じています。
フレスコボールは相手に感謝しながら、お互いに思いやるスポーツですね。」
こちらは毎週練習に来ているという女子メンバーの北谷さんと曽我部さん。
曽我部さんは過去に出場した大会で、
上の写真の宮脇さんとの男女ペアでのファッション賞を獲得したこともあるのだとか!
(写真右:北谷さん)
「友人の紹介でフレスコボールを始めました。
もともとテニスをやっていたので、ラケットを使うならとやってみましたが、
ボールとの距離感や相手に打ちやすいボールを入れるのがテニスと違って難しいと思います。」
(写真左:曽我部さん)
「実は運動音痴で、何もスポーツをやっていなかったのにフレスコボールをやり始めました。
年5回ある全国大会でいいスコアを出せるように練習を頑張っています!」
四国にフレスコボールのクラブを立ち上げるきっかけを作られた
「四国フレスコボール協会」会長の藤田さんにもお話をお聞きしました。
(「四国フレスコボール協会」会長 藤田さん)
「仕事を通じて知り合った『一般社団法人フレスコボール協会』の方がラケットを送ってくださったんです。
やってみたらとても面白くて。
4県それぞれに海がある四国をフレスコボールの拠点にしたいと思い始めたんです。
まずは香川と高知にクラブを立ち上げましたが、津田の松原での練習は景色が良くていいですね。
松や小さな島が見える中で、練習後は泳いだり遊んだりしてほのぼのとやっています。」
大会選手もいらっしゃれば、練習に来たものの釣りに没頭するメンバーも。
密かにビーチじゃなくてもできるスポーツだと思ったのですが、
休憩時に海を見てくつろぐクラブの皆さんを見ていると
砂浜でやる意味を感じます。
平日の家事・仕事を乗り越え、週末は浜でフレスコボールを。
体を動かし海に癒される、これぞ「フレスコ」!

ビーチで楽しそうにやっている皆さんをみていると
やはりやりたくなるもの!
「瀬戸内フレスコボールクラブ」さんでは
練習と同時に初めての方むけの体験も開催しているとのこと!!
私も少し体験させてもらいましたが、
最初はラケットとボールの距離感にジタバタ。
砂浜に足を取られて動きは鈍くなるし、これは大変!と思ったのですが
クラブの方が打ちやすいところに返してくれるので、
さほど動く必要もなくラリーが続いて楽しくなっていきます!
そのかわり打ちやすいところに返してあげないと、
相手が動くハメになるので頑張ろう!と思ったり(笑)。
中には過去にテニス経験のある「ことでんグループ」の真鍋社長も!
「テニスの経験があっても、結構キツイ!」
と息が上がっておりました(笑)。
ラケットスポーツ未経験の小学生たちも最初は感覚を掴むのに一生懸命でしたが
気づくとラリーが10回続くようになっていました!
相手のことを思えば思うほど上手くなる。
こんなスポーツがこれまでにあったかな?と改めて思ったほどです。
(「四国フレスコボール協会」会長 藤田さん)
「フレスコボールは男女・世代混じって楽しめるし、
スポーツが苦手な人も車椅子の人もできる生涯スポーツだと世界で言われています。
そして7m相手と離れてプレイすることで、
ウィズコロナ時代のニュースポーツとも言われています。
SNSや友人を通じてやってみたいと体験に来てくれる人も増えていますし、
ぜひ四国で一緒にフレスコボールで人生を楽しみましょう!」
小さいお子さんでもスポーツが苦手な大人でも、
ラケットとボールと相手がいればいつでも始められる「フレスコボール」。
興味が出てきた方は、まず津田の松原海水浴場などでの体験に参加してみてくださいね!

そして四国でフレスコボールを盛り上げていくための大きな公式戦も夏に決定!
「フレスコボールアリアケカップ2021」
開催日時/2021年7月31日(土)、8月1日(日)
会場/香川県観音寺市有明浜
大会コンセプトは「おもいやり×おもてなし」。
お遍路文化根付く四国の「おもてなし」とフレスコボールの「おもいやり」がコラボする夢のイベント。
これから開催に向けてクラウドファンディングもスタートしますのでお見逃しなく!
瀬戸内フレスコボールクラブ
活動日/
毎週土曜10:00〜13:00 津田の松原海水浴場
毎週日曜10:00〜13:00有明浜
お問い合わせ、最新情報/公式サイトへ
公式Twitter → https://twitter.com/setouchi_sfc
公式Instagram → https://www.instagram.com/setouchi_sfc/