徳島文理大学文学部の学生たちが自ら企画し制作した
平賀源内記念館用「子ども向け展示解説シート」が完成!
現在「平賀源内記念館」で配付中です!
エレキテルだけじゃなく多種多様な才能を持つ平賀源内をわかりやすく解説した上、
子どもたちも楽しんで学習できる工夫がなされています。
そして大人が読んでも楽しい〜!!
学生ならではの視点が取材してわかりました!
さぬき市志度、天野峠西側にある徳島文理大学の香川キャンパスにやってきました。
志度の街並みを見下ろす高台にある気持ちのいい場所。
秋の学園祭「杏樹祭」や冬のクリスマスイルミネーション時には一般の方にも解放されていて
地元の方にもおなじみの場所となっています。
徳島文理大学は徳島と香川の2つのキャンパスがありますが
香川には香川薬学部、理工学部、保健福祉学部、文学部があります。
文学部では1984年から「学芸員資格取得過程」を設けていて、多くの学生さんが毎年資格を取得。
過程内の必修科目「博物館実習T」では学芸員の仕事を学ぶために博物館に実習に出かけています。
実習では3年前から自分の作ったものが世に出る時の達成感を感じて欲しいと展示解説シートの作成を導入。
昨年度は地元さぬき市志度にある「平賀源内記念館」での実習を行ったところ
学生が子ども向けに作った「平賀源内展示解説シート」が良くできていると評価され
今年5月に「平賀源内記念館」に贈呈、
来館者に配布されることとなりました。
出来上がったのはA4サイズ・フルカラー表裏の1枚ものの学習シート。
現在6種類が用意されていて、来館したお子さんに配布されています。
平賀源内といえば「土用の丑の日」のキャッチフレーズを作った人や
エレキテルを復元した人といったイメージが強いですが
それ以外の絵画・焼き物・図鑑などの分野でも活躍したことが学べる内容になっています。
絵が多いのと文字が大きく文章が短いのでとても読みやすく、
表裏で学習が完結しているのも飽きずに楽しめそう。
しかもクイズ形式や記述形式になっているのでワクワク!
これは大人も使ってみたい!
平賀源内記念館の学芸員瀬来さんからは
「小中学校の実習でも使えて楽しめるシートなのが良い」と喜んでもらえたそう。
(写真真ん中:徳島文理大学文学部長の濱田教授)
博物館実習で展示解説シートを学生たちの課題にされた
徳島文理大学文学部長の濱田教授もとても良いものができたと嬉しそう。
(徳島文理大学文学部長 濱田教授)
「かつて私も学芸員をやっていましたが、子ども向けの解説が一番難しいんです。
だけど学生たちが作ったシートには子どもたちが飽きないように気持ちを持ってくる工夫がなされています。
表裏の2ページだけという限られたスペースですが、
博物館のどの資料をみたら世界が広がるかがわかるワークシートになっています。
これを見て地元のことをますます好きになってくれるかが大事なところですね。」
展示解説シートを作った学生たちにポイントを聞いてみました!
昨年10月にスタートした「平賀源内記念館」子ども向け展示解説シート作成の課題。
12月に一旦完成したものを「平賀源内記念館」学芸員の瀬来さんに見てもらい
文字の大きさや文章の長さ、レイアウトのアドバイスを取り入れてやっとのことで完成したそう。
そんな展示解説シートに込めた思いを学生たちに聞いてみました!
(写真:徳島文理大学文学部4年 住田菜緒さん)
住田菜緒さんは古文書や資料学を勉強している文学部4年生。
香川出身ですが、この実習で初めて「平賀源内記念館」に訪れ、
それまで平賀源内が香川の出身だと知らなかったのだとか。
(徳島文理大学文学部4年 住田菜緒さん)
「平賀源内はエレキテルで有名ですが図鑑を書いたり文も書いて多才な人だと思いましたが
まさか記念館で絵画に出会うとはとびっくりしました。
私自身、中学の頃から絵を描くのが好きで絵の勉強をしてきたこともあり、
親近感が湧いたので、源内の絵を描く才能に注目しました。
展示解説シートでは3つの絵画を取り上げました。
1つ目は源内の絵の先生が描いた絵、
2つ目は源内が描いた絵、
3つ目は源内が教えた生徒が書いた絵で
3つの絵が1本の筋でつながっています。
(徳島文理大学文学部4年 住田菜緒さん)
「ただ絵を綺麗だなと眺めるだけじゃなくて、
どんな背景があってこの絵が描かれたかを知ってもらえたらと思います。
そのために、源内は自分で描くだけじゃなく
外国の人から学んだ技術を他の人に共有したのだとわかる作品を紹介しています。」
大原知敏さんは高知県出身、歴史ある街並みや社寺の建築を勉強している文学部4年生。
「平賀源内記念館」で源内が作り上げた本格的な魚類図鑑「衆鱗図(しゅうりんず)」に出会い、
その中の鯛を描いてもらう展示解説シートを作成されました。
(徳島文理大学文学部4年 大原知敏さん)
「もともと図鑑が好きで、源内の『衆鱗図』を見たときに
自分で描いてみたいなと思ったのがこの鯛でした。
子どもたちにも実際に描いてもらうことでエラやヒレの枚数などの
細かい部分を知ってもらえるなと思いました。」
「ガラス越しに見る資料と違ってどれだけ近づいてもいいのが展示解説シートのいいところです。
博物館に行くのが苦手な子もいると聞いて
そんな子にも楽しい場所だと思えるきっかけになれば嬉しいです。」
彼らの話を聞き、自分が面白いと感じたことを盛り込んで作られた展示解説シートだからこそ
細かい視点が生きた仕上がりになっているのだなと実感。
このように学生たちが作った展示解説シートを導入してくれる例はなかなかないとのことで、
これをきっかけに他の博物館からもリクエストが増えるようになると嬉しいと濱田教授もおっしゃっていました。
徳島文理大学文学部の学生が作った展示解説シートは
現在「平賀源内記念館」を訪れる子どもたちに配付中!
実際に手に持ちつつ記念館の見学を楽しんでみてくださいね。
夏休みの自由研究にもオススメですよ〜!
徳島文理大学
お問い合わせ先/087-899-7100(文学部・代表)