学生ライターのあやです^^
知る前と後では感じ方が違う!
年に1度の志度寺の「御本尊御開帳」に行ってきました!
国の重要文化財である御本尊に初対面。
志度寺の歴史などにも触れる機会になりました。
見どころ満載の「志度寺」をご紹介します。
JR志度駅から徒歩約10分の場所にある、四国霊場八十八箇所八十六番札所「志度寺」。
正式名称は「補陀洛山 清浄光院 志度寺」です。
さぬき市には、四国八十八ヶ所霊場の上がり3ヶ寺があり、
その1つである志度寺では、年に1度の「御開帳」が毎年7月16日、17日にあります。
普段は目ることができない国指定の文化財が、たくさん見られる貴重な機会なんです!
まず志度寺に到着すると早速、国指定の重要文化財である立派な「仁王門」がお出迎え。
運慶の力作である仁王像と巨大わらじは初っ端なからその迫力に圧倒されました。
仁王門にて合掌し、一礼します。
門をくぐると少し雰囲気が厳かで、背筋はピシッとなります。
通常ですと、手水舎で心身を清めますが、現在は改修中のため省力。
感染症対策もあり、今回は省きます。
次に「奪衣婆堂」に参ります。
奪衣婆は、あの世で初めて出会う仏様だそうです。
三途の川のほとりで、亡者の衣服を剝ぎ取り、衣領樹(えりょうじゅ)にかけて、生前の罪の重さを測るとされています。
奪衣婆堂がある寺は、全国的にも珍しいようです。
御開帳でも、現在はお堂の中に入ることはできないのですが、タイミング良く中に入らせて頂くことができました。
女性の仏様ということもあり、なんだか導かれているような気持ちになりました。
一見厳しい雰囲気をまとっているように感じましたが、拝み終えてしばらくお顔を眺めると、
自分自身が清くなったからなのか、少し柔らかい印象に変わったように思えました。
そして、「本堂」に向かいます。
御本尊である「十一面観音立像」を拝むことができます。
頭上に十一面の仏面を頂き、衆生を十一の苦しみから救い出す仏果を得させる功徳を表しているとされています。
年に一度の貴重さを噛み締めながら拝みました。
苦しみから救い出すというだけあり、心が安らかな気持ちになりました。
他の参拝客の方も、そのありがたみをひしひしと感じている様子でした。
両脇には「不動明王像」(左)と「毘沙門天像」(右)が祀られています。
他にも「弁財天像」「愛染明王像」「歓喜天像」「普門示現三十三尊」があり、
本堂入ってすぐ左手には、「凡園子像」があります。
この「凡園子」は、志度寺縁起によると御本尊「十一面観音」を安置したとされる志度寺の開基の尼とされています。
また、意地悪な老婆が着けた鬼面とされる「肉付面」や、天井画である龍や天女も見どころの1つです。
その後「大師堂」でお参りし、「閻魔堂」へ向います。
私が今回訪れた中で一番オススメしたいと思ったのが、ここ「閻魔堂」です!
閻魔大王というと、みなさんどんなイメージを持っているでしょうか。
私は、地獄へ導く怖い神様という恐ろしさがあり、拝む前から少しびくびくしていました。
しかし、志度寺の閻魔大王は、イメージしていたよりも少し優しい顔つきだと感じました。
観音様の化身であるので、慈悲の心がお顔にもあらわれているのもしれません。
御本尊は「十一面閻魔大王」ということで、頭上には11の仏様が乗っています。
日本では、おそらくここだけで珍しいお姿なんだとか。
ここで気になったのが「十一」という数字。
実は意味があり、11の方角から閻魔大王が「人生の良い時も悪い時も全て見ている」のです。
そのため、頭上の11の仏様もそれぞれ顔つきが違います。
前の3面→「菩薩面」で慈悲の表情
右の3面→「白牙上出面」で歯を見せてほほ笑む(頑張る衆生への励まし)
左の3面→「憤怒面」で怒りの表情
後の1面→「暴悪大笑」の相で大爆笑している(悪行を笑い飛ばして善行に導くともいわれる)
また、真ん中に立っている仏様は、閻魔大王の真の姿だとされています。
そして、頭上の仏様は阿弥陀様だと考えられ、全てを知り、悟りを開いているお顔をされています。
「仏頂面」という言葉はここからきていると考えられています。
このように1つ1つに意味があることを知ると、ただ怖い印象でしかなかった閻魔大王のイメージも変わるのではないでしょうか。
閻魔大王は、私たちの良いところも悪いところも全てを見ているので、そのことを日常生活で意識するのとしないのでは、
心持ちも違ってくるように感じます。
心が変われば、行動も変わり、より良く生きていくための糧になります。
この期間限定の御朱印で、先着200枚限定。
参拝後に納経所で500円で購入することができました。
志度寺のあれこれ
志度寺の参拝順路にも意味があります。
西にある仁王門から、奪衣婆堂、本堂、大師堂、閻魔堂と時計回りに参拝します。
「奪衣婆堂」は、あの世とこの世の境界であり、現在の地位や名誉、自分自身の汚い心を清める場であります。
清い心で本堂や大師堂を参拝し、最後に閻魔堂でお参りし、現世に帰るという意味があるのです。
また、現在は「志度寺」という表記ですが、昔は「死渡寺」とも呼ばれており、極楽浄土へと続く、
あの世とこの世の境目として考えられていた背景があります。
このような志度寺の歴史や、名前の由来、数字の意味などを知ることによって、
イメージや意識が変化し、より私自身の中に溶け込んだように感じます。
本堂の御開帳は年に一度、7月16日、17日だけですが、閻魔堂は毎月17日にも御開帳されています。
実はこのような形で八十八ヶ所の霊場を訪れるのは初めてでした。
ずっと四国で育ったにも関わらず、知識がほぼない状態で1つ1つが新鮮でした。
職員さんから、志度寺の歴史や御本尊についてのお話を伺う中で、初めて知ることがたくさんありました。
知る前と後では、見方や考え方が全く異なるという感覚がしっくりきます。
1人で参拝に来るだけでは知りえなかっただろうと思います。
慌ただしく過ぎていく日常から少し離れて、自分を見つめなおし、心をリセットする時間として訪れてみてはいかがでしょうか。
志度寺
香川県さぬき市志度1102【地図】
お問い合わせ先/志度寺(TEL:087-894-0086)