夏休み恒例、竹の達人たちによる『竹細工作品展示会』が
さぬき市寒川町にある「21世紀館さんがわ」で始まっています。
コロナ禍で集まって活動しづらい中でも手を抜くことなく
仲間たちと情報交換しながら作り上げてきた竹細工280点がずらり。
竹がこんなに表情豊かだなんてと、毎年訪れても新しい発見がある作品展。
今年の見どころをご紹介します。
さぬき市寒川町、さぬき市民病院東側にある「21世紀館さんがわ」にやってきました。
通年、さぬき市内外の芸術・文化系の作品展が行われている場所ですが
8月1日(日)までは『竹細工作品展示会』が行われています。
毎年夏休みの恒例となっているこの作品展。
長尾で活動している竹の達人グループ「バンジョイ塾」さんが
1年通して制作してきた作品の発表の場として設けているもの。
また「バンジョイ塾」では竹細工初心者のための『竹の学校』を毎年開校していますが
今期の卒業生の作品も展示されています。
昨年に引き続き、コロナ禍で1ヶ月おやすみすることもあったという「バンジョイ塾」。
しばらく活動を自粛しているメンバーもいらっしゃるそうで
今年は50名の方が280点の作品を展示。
それでも竹細工がこれだけ一度に集まることはなかなかありません。
早速会場に入ってみましょう!
今年はエントランスで七夕を思い出す短冊を吊るした黒竹がお出迎え。
いつもこの場所には会員全員で作り上げる大物が鎮座していますが
今年は感染対策で一緒に制作することができず
せめて訪れた方に参加できるものをと、この形が出来上がりました。
短冊1つ1つに来場者の方のお願いが書かれています。
この短冊も竹で作られています!
お土産にと竹の栞もいただきましたが、この厚みをご覧ください!
竹ってこんなに薄くスライスできるの?と驚きました。
栞や短冊になっている薄い竹の板。
これこそ竹細工の基本で、ここから竹とんぼも昆虫の羽も作れるのだそう!
「バンジョイ塾」では300種以上もある竹の種類の中から
マダケ、モウソウチク、ゴサンチクなどの5種類ほどを冬に山から切り取り、
乾燥、水洗い、油抜きをしっかり行ってからこのような形に加工していきます。
竹の根など乾きにくい素材もあり、全ての工程に知識・技術が必要なのだとお話を聞いているとよくわかります。
実は短冊を吊るす黒竹の枝にもひと仕事が。
自然に見えるこの枝ぶりも、火で炙って味のある角度を作りあげているんです。
話している側から手持ちのライターでささっと炙ってあっという間に曲げてしまいました。
達人…凄い!!!
会場の作品にも力作が揃っています。
真ん中のコーナーには今年度の「竹の学校」に通い、鍛錬を重ねたみなさんの作品。
半年間でここまで細かいものが作れるようになるんですね!
変わってこちらは大作!
阿波踊りの演舞の様子を竹で表現しています。
ぜひ会場で一人一人の細かい表情を見てみてください。
「バンジョイ塾」代表の戸田さんの作品は小さな竹のパーツを体中の羽に模して作られた鷹。
色合いの違う竹を合わせることで、生きている鳥のような羽の色になっています。
細い竹紐を作ることから始まる竹籠。
会員さんの中でも籠作りの達人がいらっしゃるそう。
虎たちの集まる森。
みんなこちらをみていて思わずほっこり。
こちらは黒竹。
最近では昔のように真っ黒い黒竹が少ないそうで、まだらの模様のものばかりなのだそう。
手前の花籠は実は茄子の形になっていますよ〜!
黒い作品には古民家の天井に使われていた煤竹(すすだけ)を使っています。
いい味わいが出るので「バンジョイ塾」でも人気の素材です。
糸鋸を使うとこんな柔らかい切り口を生み出すことも。
この方は十二支を揃えられていましたが、干支を1つ作ると他の干支も作りたくなり、
他の方からも作って欲しいとリクエストをもらい、
どんどん干支の仲間たちが増えていくのだそう。
竹の根を使って作る伊勢海老は圧巻!
根っこは5〜6本ほど乾かしても無事に仕上がるのは1本できるかどうか。
材料を整えるところから竹細工作りが始まっています。
竹の節を切って貼り合わせた胴体にも注目です!
「どんな作品が作りたいか、イメージがある上で素材を選ぶといい作品になる」と「バンジョイ塾」代表の戸田さん。
この作品などはまさにイメージが出来上がっているからこその名品。
うまく細い素材を生かしてフォルムを作り上げています。
まさか竹で恐竜の骨標本が作れるとは!!
みなさんの想像力に圧倒されます。
と思えばこんな作品も。(先ほどの恐竜を作られた方が作りました)
完璧なうるめ煮干しに仕上げるためにスーパーで実際にパックを買ってきて作品に使用している徹底ぶりが最高です!
隅から隅まで、じっくり眺めれば眺めるほど驚きが増えていく「竹細工作品展」。
毎年人気の竹細工体験コーナーは今年も中止となりましたが
会場には竹細工ファンの方が次々と訪れていました。
(「バンジョイ塾」代表 戸田さん)
「今はコロナ禍で自粛しながら月に2〜3回集まっていますが、
みんな自分が作った作品を見せあったり
作り方や素材の情報交換をとても楽しんでいます。
来年こそ『長尾ショウブ祭り』や夏の作品展でたくさんの人に竹細工を体験してもらいたいですね。」
達人たちの作る竹細工はどれもあたたかく、
ちょっとしたものづくりにも夢中になっていた子どもの頃を思い出します。
遊び心満載の「竹細工作品展」で、忘れていたワクワクを取り戻してみませんか?
第18回竹細工作品展示会
開催日時/2021年7月27日(火)〜8月1日(日)9:00〜17:00(月曜休館、初日は13:00〜、最終日は16:00まで)
会場/21世紀館さんがわ(さぬき市寒川町 さぬき市民病院東)【地図】
入場料/無料 ※今回は体験教室は中止
お問合せ先/0879-43-0780(21世紀館さんがわ)
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