東京2020オリンピックの感動冷めやらぬ中、8月24日からは東京2020パラリンピックが開幕します。
香川県内でも8月12日から聖火のもととなる火を採る「採火式」が行われており、
8月13日にはさぬき市多和の四国霊場八十八番札所「大窪寺」で採火式が行われました。
採火のもととなるのは大師堂の横にある「原爆の火」。
絶えず燃え続けるこの火がこの場所にある意味とパラリンピックの火となった理由を、採火式の様子とともにご紹介します。
東京2020オリンピックの感動冷めやらぬ中、8月24日からは東京2020パラリンピックが開幕。
それにあわせて8月12日〜24日まで全国で東京パラリンピック聖火リレーが執り行われています。
パラリンピックの聖火はオリンピックのものとは違い、
イギリスのストーク・マンデビルと開催国内各所で採火される炎から生み出されるもの。
香川県では8月12日〜16日に県内10市町で採火を行っていますが
まいぎり式火起こし器で火を採ったり
太陽光をレンズで集光して火を起こすなど
様々な方法が見られるのも特徴のひとつ。
さぬき市では多和にある四国霊場八十八番札所「大窪寺」にある「原爆の火」から聖火用の火が採取されるとお聞きし、実際に見てきました。
8月13日。
梅雨の再来のような大雨の中、「大窪寺」の大師堂前には採火式用の会場が整っていました。
その右隣にあるのが「原爆の火」。
これはヒロシマに落とされた原爆の残り火を福岡県の山本さんという方が故郷に持ち帰って大切に灯し続けてきたもの。
叔父の形見として持ち帰ったという祈りの炎をぜひ四国霊場にもと、
1988年10月に大窪寺に運ばれ、その日以来1日も消えることなく燃え続けています。
また毎年8月6日と8月9日にはご住職によるお祈りも行われています。
実は「原爆の火」とパラリンピック聖火には思わぬ共通点が。
パラリンピックは1948年に第2時世界大戦後で
脊椎を損傷した兵士たちのために開かれたスポーツ大会がきっかけになってできたもの。
オリンピック以上に戦争や平和との結びつきが強いと考えられ
2000年代のさぬき市において最もその想いに近い「原爆の火」で採火式を行うことが決まりました。
採火前には「大窪寺」の槙野ご住職から採火への想いが語られました。
(「大窪寺」槙野恵純ご住職)
「この場所から採火されること自体初めてです。
元来悲しみから始まったこの火を、人間の可能性を信じる希望の火として昇華できることを嬉しく思っています。
様々な条件の方が平等に競う大会は平和でなければできないこと。
日本での開催ということもあり、日本のパラリンピアンが素晴らしい成績を残し、
人間の可能性を大きく発揮してくださることを願っています。」
採火式では「原爆の火」から槙野ご住職によって火の採取が行われました。
さらにその火をさぬき市大山市長、さぬき市松原市議会長の持つ蝋燭へ渡し、
障害者代表として来られていた岡村隆次さんが持つランタンに移されます。
岡村隆次さんはさぬき市身体障害者団体連合会会長であり、香川県身体障害者団体の会長でもあります。
ご自身も足に障害を持ちながらも、フライングディスクの県大会に出場するなど
スポーツ面でもご活躍されているとあって
東京2020パラリンピックへ向けて想いもひとしお。
(さぬき市身体障害者団体連合会会長 岡村隆次さん)
「障害者の代表として、地元・大窪寺の重要な場所で採火式を執り行うことができ、障害者としても非常に嬉しいですね。
また、障害者への理解が徐々に進んできたことを実感しています。
パラリンピックを通じて裾野がもっと広がり、地域でも一般の人と障害者が同じ立場でスポーツを楽しめるような環境が広がれば嬉しいですね。」
おおきく燃え揺れるさぬき市の採火。
始まりの火となって旅立つこともあり、希望に満ちているようにも見えます。
この火は8月14日に高松市サンポート高松で県内各所の火とともに集火。
8月16日には香川県庁を出立して、東京へと送り出されます。
8月24日に灯される東京2020パラリンピックの聖火は戦う選手たちの糧。
我が町の想いも一緒になった炎とともに、開幕する東京2020パラリンピックを応援してみませんか?
東京2020パラリンピック