2021年12月03日

寒川生まれの篆刻の達人「細川林谷」作品展で「印」の奥深さを楽しもう@寒川

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「江戸で一、二を争う篆刻家」と言われた寒川町出身の細川林谷という人物をご存知ですか?

水墨画を描き、書の才能も持ち合わせた多才な方ですが、その書に押される印がなによりも評判だったのだとか。

そんな細川林谷の作品が現在開催中の

「細川林谷作品展」で楽しめます。

江戸時代に日本を渡り歩いた際に描いた水墨画はもちろん、長文も美しく「篆刻」の中に組み込んでしまう才能を見ることができます。

今後さぬき市では細川林谷の功績をたたえた文化芸術施設も着工予定ですので、その前に林谷の作り上げた世界を覗いてみませんか?



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さぬき市寒川町にある「さぬき市寒川図書館」(さぬき市民病院・飛翔の館隣)にやってきました。

入り口前に立つこの石碑。

さぬき市寒川町出身、江戸時代後期に活躍した篆刻(てんこく)家の細川林谷を顕彰して建てられたものです。


細川林谷は安永9年に寒川町に生まれ。

幼い頃から同じ讃岐の篆刻家 阿部良山に入門して篆刻を学びました。

さらに書を後藤漆谷から、絵を長町竹石より学び、江戸時代後期の学問が活発になってきた頃には遊学のため長崎へ。

そこから林谷の日本行脚の旅がはじまります。

京都、信越、東北、広島、奈良とさまざまな場所へと赴き、最終的には江戸で留まり篆刻家として人気を博しました。


林谷の「篆刻」の魅力とは

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林谷が手がけていた「篆刻」とは書をやっている人が石や木に自ら文字を彫って制作する印のこと。

文人芸術の中心であった書や水墨画に押す印として使われ、名前以外にも長い言葉が彫られることも。

それは書で全てを書ききらずに、あえて篆刻で抑えるというのが当時の文人たちの風情でもあったから。

「篆刻」には基本の書体がありますが、細川林谷の「篆刻」は限られたスペースの中でどう文字を見せるか?という才能に優れており当時の江戸では相当な評判だったそう。

「この篆刻の中に何の文章が書かれているのか?」

掛け軸の印を眺めながら、読み解く趣があったようです。



細川林谷の作品を見てみよう!

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そんな細川林谷の作品展が現在さぬき市寒川町の「21世紀館さんがわ」にて開催されています。

印を印としか見ていなかった私にとって、非常に未知の世界ですが…

これはかなり奥深そう!と、早速「細川林谷作品展」に行ってきました!


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ずらっと並ぶ掛け軸〜〜〜!

かなり圧巻です。

「21世紀館さんがわ」の方も、こんなに掛け軸が並ぶ作品展は初めてです、とおっしゃっていました。

お茶やお花のお稽古に来たような…背筋がピンと伸びる空間。


さて、今回の作品展では林谷が制作してきた作品29点が展示されています。

そして林谷の師匠とも言える書と絵の達人の作品も見ることができますよ。

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入って左側のミニスペースにて、林谷の書の先生 後藤漆谷の作品。

高松市出身 江戸時代中期〜後期の詩人で、端麗で格調高く品格がある書として評価されています。

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こちらは林谷の絵の師匠 長町竹石の作品。

高松城下南新町の生まれで、讃岐南画の祖と言われています。

讃岐の文雅はこのお二人が存在したからとも伝えられています。


そんなお二人のもとで学んだ細川林谷の作品も覗いてみましょう♪


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作品にはこのように解説が1つずつ添えられていますので、パッと見て読めなくても大丈夫です♪

古文の時間を思い出しながら1つずつ見ていくと、とても身近な内容が多く、短編集を読んでいるような気分になります。


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水墨画も素晴らしいんですよ、と林谷に詳しい高松市歴史資料館の学芸員さんが教えてくださいました。

こちらは竹を描いた作品ですが、墨一色でこれだけ表現できるんだと感動。


また、今回の作品展には「旅する文人」という枕詞がついており、林谷が日本中を歩いて旅したときの風景が描かれた作品が並んでいます。

水墨画は林谷の目線そのもの。

どんな気持ちで歩いていたのかが、書に書き綴られています。


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書の最後には「篆刻」が。

上の写真を見ると「林谷」の文字がよくわかりますが、「谷」もそんな形に彫っちゃう??とびっくり。

篆刻ならではの書体は本当に独特ですが、林谷の作品には彼ならではのデザインが盛り込まれています。

通常の「林谷」の篆書と見比べてみると面白そう。



そんな林谷の「篆刻」ワールドが楽しめる作品もありました!

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じゃ〜ん!

イッツ・ア・林谷ワールド〜〜!!

ハンコばかりがポンポンと並ぶこの作品。

楕円や四角、不規則な形と様々ですが、この中に全ての言葉を納めてしまえるのが林谷のセンスと言われています。

ところで1つ1つの印の中にどんな文字が書かれているか、わかりますか?


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正解はこちら!

中には訳文が20文字以上の文章もあり、

え!そんな長い文章入ってるの?この印1つの中に?

と2度見してしまうものもたくさん!


実は「篆刻」の面白さと楽しみ方がここにあります。

2つ3つと「篆刻」を並べて押し、その印に含まれる文章をつなぐのも遊びとして楽しんでいたのではないかと言われています。


当時の文人たちの趣向は素晴らしく奥深いです。


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さて、たくさんある「篆刻」の中から面白いものを見つけました。

こちらの水墨画も素敵ですが…

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書の最後に押されているこの「篆刻」。

文字と絵が描かれているのです!

これは一体…??

「篆刻」が漢字のものだと思っていただけに、意外な作品に出会えて驚きました。

この作品については現在も調査中とのこと。

どんな意味を込めて林谷が作ったのか知りたいと思った次第です。


細川林谷をきっかけに「篆刻」の世界を覗いてみましたが…

非常に奥深く、謎解きのような楽しみがある世界でワクワク。

それを「芸術」として楽しんでいたかつての文人たちはとても優雅で豊かだったのだなと感じました。


また江戸の文人たちを沸かせた達人がさぬき市の人であることに改めて嬉しく思うのでした。

地元出身の素晴らしい芸術家である林谷の世界を楽しみに、あなたも足を運んでみてはいかがでしょうか?

細川林谷の作品展はこの週末、12月5日(日)までの開催です。



旅する文人 細川林谷作品展
開催期間/2021年11月30日(火)〜12月5日(日)
開館時間/9:00〜17:00(入館は16:40まで/最終日は16:00終了)
会場/21世紀館さんがわ(さぬき市寒川町)
入場料/無料
お問い合わせ先/0879-43-0780







posted by sanuki-asobinin at 08:00| 香川 ☀| Comment(0) | 歴史・文化財 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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