さぬき市津田町鶴羽を中心に活動を行うミュージカル劇団「劇団プチミュージカル」。
今年度の作品はストリートピアノを題材にした「響け♪ 駅ピアノ」。
12月26日(日)高松市レクザムホールにて開演!
ピアノという楽器を中心に「音楽の力」をストレートに感じられる作品となっています。
見どころのひとつでもあるスタッフさん手作りの道具には今年グランドピアノが登場!
作品のテーマから大道具・小道具の隅々まで…取材してきました!
「劇団プチミュージカル」の活動拠点、さぬき市津田町の旧鶴羽小学校体育館にやってきました。
小学校のミュージカルクラブを発端に活動が始まり、劇団という形になって今年で活動31年。
役者さんは小学生から90歳までと幅広く、親子で参加しているという方も多いのが特徴です。
「劇団プチミュージカル」では毎年上演作品を変えながら、高松市・三木町で年に2回のみ公演を行っています。
今年度も昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染対策はバッチリ。
新作の稽古が続いていますが…
いよいよこの週末、今年度の公演が行われます!!
今年度の作品は『響け♪ 駅ピアノ』。
テーマは「音楽の力」です。
これは劇団プチミュージカル自体のテーマでもあり、今年は「音楽」ド直球勝負の作品!!
(劇団プチミュージカル 作・音楽担当 白川恵介さん)
「コロナ禍で人の心がどんどん沈んでしまっています。
そういう人が「音楽」で元気になっていくのがこれからの時代。
悲しい時に元気付けてくれたり、喜びを何倍にもしてくれたり。
それが音楽です。
この作品を書いたきっかけは、13年前に読んだ佐藤源治さんの「僕は唱歌が下手でした」という詩。
音楽は才能や上手い下手で評価されますが、実は技術ではなく「心の問題」だと感じたんです。
その人が人生の中にある音楽とどう関わるかによって生き方が変わっていく。
そんな物語を今回描いてみました。」
また、タイトルにある「駅ピアノ」はストリートピアノのこと。
駅に設置されたストリートピアノを中心に、登場人物たちが音楽に関わることでどう成長していくのかが展開されます。
なので、舞台はとある田舎町の駅。
その駅近くには温泉があり、閉校寸前の学校が。
山村留学としてやってくる子どもたちや、温泉にやってくる右手の動かなくなったピアニスト。
それぞれの人物がいろんな形で音楽に関わっていきます。
脚本と音楽を担当する白川さんご自身も今回は病気で右手が動かなくなったピアニストを演じます。
また、ピアノの演奏シーンが頻繁に出てくる今回の作品。
この日のために子どもたちもかなり練習したのだそう!
おなじみのダンスも歌もありますが今回はピアノの演奏も加わって、より音楽が溢れる作品になっています。
『響け♪ 駅ピアノ』の見どころは
劇中、ぜひ耳をすませていただきたいのが、ラストに流れるオリジナルのピアノ協奏曲。
ピアノ協奏曲とはピアノのソロとオーケストラによる楽曲のことで、演奏はもちろん譜面を起こすこともかなり大変な作業。
今回は音楽を担当される白川さんが4ヶ月かけて『響け♪ 駅ピアノ』のためのピアノ協奏曲を制作されました。
香川県で新しいピアノ協奏曲が作られること自体非常に珍しく、その楽曲を楽しめるのは貴重!
しかも作品中のさまざまなシーンがフラッシュバックするメロディになっているとのこと。
公演では協奏曲とともに、音楽と生きようとする登場人物たちの姿を思い浮かべて楽しみましょう。
今年の主役、6年生たちにインタビュー!
劇団プチミュージカルでは小学生もたくさん参加していますが、中でも6年生が主役を務めるのがおなじみ。
今年の6年生はこの3名!
それぞれに自分の役や好きなシーンをお聞きしてきました!
(写真左:山中大志さん)
「今までの公演に比べてセリフの量が桁違いに多くて驚いています。
また、生まれつき吃音をもつ子どもの役なので発音がとても難しいのですが、そこをしっかり頑張りたいと思います。
自信がない子だけど、ある事故をきっかけに勇気や希望を持ちはじめるところがやりがいがあります。」
(写真右:鎌倉里穂さん)
「小さいころにお母さんを亡くしてしまう女の子の役をやっています。
お母さんが弾いていた楽譜を探しているのですが、いろんな大人に出会うピアノ教室のシーンで登場します。」
(写真真ん中:川端優菜さん)
「何事も3日坊主な性格だけど、人のためなら頑張れる女の子の役です。
自分とは違うタイプなので、感情の切り替えがすごく難しいと思いながら練習しています。
右手の動かない作曲家に出会い、その人から『ふたりの手で一緒に音楽を作りましょう』と言われて決心するシーンが好きです。」
そのうち川端優菜さんは劇団に入って8年目。
6年生になって主役を演じることがわかっていたこの作品のために、3年生の頃からピアノを習い始めたのだそう。
当日の公演ではひとりソロでスタインウェイのピアノを演奏するシーンもあるとのことで、これは注目したいものです!
そんな優菜さんをハラハラと見守っているのが、プチミュージカルの看板女優であり、優菜さんのお母さんでもある川端陽子さん。
実は91年の公演で主役をされていたのが川端陽子さんで、ちょうど30年越しに娘が主役を務めることに。
(写真:2015年の川端陽子さんと優菜ちゃん)
(劇団プチミュージカル 劇団員 川端陽子さん)
「優菜とはプチミュージカルで8年一緒に役者をやってきたけれど、あっという間でした。
彼女は6年生になって主役ができるのをとても楽しみにしていました。
わたしも多くの方が大変な思いをして作品を作り上げてきたかをずっと見てきたので、ついつい口を挟んでしまいます。
舞台では先生の役。袖では母親に戻ってしまいますね。」
今年は川端さん親子にとっても思い出の晴れ舞台に。
客席から応援したい気持ちでいっぱいになります。
やっぱり見逃せない! 達人スタッフが作るプチミュージカルの道具たち
物語もダンスも音楽も見どころがいっぱいですが、やっぱり外せないのは大道具・小道具!
劇団プチミュージカルの道具たちは舞台の主役級の素晴らしさ。
今年の力作をご紹介しましょう!
何と言っても主役のグランドピアノ!
ストリートピアノとして劇中何度も登場します。
本番公演を行うホールにも実物のピアノがありますが、転換上出し入れが大変なので作ってしまったのだそう!
しかしこれが本物ではなくベニヤ板で出来ているなんて信じられない…
カーブの部分も板を湿らせて形作っています。
「撮影するなら中も入れますね〜」
と持ってきてくださった内側の部分。
客席からは見えないところなのにかなり細部まで作り込まれています!!
もちろん鍵盤も1つずつ動きます。
実際にあるピアノをモデルに設計図を制作し、ここまで作ってしまうプチミュージカルの道具スタッフさんたち、本当に感動しかありません!!
ペダルもちゃんと動きます〜♪(写真は塗装用のマスキングテープを貼り付けております)
言わなければみんな弾きにきてしまうほどの出来栄え。
舞台ではどんな風に輝くのか、注目を!
さらに今年は駅のシーンが登場しますので、駅も作っちゃいました〜〜!
って稽古場にホームができてるう〜!!
もちろん電車も手作り!
これまで車、戦闘機を作ってきたスタッフさん。
電車もお手の物です。
今回、駅と電車が現れるもう理由の一つとして「スイッチバック(鉄道が急勾配を上るために作られた仕組み)」への比喩があります。
高い目標も一気に進むのではなくジグザグに登ればたどり着く。
まさにスイッチバック!
ちなみに電車の行き先は「坪川」。
四国に2つしかないスイッチバック駅としてもおなじみの「坪尻」からきています。
こっそり乗車させてもらいました♪
座席のシートもウレタンとベロア生地で再現。
そしてこの表示。こ、こまかすぎるう〜〜〜!!!
車窓を開けるグリップは木のクリップをシルバーに塗装したもので代用。
本物に見える〜〜!
運転席もそのまま再現されていますが…
これ、何でできているかわかりますか?笑
ドアノブで作っちゃったそうです。
ほんとにアイデア満載!
客席からは見えないものかもしれませんが、実は細かいところにスタッフさんたちの舞台づくりへのこだわりが現れています。
ぜひ舞台上の道具たちにも着目してみてくださいね。
さあ、劇団プチミュージカルの今年度公演『響け♪ 駅ピアノ』はいよいよこの週末12月26日(日)!
来年2月には三木町文化交流プラザでの公演も決定しています。
純粋に音楽を楽しめるこの作品を観て、あなたのくらしの中でどんな音楽が流れ出すのか。
そんな変化も楽しみに足を運んでみてはいかがでしょうか?
劇団プチミュージカル
「響け♪ 駅ピアノ」
公演日時・場所/
2021年12月26日(日)15:30開場、16:30開演 レクザムホール(香川県高松市)
2022年2月27日(日)15:30開場、16:30開演 三木町文化交流プラザ
チケット料金(大人・こども同額)/前売り1800円・前売りペア3000円・当日券2000円
問い合わせ先/0879-42-3567(さぬき市津田町津田公園通り中川建材店内)
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