さぬき市津田町、JR「讃岐津田駅」から歩いて10分ほどの場所にあるゲストハウス「まち宿AETE」にやってきました。
地元出身、昨年大阪の大学を卒業したばかりの黒川慎一朗さんが、大学4年時に建築士のおじいさまとともに家をリフォームして作り上げた一棟貸しの宿。
瀬戸内観光の拠点としても使いやすく、関西方面の若者や家族連れにも人気となっています。
そんな「まち宿AETE」で昨年夏から『地域留学』と呼ばれる田舎ホームステイの受け入れが始まりました。
留学といえば海外のイメージが強いですが、こちらは日本の地方が舞台となるもの。
都心部から地方に1週間以上〜長期滞在することで、より深い地域の良さを知り、住む人との関わりを持つことで自分の中で新しい気づきを得られる体験として、希望する若者が増えています。
「まち宿AETE」でもそういったニーズに応えてさまざまな人を積極的に受け入れています。
(「まち宿AETE」黒川慎一朗さん)
「ゲストハウスだと短期滞在がメインですが、地域の暮らしをもっと体験できるように長期滞在プランとしての『地域留学』を作りました。
ターゲットのメインは都心部の大学生ですが、社会人や家族でもオッケーですし、目的もお試し移住・自然体験など人によって様々で良いと思っています。
このスタイルならオンラインで授業を受けたり仕事をしながら地域で暮らすという体験ができます。
地方に興味を持った場合、Uターンなどのもともと縁が有る土地ならば動きやすいのですが、全く初めての場所に飛び込んでいくのは大変。
少しでもこの地域に興味を持っている人が飛び込みやすいきっかけとして、受け入れを始めました。」
現在「AETE」では最短1週間〜期限なしで『地域留学』者を募集中。
ゲストハウスとは別に専用の宿泊部屋を2部屋用意しています。


こちらはテーブルにベッド付きの洋室。
窓からはのどかな津田の風景が。

こちらは和室。冬なのでコタツバージョンに。
南側なのでぽかぽか暖かい日差しが入ってきます。
Wi-Fi完備で、仕事も勉強もここでバッチリできます。

食事はついていないので専用キッチンでの自炊が必須。
なんとお米は黒川家が農家なので無料支給なのだとか!
この辺りからも田舎ならではの温かさがじわじわと感じられます。
田舎ホームステイのポータルサイトに掲載していることもあって、『地域留学』自体に興味のある人が自然と集まっていますが、こちらの特徴は季節にあわせて田植えや稲刈り、海遊び山遊びなどの自然体験ができること。
また、ホストである黒川さんがまちづくりの事業に関わっていることから、地域活性に興味のある方にとってのリアルな学習の場にもなっています。
留学希望者には来県後の温度差がないように事前に面接でやりたいことなどもヒアリング。
そして「まち宿AETE」には、昨年夏休みを活用して2人の大学生が、今年の冬にはさらに2名の大学生が『地域留学』を体験。
その後も留学希望の人が続いています。
地域留学で知る「地方の温かさ」と「本当の自分」。
ちょうどこの冬、地域留学に来ていた2人の大学生にお話をお聞きしました。
千葉県出身で早稲田大学2年の松本美鈴さん(写真左)は約1ヶ月の滞在。
京都出身で龍谷大学3年生の杉山和佳さん(写真右)は1週間の滞在。
お二人とも田舎ホームステイのポータルサイトでこちらを見つけてやってきたのだそう。
松本さんは大学2年の春休みが大学生活最後の大きなお休みだと思い、「この間になにかできることを」と考えた結果、1ヶ月間の『地域留学』で自分の性格を解き放ちたいと決定。
(早稲田大学2年 松本美鈴さん)
「家にいるといつも通りの決まったスケジュール通りに動いてしまう。
自分が変わるためにも日常をふり捨てて、全く知らない土地で自炊して、新しいものや人と関わりながら、自分の中の新しい価値観を見つけたいと思ったんです。」
しかし実際に津田町にやってくると、住んでいる千葉と比べて買い物の場所が少なかったり通販が届くのが遅かったり。
いろんなスーパーに行ってお買い物するのが大好きという松本さんにとっては、その不便さに驚いたそうですが…
(早稲田大学2年 松本美鈴さん)
「津田の商店街にあるお肉屋さんや商店があるのを見つけて。
ここは便利さとは違う、人の人情や人との関わりの価値がある場所なんだとわかったんです。
生活してみると不便だけど、不便に変わる心のふれあいがあるんだと思いました。」
また、『地域留学』しながら大学のゼミや仕事をこなすことに精一杯で、最初の1週間はホームシックになったという松本さん。
ここに来て「自分には休みが必要なんだ」と気づいたそう。
(早稲田大学2年 松本美鈴さん)
「残りの期間は自分のために時間を使って、1つ1つやることに意味を持たせたいです。
一人旅もしたことがないけど、この街なら安全だとわかったし、地域の人ともっとおしゃべりしてみたいです。」
杉山さんは海のない京都出身。
瀬戸内海が好きで、実際に見てみたい!と1週間だけの『地域留学』を決心。
また、まちづくりを仕事にするとはどういうことなのか?という疑問のヒントを見つけに来たそう。
実際に津田にやってくると、自分が住んでいる京都よりも街がコンパクトでとても便利!と感動したそう。
(龍谷大学3年 杉山和佳さん)
「とにかく街の人とめちゃくちゃ喋った1週間だったと思います。
初日から津田ふるさと海岸の散歩してるご夫婦とお話ししたりして、地元ではこんなに喋らないのにと。笑
地元に帰ってもいろんな人に声をかけてみようと思いました。
海にも早起きして朝日を見に行きましたが、朝ってこんなふうに始まっていくんだとものすごく感動しました!
また、黒川さんと一緒に地元のまちづくりの活動に参加させてもらって、こんなことをやっているんだと体験できました。」
「京都に帰ったら、まず料理を始めよう!と思いました。笑
あと、家族ともっと話をしようと。
家族と何ヶ月もちゃんと喋ってなかったですし、家族と交流するってことを考えたことがありませんでした。
ちょっと地元を離れたのがよかったのかもしれません。」
地元の人とふれあうという体験で、多くの気づきを得ることができるとわかるおふたりの体験。
特に「まち宿AETE」にいらっしゃる黒川さんのおばあさまは留学に来る人との交流を楽しみにしている1人。
関わりすぎない、ちょうど良い距離で見守ってくれる様子はまさに「ホームステイ」。
家族とは違う大人と長期間一緒に過ごすことでわかることもたくさんありそうです。
(「まち宿AETE」黒川慎一朗さん:写真真ん中)
「ここに来て、自分が変わらなくてもいいし、変わってもいい。
目的は全員違うのが大前提で、例えば学生以外に転職の合間にここに来る社会人の方もいます。
これが正解!というのがなく、その人が何にハマるかわからないのが地域留学。
人それぞれの感じ方で過ごしてもらって、最後には『ここに来てよかった』と思ってくれたら…と受け入れ続けています。」
人生の中でも自分が生まれ育った場所以外にじっくり地域と深く関わってみる機会はなかなかないもの。
自分はこれからどこで、どう生きるのか。
そのヒントを見つけに、さぬき市津田町での『地域留学』をあなたも体験してみませんか?
「まち宿AETE」での地域留学は専用サイトから申し込みができます!「田舎ホームステイ」サイトからの申し込みをただいま受付中!
3月中は予約で埋まりつつあります。
また、長期休暇中のご予約もお早めに!
まち宿AETE
内容/1日1組限定・1棟貸しゲストハウス(最大8名宿泊可能)
料金/1人9000円(人数が追加されるごとに1人3000円追加・子どもも同料金)+Airbnb手数料必要 ※清掃費なし
キャンセル/5日前までキャンセル料はかかりません。それ以降は50%のキャンセル料発生。