さぬき市小田は大串半島から海沿いにぐるりと東に回った場所にある港町。
山と海に囲まれた小さめの町ですが、釣りや海水浴などに訪れる人はもちろん、この場所の心地よさに惹かれて移住する方が増えているスポットです。
そんな「小田」を知り、楽しむまちあるきが今月3月27日(日)に開催されました。
「過疎に風!小田船団出漁記からオーガニックな村へのstory」。
地元の方がガイドを行い、小田の歴史から今の元気な様子を知ることができる1日。
私も参加してきましたので、その様子を数回に分けてご紹介します!
過疎地なのに移住者に人気?! 小田のいま。まちあるきの出発地点とゴールは小田の地域情報発信基地「風と土びと」。
土曜限定のカフェと、移住農家さんのつくる無農薬野菜の直売所となっています。
(現在は毎週土曜のみ営業中!)
この日のガイドは小田地区でオーダー家具を作る「優和木装」の岡さん。
小田にお嫁に来られて数十年。
さぬき市のまちあるきガイドや小田の活性化に奮闘され、「風と土びと」という小田の拠点の中心人物としても活躍されています。
歩き始める前に「風と土びと」の倉庫に貼ってある地図に注目!
手書きの地図には小田の見所や地区名が書かれています。
(岡さん)
「小田の人口は大正10年には4183人でしたが、いま1000人をきる人数になっています。
ここの7.8平方kmのエリアの7割が山で、残る3割の土地に少ない人数が暮らしています。
幼稚園、小学校、中学校はなく、公共サービスの拠点は郵便局のみ。
今日歩くのはその中の「大空地区」という場所で、小学生は最寄りの「大空口」というバス停からバスに乗って毎日通学しています。」
山と海が狭いエリアに共存するからこその居心地の良さは、訪れた人全てが感じていること。
例えば1808年には伊能忠敬が測量にために小田に訪れたそうですが、苦労して長居しない彼が2泊して仕事を行ったのだとか。
また、過疎化と並行して移住者が増えているのも小田の特徴。
10年前に移住してこられた方がカフェ「侘」をオープン。
娘婿さんが無農薬農業をスタートしたことをきっかけに、そのご夫妻に引き寄せられて若いご夫婦が移住。
無農薬農業を始め、自らのご両親も小田に呼び寄せるという事例が増えています。
これから向かう先はそんな移住農家さんが営む無農薬野菜の畑と聞いてワクワク♪
さあ「風と土びと」を出発し、歩いて小田の景色の中へ!
先頭を行く旗も温かい春風に吹かれて心地良さそう。
周りは山なみ。
絶えずウグイスの声が響いていますが…
(岡さん)
「ウグイスの中にもこの春デビューしたばかりの子がいます。
よーく鳴き声を聞いているとわかるので耳をすませてみてください。
ベテランとの違いがよくわかりますよ。」
……ホケキョ♪
ケキョケキョケキョ♪
たしかに辿々しいウグイスがまじっている~~~!

「風と土びと」をで出て3分ほどでまちのメインの車道に到着。
交差点にはスクールバスが停まるという「大空口」のバス停。
その向かいには移住農家さんのおうち。
お庭にチラチラ動くものが…
に、ニワトリ〜〜〜!
放し飼いなので自由に歩き回っていました。
緑いっぱいの中、気持ち良さそう~。
まちのメイン道路沿いには長閑な畑の風景。
菜の花が咲き、日常の忙しさを忘れる時間が流れていました。
移住銀座&移住農家さんに出会った〜!そこからまた5分ほど歩いたところで大きなウサギの看板を発見!
小田のオーダー家具会社「優和木装」さんの看板です。
実は小田を車で訪れるたびに、なぜウサギなのか気になっていました。
その理由は「優和木装」の創業者がウサギ好きだから…だそうで。笑
看板の角を曲がると閑静な住宅街が。
岡さん曰く、ここは「移住銀座」。
なんと通りの10軒中8軒が移住者さんのおうちなのだそう。
その向こうに見える山は「志度カントリークラブ」。
ときおりカートが走る様子が見られました。
ゴルファーにとっては難易度高め、斜面も多めのの「志度カントリークラブ」。
オープンした昭和39年の時の写真を岡さんが見せてくださいました。
記念式典には小田の人口以上のギャラリーがまちに集まったのだとか。
今でも小田を通ってゴルフに行く方をよく見かけます。
「移住銀座」を歩いていると…
住宅の合間から手を振る人が見えました!
その場所にレッツゴ〜〜!!
畑の真ん中で待っててくださったのが、このまちあるきの野菜収穫を担当してくださる「TAGATAME」のみなさん。
小田で無農薬農業をされている「大空のうえん」さんに惹かれて移住してきた小泉さんご夫妻と、その小泉さんに勧められて移住された鈩さんです。
「TAGATAME」は1つのグループとして小田で多くの畑を借りて無農薬農業を行い、利益を分配するという面白い仕組み。
小田に移住して新規就農したいという人にとっても嬉しい仕組みになっています。
そんな「TAGATAME」さんがちょっと珍しい野菜も収穫させてくださいましたよ〜!
ナニコレ? 初めて出会う無農薬野菜たちこの日収穫するのは4つの農産物。
すべて無農薬で栽培しています。
まずはサニーレタス。
サラダでも馴染みのある野菜ですが、畑に植わっているのは私も初めて見ました!
こんもりと赤紫色のかわいい塊がいくつも並んでいます。
それを根っこからハサミでチョキン!!!
とったど〜〜〜!!!
スーパーで触るサニーレタスと違って、葉もしっかり、重さずっしり。
まるでボールのようにぎゅぎゅっと詰まってる〜〜!
採れたてレタスってこんなに固いんですね〜!!
続いてはイタリアのケール「カーボロネロ」、別名「黒キャベツ」。
形はひとまわり大きい小松菜みたいで、ケールほど葉は大きくありません。
料理しやすそう〜!
そしてケールといえば苦い??
根に近い大きい葉はロールキャベツや炒め物に。
上の新芽は菜の花のような形ですが、これも炒め物にして食べると美味しいそう。
初めて出会う野菜にドキドキ。
3つ目は春菊。
春らしい元気な緑色に爽やかな香りを楽しみながら収穫〜〜。
ここでお味見♪
おおっ、生春菊美味しい〜〜〜!!
甘味も苦味もあり、柔らかそうに見えた葉のシャキッとした食感にびっくり。
これは何もつけずにこのまま全部食べてしまいたーい!
最後は食べられるお花「カレンデュラ」。
マリーゴールドやキンセンカとも呼ばれています。
ぎゅっと詰まった鮮やかなオレンジ色の花びら。
見ているだけで元気が出ますが、これをチョンと切るのはちょっと抵抗が〜〜。
大事に頂きます〜〜!!
無農薬なので花びらを散らして料理やスイーツに使え、1輪マグカップに入れてお湯を注ぐと風邪薬にもなるのだそう。
安心して食べられるお花は都心部のレストランにも需要があり、全国発送しているのだとか。
無農薬野菜の収穫はこれで終了!
これまで見たことのない野菜や花に出会えて大人も発見が多かった時間となりました。
カゴいっぱいに収穫した野菜たちはそのまま持ち帰れることに!
「TAGATAME」さんに感謝しながら美味しく頂きたいと思います。
(「TAGATAME」鈩さん、小泉さん)
「今日はみなさんに喜んでもらえてよかったです。 最近では市外の方が農業したいと話を聞きにくることもありますが、農業は新しいまちづくりのパーツになると思っています。
田舎で仕事をする場合、農業を実際にやってみていただけたらいいなと思いますし、小田で受け入れる体制も作ろうとしてるのでいつでも来てください。
農業は大変!というイメージがありますが、そればかりではないのを知っていただけると思います。」
小田の無農薬野菜で料理してみました収穫したカーボロネロは小松菜と同様の料理に使えるとお聞きして、中華炒めにしてみました。
細かく刻んで中華だしと塩胡椒、ごま油で炒めて終了〜!
仕上げにカレンデュラを散らすと華やかになりました!
カーボロネロの食感はサボイキャベツのようにシャキシャキで歯応えたっぷり!
そして苦くないー!! これは嬉しい!
しっかり炒めてもしなっとすることがなく、いろんな料理に使えそうです。
「TAGATAME」さんの野菜は小田の「風と土びと」や高松市の「春日水神市場」でも購入できますので、見かけたらお料理に使ってみてくださいね。
次回はオリンピック聖火を運んだ和舟を製造した、小田の歴史ある家具工房を見学します!!
遊学のススメ2022「過疎に風!小田船団出漁記からオーガニックな村へのstory」※終了
開催日時/2022年3月27日(日)9:00〜13:00
場所/さぬき市小田周辺(集合場所「小田の駅 風と土びと」
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