海が好き。海に近い場所に住んでみたい。
さぬき市を移住先に選んでくださる方からよく聞かれる言葉ですが
その中で『漁師になりたくて移住してきた』という方を発見!
現在30歳、津田町の漁師 上田真也さん。
高齢化が進み後継者不足に悩む津田町で就職したのはなぜか?
また、いま若い人の動きが活発なこのまちでどんなことを感じながら日々過ごしているのか?
漁師ウエちゃんこと上田真也さんに突撃インタビューしてみました!
浜辺で海遊びを楽しむ人が増えてきた夏の津田町。
香川県の中でも随一と言われる津田の松原海水浴場から西へ1kmほど進むと津田漁港があり、海水浴場の沖にあたる津田湾では定置網漁やたこ壺漁が行われています。
堤防ではサビキや投げ釣りを行う人も多く、海好き・釣り好きの人にはとっておきのスポット。
そんな津田町で漁師になりたいと、福井県から移住された若い方がいるとお聞きして会いにいってきました。
津田漁港で待っていてくださったのは現在30歳の若手漁師 上田真也さん。
通称、漁師ウエちゃん。
愛知県名古屋市の出身ですが、就職先の福井県から2021年3月に津田へ移住。
以降、津田の漁師さんの元へ弟子入りして毎朝漁へ出ています。
休日にはさぬき市内で過ごした様子をSNSで発信することも。
(漁師 上田真也さん)
「さぬき市は本当にいいところですね。
海も山もあるし、欠点がないなあと。
自然が好きなので歩いて2分で海に行けるところに来れてよかったなと思っています。
最近は寒川町の陶芸同好会にも入って、門入の郷で陶芸も楽しんでいます。」
津田湾のようにゆったりと穏やかな表情で話してくださる上田さん。
なぜ遠方からこの場所に辿り着いたのか、また後継者がなくなりつつある漁業に従事することにしたのか。
その理由をお聞きしてみました。
消防士から漁師へ
人のために動ける人間になりたい。
公務員になって親を安心させてあげたい。
そんな思いから上田さんは大学卒業後に就職したものの、脱サラして消防士となりました。
もともと釣りが好きで、海がある場所で働きたいと就職先は福井県に決定。
3年働いてみた結果、仕事に違和感を感じている自分を認めずにはいられなくなったそう。
(漁師 上田真也さん)
「消防士の時に骨折して3ヶ月仕事を休んだことがあって。
その時にじっくり考える時間ができて、このまま流されながら仕事を続けるのではなく、本当に自分の好きなことをやっていこうと思いました。
自分の好きなことは海と釣り。
それが仕事になる職業は漁師だ!と再就職することにしたんです。
最初は福井県の定置網漁の船にも乗せてもらいましたが、冬は天気が荒れる地域で…
冬ものんびり漁がしてみたいし、初期投資ができるだけ抑えられる小さな船で必要なだけ獲る漁師がいいなと思い、瀬戸内海にやってきました。」
いろんな県の水産課が出している漁業の担い手対策を検索した結果、香川県水産課の対応に惹かれて辿り着いたのが津田町。
津田ではちょうど地元の漁師さんが若くして漁師になりたいと思っている人を探していたのだとか。
その人に弟子入りする形で2021年3月に津田町に移住し、上田さんの漁師人生がスタートしました。
漁師さんってどんな1日を過ごしているの?
地元の漁師 名和さんに弟子入りし、現在2年目の上田さん。
ちょっと気になったのでお聞きしてみました!
漁師さんの1日ってどんなスケジュールなの?
毎日0:00に起床し、その30分後には津田港に到着。
1:00ごろから船を出して漁が始まります。
師匠の名和さんがされている定置網漁はかつて津田でも多くの漁師さんがやっていた手法ですが、高齢化・後継者不足により現在津田では2軒の農家のみが継続しています。
津田沖に設置した4箇所のポイントに行き、そこで魚を引き上げて港に戻るのは3:00。
そこから出荷準備が始まり、集まったお魚は3:30になると津田漁協から高松の市場へトラックで配送されます。
日の出ごろにはまた別の漁に出て…と、仕事が落ち着くのはお昼前なのだとか。
(漁師 上田真也さん)
「最初はこの1日のサイクルに慣れなくてキツイなって思っていました。
また地元の人との繋がりを作りたいからと全てお付き合いしていたこともありましたが、今やっといい距離を保てるようになってきました。
1年半弟子入りしてみて思うことは、来てよかったということです。
会社員の時は自分のやりたいことができないままだった。
でも今は好きなことをやっているので毎日大変だと思わないし、他人の目や他人の価値観を気にすることもなくなって人生が楽しくなってきました。
いろんなことを経験して見つけた答えが漁師で、20代でそれを見つけることができて本当によかったと思っています。」
漁師ウエちゃんのこれから
進むべき道を自分で導き出した上田さん。
まず一人前になるのが最低限の目標。
それに加えて津田の漁師として後継者不足・高齢化という課題に立ち向かいつつ、もっと身近に魚を感じてもらえる活動をしていきたいと語ってくださいました。
(漁師 上田真也さん)
「近年水温が高くなってきていて獲れる魚の種類が減ってきていますが、そんな中でもいろんな魚に津田で出会うことができます。
春から夏にかけてはウマヅラハギ・ヒラメ・コウイカ・マダイ・クロダイ・タコ・ハマチ。
オニオコゼが獲れたら自分で食べちゃいます。笑
魚は減ってきているけど、香川の漁業者を増やすために魚を気軽に販売できる仕組みや、魚に関わる人を増やしていきたいと思っています。
津田湾でやっているタコ壷漁の見学ツアーとかもいつかやってみたいですね。」
(写真左から:讃岐朝市にて「アジアンファクトリー」大眉さん・津田地区地域おこし協力隊 折口さん・漁師 上田真也さん)
最近では地元の若手事業者さんと談笑する姿や、同じように移住してきた人とさぬき市での休日を楽しむ姿も見られるようになりました。
地元漁業の課題解決のキーになるとともに、津田町を動かすキーマンにもなりそうな漁師ウエちゃん。
今後の活躍も追いかけていきたいと思います!
津田の漁師さんの1日や津田の日常が垣間見られる漁師ウエちゃんのTwitterも覗いてみてくださいね。
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