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さぬき市多和地区の庄屋として存在し、現在もその名が残る「真部家」の秘密が明らかに?!

8月28日(日)まで前山おへんろ交流サロンにて

「真部家古文書展〜遍路篇〜」が開催されています。

さぬき市の有形文化財でもある「真部家古文書」から

時代考証・風俗習慣・当時の司法行政の仕組みを読み取り

中でも今回は遍路に関係のあるものが展示されています。

その中身をチラリご紹介しますよ〜!



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さぬき市を巡り始めて11年。

多和地区を取材しながら感じていたのは「多和って真部(まなべ)さんが多いなあ。」ということ。

出会う人出会う人、真部さん。

おうち、職業、年齢違えど、あっちもこっちも、真部さん。

大元の家系図はつながっているのでは?と思うほど真部さんが多い地区、それが多和。

そんな「多和の真部一族」の謎が少しずつ解けるかもしれない展示会が現在「前山おへんろ交流サロン」で行われています。


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さぬき市の長尾寺〜大窪寺を結ぶ四国遍路のへんろ道沿い。

「道の駅ながお」向かいに建つ「前山おへんろ交流サロン」にやってきました。

歩きお遍路さんの休憩所でもあり、前山地区のみなさんの交流拠点でもあります。


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館内には四国遍路に関わる史料がたくさん展示されています。

表に出ているもの以外にも保管されているものがまだまだたくさんあるのだとか。


今回はそんな保管史料の一つ、『真部家古文書』から読み取る企画展

「真部家古文書展〜遍路篇〜」が8月28日(日)まで開催されています。


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奥の企画展示室へやってくると、展示物よりも解説文書が多いことがわかります。

それもそのはず、「真部家古文書」は古文書のため、現代に生きる私たちが読みやすいように解読が必要。

その解読を担当されたのが、「前山おへんろ交流サロン」の学芸員 植松可奈子さん。


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(写真:「前山おへんろ交流サロン」学芸員 植松可奈子さん)

植松さんは2021年春から古文書解読ができる要員として「前山おへんろ交流サロン」に勤務。

大学時代から考古学の本に興味があり、小豆島の庄屋の古文書解読調査に参加したことをきっかけに古文書研究にハマり出したのだそう。


(「前山おへんろ交流サロン」学芸員 植松可奈子さん)

真部家の古文書は1400点以上もの数が残されていて、さぬき市の有形文化財にも指定されています。

 昭和時代にはそれを1枚ずつ写真撮影して何冊かに分けたコピー本が作られ、ずっとサロンに保管されていました。

 この機会にコピー本から古文書を見直し、真部家の史料の中でもお遍路に関わるものだけを取り出して、ここでご紹介できたらと企画しました。」


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こちらがそのコピー本。

古文書を撮影した写真をコピーしたページが何枚も出てきますが、細かく読み取るのは大変そう。

解読不能な難しい文章もあれば地図・絵図などもあり、その内容は遍路にまつわるものから政治・土地の売買・権利・領収書とさまざま。

そんな多和の政治にも関わっていたと思われる真部家は多和にとってどんな存在だったのでしょう?


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(「前山おへんろ交流サロン」学芸員 植松可奈子さん)

「真部家は江戸時代の初期1751年〜1763年に多和の奥山村と呼ばれる地域の庄屋さんを務めていた方々。

 ただしこれ以降は年貢の入りが不安定になったことが原因で庄屋を辞められたと残っています。

 現在の多和には真部さんという苗字が多く残っていますが、権力を持っていた名が残りやすいことから、大きな存在だったのではと思われます。」



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今回の古文書展では多和を訪れるお遍路さんのやりとりも多く残っています。

例えば「口上」という国境での遍路の往来についての相談事も。

四国遍路をする者たちが国境を跨ぐ場合、上り切手や往来手形についてしっかり調べて欲しいと書かれています。

現在では県境を越えるのに何の制限もありませんが、当時は人の往来により風紀や治安が乱れると考えられ、土佐藩では特に巡礼するものを厳しく規制していたことが伺えます。


また、「遍路国元送りの書状」というものでは、『多和までやってきたものの足を痛めたため国元まで送り返してほしい』という者からのお願いが書かれています。

真部家はこの当時庄屋を退役されていたようですが、村の政治に関わっていたため書面が残っているのだとか。


多和は県境に近く、大きな街道があったため、こういった相談事が多かったよう。

「村」という組織が政治をしっかりと行うしくみがあり、また県を超えて移動する遍路が簡単ではなかったことがわかります。


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また植松さんのおすすめはこちら!

遍路の所持品品書きの紙。

当時と今のお遍路さんの持ち物の違いが一目でわかります。

が、原本だと何を書いているのかわからない〜〜


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ので、植松さんが解読してくださったものが一緒に展示されています。

これはわかりやすい!


「往来」は手形、「船場切手」は四国から外に出るのに必要なもの。

「めしごり」はお弁当箱みたいなもの。


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「以立」は「矢立て」のことで、実物の展示もありました。

まるでキセルのような形ですが、腰に刺す筆記用具なのだとか。


(「前山おへんろ交流サロン」学芸員 植松可奈子さん)

「サロンにきて1年経ちますが、遍路のことはわからないことばかりでした。

 でも今回古文書から読み解いて出てきた書面やお遍路さんの所持品から当時との違いを知り、楽しいと感じています。

 少しずつ遍路についてわかるようになっていくのも面白いので、みなさんにもこれをきっかけにお遍路に興味を持ってもらえたらと思います。」


ちょっぴり難しく感じる古文書ですが、しっかり解読された上、馴染みのあるお遍路文化の内容なので身近に感じることができる企画展。

また8月21日(日)13:30からは植松さんによる解説会も行われます。

読み解き方の工夫や真部家の様子など、植松さんに気になることを聞きつつ企画展を楽しんでみてくださいね。




「真部家古文書展〜遍路篇〜」
開催期間/〜2022年8月28日(日)
場所/前山おへんろ交流サロン地図
開催時間/8:00〜16:00
解説日/8月21日(日)13:30〜


前山おへんろ交流サロン
住所/さぬき市前山936番地 【地図
営業時間/8:00〜16:00
定休日/年末年始
駐車場/あり
HP/http://www.geocities.jp/sanukimaeyamanet/ohenro/sisetu/sisetugaido.html
お問い合わせ先/0879-52-0208

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