夏休み中の8月20日(土)、さぬき市前山の「ほしごえの里」にて
前山の特産品3つを使って楽しむ親子向けワークショップ
『竹飯とオリーブ豚のプルドポーク作り』が開催されました。
初めての竹飯に上級者向けアウトドアメニュー「プルドポーク」づくり。
どの工程もワクワクしながらチャレンジする7家族の様子が伺えました。
イベント当日の様子に加え、今後前山で展開されるイベントをご紹介します!
さぬき市南部の山間部にあたる前山エリア。
ここはお遍路さんが四国霊場八十八番札所の大窪寺を目指して歩く遍路道の途中にある場所。
前山ダム、おへんろ交流サロン、道の駅ながおといった観光スポットがありながらも、高齢化・過疎化といった課題を抱えています。
そんな中、今年の春から観光庁の補助事業を利用し前山の特産品づくりへのチャレンジが始まりました。
「もっとたくさんの人に前山を知ってもらい、多くの人で賑わう場所になってほしい」と、地元の宿泊・飲食・観光施設などが1つの団体となって、今後さまざまなイベントを展開する予定です。
そのイベントの第一弾が8月20日(土)に開催された親子ワークショップ「竹飯とオリーブ豚のプルドポーク作り」。
会場となった前山ダム前のオリーブ豚専門レストラン「ほしごえの里」には、さぬき市内外から7組の家族が集まりました。
今回のイベントは前山・長尾地区の特産でもある竹・前山米・オリーブ豚を使いますが、それぞれの達人たちが先生として登場!
まずはさぬき市長尾で30年以上の歴史を持つ竹の達人集団「バンジョイ塾」代表の戸田さんが竹のことを教えてくださいました。
(「バンジョイ塾」代表 戸田さん)
「竹には600ほどの品種がありますが、私たちが竹細工に使用しているのはそのうち5種類ほど。
このマダケ(手に持っている竹)は今日作る竹飯の筒や素麺の器などに使います。
足元のモウソウチクは花器などに使ったり、分厚くカットしてストラップのマスコットなどに使います。」
続いては竹飯に使う前山米の達人 安西さんが登場!
安西さんは兼業農家として前山でお米を作っていますが、高齢化でお米を作れなくなった人たちから田んぼを借りてお米を作ることもあるのだとか。
今年のコシヒカリはすでに刈り取りが始まっており、「道の駅ながお」に新米が入るのももう少し!
(前山米農家 安西さん)
「美味しい前山米を作るためには何が大事だと思いますか?
答えは水です!
前山には前山ダムがあるので豊富に水があります。
特にダムから一番最初に流れてくるのは綺麗な『一番水』といって、これがあるから美味しいお米ができるんです。」
最後はオリーブ豚の達人「ほしごえの里」の真部さん。
前山活性化の中心人物でもあり、これまで前山マルシェや食育イベントなども自主開催されてきたパワフルな方です!
(「ほしごえの里」 真部さん)
「オリーブ豚とは白い豚さんにオリーブの搾りかすを肥料として食べさせた豚肉のことです。
1頭の豚に合計120粒のオリーブを食べさせていて、その搾りかすの中にはオリーブオイルも含まれています。
なのでお肉が柔らかくなって、切る前は冷凍庫に少し入れておかないと切りにくいほどなんですよ。
また、オリーブに含まれる果糖『フルクトース』のおかげでお肉がフルーティで甘味のある味わいになるんです。」
スーパーで売られている豚バラ・肩ロースは一体どの部分?といった豚肉の部位クイズも。
大人も一緒に悩みつつ、子どもたちは元気に手を挙げて答えていました♪
前山の特産物のお勉強が終わったらお店の外へ。
暑い中、地元のみなさんが賑やかに火起こしの準備をされていました。
前山にこんなに人が集まっているのもお祭り以来かも?!
まずは竹飯の竹筒をつくります!
材料のマダケをノコを使って20cmの長さに切っていきます。
初めてノコを使う子どもたち。
どう動かすのか最初は戸惑っていましたが、戸田さんのアドバイスで力を入れずにカットすることができていました。
力の入れる場所によっては切れにくくなったりと、大人たちもノコで竹を切る難しさを改めて体験。
竹筒できたど〜〜〜!!!
普段ノコを使うことがないという小学生たち。
貴重な体験ができたよう。
竹筒の中にお水と前山米を入れて、底と天井をアルミホイルでしっかりと包めば完成!
シンプルな構造ですが、これで竹飯ができちゃうのってびっくり!
炭の中に並べたら、うちわで火をしっかり起こします。
熱さと煙に負けないように子どもたちも一生懸命あおいでいましたよ〜!!
竹飯を炊いている間に、もう一つのメニュー「プルドポーク」を仕上げます。
プルドポークとはアメリカ発祥のアウトドアメニューで、大きな塊肉をじっくりと焼いてみんなでシェアして食べる肉料理。
今回はオリーブ豚の肩ロース塊で作りますが、この迫力〜〜〜!!!
おいしそーーーーーう!!!
本来は長い時間かけて火を通す料理のため、今回は時間のこともあり、既に火を通したものが用意されていました。
これをバーベキューコンロで焼いて仕上げていきます。
こんな塊肉、買うこともなければ調理することもないのでワクワク♪
同時に下処理も体験できました。
黒胡椒やナツメグなどの入ったスパイスをしっかりお肉に揉み込みます。
柔らかい肉質のオリーブ豚なので、揉み込みがとっても気持ちいい〜〜♪
下処理できたど〜〜〜!!
こちらは持ち帰って家庭用オーブンで150度1時間焼いて仕上げてね、と参加者にプレゼントされていました。
竹飯もプルドポークも焼き上がりを待つだけ。
その間店内ではマダケの器に入った冷たいお素麺が準備されていました!
こちらでちょっぴり休憩〜♪
竹の器で食べると普段のお素麺より美味しく涼しく感じるもの。
お素麺もどんどん進みます♪
その間、外ではスタッフさんが竹飯をばっちり見守っていました。
ぐつぐつと揺れるアルミホイル、中から滴り落ちる水、黒く焼けた竹筒。
さあ、ちゃんとお米は炊けているのか…
アルミホイルの蓋を取ってみると、
お米炊けてる〜〜〜!!!
ほくほくふっくら!!!
甘〜〜い竹とお米の香りがします!!
みんなドキドキしながら竹筒を冷やし、戸田さんに竹をカットしてもらいます。
中のごはんはどんな感じでできているのかな??
ちゃんと中まで火が通って美味しそうなご飯が炊けていました〜!!!
同時にプルドポークも焼き色がしっかりついて完成!
さあ、いよいよ実食です!!
と、その前に…
プルドポークは写真のようなベアクロー(熊の爪のような道具)で裂く作業を行います。
プルドポークの「プル」は「塊肉を裂く」という意味。
本場でもこうやって食べるのが正式なのだとか。
初めての道具にみんなドキドキ。
お肉の繊維に沿って裂いていくのって意外と難しい〜〜!!!
カナダ人のお子さんがとっても上手にお肉を裂いていてびっくり!
おうちで食べたことがあるのだそう。
コンビーフのようにできるだけ細かく細かく…
できあがったプルドポークは竹筒のご飯がない部分に乗せて、手作りのバーベキューソースをかければ完成!!
い〜い匂いです!!!
私もいただきましたが、まず竹飯の美味しさにびっくり!!
竹の香りを含んだお米がとっても甘く、ちょうど良い噛みごたえ。
おこげの部分も最高に香ばしくて美味!
そこに甘めのバーベキューソースを絡めたプルドポーク。
お肉がとても柔らかくてごはんとの相性もバツグン!!
お箸が止まりません〜〜!!!
高松市から夏休みの思い出づくりにと、男の子3人と参加されていたご家族も…
「竹でご飯を炊いたのは初めてだけどとっても美味しい!」
「ご飯を炊く作業はとても暑かったけど面白かった!こんな体験なかなかないなって思った!」
「こんなお肉の塊が出てくると思ってなくてびっくりしました!」
とみなさん大満足の様子♪
コロナ禍でなかなかお出かけできない夏休み。
このワークショップに参加することで、子どもたちはいろんな『初めて』を体験できたようです。
同時に前山の美味しいもの・身近な自然のことも勉強でき、もっと前山が好きになる時間となりました。
とくに美味しいものをみんなで食べたことは一番の思い出に。
もっと多くの方に前山で体験してほしいと思うイベントでした。
今後の前山もワクワクがいっぱい!!
観光庁の補助事業として『地域の看板商品を作る』というプロジェクトがはじまったばかりの前山地区。
大窪寺へと続く前山ダム周辺の道を「結びの道」とし、今後もイベントや美味しいお店が展開される予定です。
■10月29日(土)
「原木しいたけ収穫体験&前山ダムウォーキング」開催決定!
シニア向けに開催される健康を目的とした体験イベント。
もともと椎茸とゆずの里と言われていた前山地区。
現在椎茸は出荷するほどの数が作られていませんが、今回は東かがわ市の原木しいたけ農家さんに協力をいただき、原木から収穫する体験を開催。
同時に地元の人が整備している前山ダム湖周辺の「ミニおへんろコース(3km)」を歩きます。
■前山米のおむすび屋さん開店!
11月中旬ごろ、地元のお米・前山米を使ったおむすびのテイクアウト店が前山ダム前の道沿いにオープン予定!
大窪寺に向かうお遍路さんにも利用してもらったり、地域の拠点として利用できるようにしていくそう。
前山米の美味しさに気づいたら、すぐ近くの「道の駅ながお」で前山米を購入して帰るのもアリですよ〜!
夏休みファミリー体験イベント
竹飯とプルドポークを作ってみよう ※終了
開催日時/2022年8月20日(土)10:00〜
お問合せ先/0879-52-2544 (ほしごえの里)
結びの道 前山