長かった夏休みもそろそろ終わり。
この夏、あなたは何か新しいことにチャレンジしましたか?
さぬき市昭和にある香川大学農学部附属農場では、休みの間も欠かさず研究を続ける学生たちが!
ぶどうの達人である望岡教授と共に
「とあるぶどうの実験」を実施中とのこと!
近年のぶどうの研究とは一体どんなものなのか?
附属農場にある望岡教授の研究室を覗いてきました!!
さぬき市昭和、のどかな田園風景の中にある香川大学農学部附属農場にやってきました。
香川大学農学部のキャンパスはお隣の三木町にありますが、こちらは学生が実習を行うための場所。
約1710aという敷地の中で花・果樹・お茶・畜産を育てています。
地元の人にとっては、農場で育てた桃やぶどうの一般販売が行われる場所としてもお馴染みです。
8月は夏休みのため学生さんの姿はなく、敷地内はとっても静か。
鳥と虫の声が農場に響き渡っていますが…
そんな中、数人の学生さんを発見!
彼らについていくと、そこは「学生研究室」。
いわゆるゼミのお部屋です。
どんな研究をしているゼミなのか?
ちょっとお邪魔しま〜す!!
と、そこには香川大学農学部の果樹専門博士であり、ぶどうの達人、望岡亮介教授の姿が!
そう、ここは望岡教授のゼミ「果樹栽培学」のお部屋でした〜〜!!
さすがぶどうの望岡先生、ゼミ生のおやつも農場で収穫したぶどう!
私もこのゼミに入りたい…!
さて望岡教授といえば「さぬきワイナリー」で作られている赤ワイン「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」の原料となるワイン用ぶどう「香大農R-1」の生みの親。
「香大農R-1」は沖縄の野生ブドウ「リュウキュウガネブ」と最高品種として知られるブドウの王様「マスカット・オブ・アレキサンドリア」をかけあわせたもの。
このぶどうを開発した後も望岡教授は「香大農R-2」や他県の野生ぶどうの研究を続けています。
望岡教授のゼミ「果樹栽培学」では現在7名の学生が所属していますが、ここ2年のコロナ禍では対面での活動もなかなかできず、離島の野生ブドウを調査するといった野外での活動希望も減っているのだそう。
そんな中、この3名の学生さんが今どんな研究をしているのか…
お聞きしてみました!
まずは香川大学農学部 応用生物科学学科4年の中山史菜さん。
研究内容は『「香大農R-1」の果粒肥大について』。
もともと香川大学のオリジナル品種に興味があり、ワイン用ぶどうとして開発された「香大農R-1」の研究をしてみることに。
「香大農R-1」の1粒はデラウェアをひとまわり大きくしたくらいのミニマムなサイズ。
種もしっかりと存在し、生食用としてはとっても食べにくいぶどうです。
栽培中に摘果の時期を変えたり、新しい枝に3つ以上つく房の数を1つや2つに制限することで実が大きくなるかも?という仮説を立てて、収穫期まで3つの房を観察し続けているそう。
今のところ枝に房の数を1つにしたものは2つのものよりもぱっと見て大きい様子。
これは期待大!!
そんな中山さんの大事なパートナーが果物が大好きという応用生物科学学科3年の瀬部寿真さん。
ひとりでやるとかなりの時間がかかる作業も、ふたりでやることで随分時間短縮できるのだそう。
今年の新酒ワイン「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」のための収穫日にはその結果がわかるとのことで、楽しみです♪
続いては卒業後も大学院に進むことが決まっているという、応用生物科学学科4年の徳永暉さん。
岡山県出身、祖母の畑で昔から果物や野菜を育てる手伝いをしていたこともあり、果樹の研究をするならと特別感のある香川大学の望岡ゼミを選択。
研究内容は『「香大農R-1」「香大農R-2」が屋上緑化に適するか』。
そのきっかけは屋上緑化実験。
今年、高温に強い品種の「香大農R-1」「香大農R-2」を東京の屋上で育ててみたいという話を竹中工務店より受けて、共同研究を行うことになったそう。
現在東京大手町の屋上と香川大学農学部附属農場研究棟の屋上とで比較研究をおこなっています。
都会にも関わらず影があり風も通りやすい大手町に比べて、研究棟の屋上はどうなのか?
実際に研究中の屋上に上がらせていただきました!
屋根も壁もない屋上は布団干しにぴったりの日向スペース。
望岡教授も温度計を見てびっくり!
なんと60度もありました!!
大手町より香川県の方が灼熱になってしまっています。
こちらが「香大農R-1」のポット栽培。
その枝の伸び具合で成長具合を調べます。
枝も伸びて比較的元気にすくすくと育っている様子。
さすが暑さに強いR-1!!
しかし地上だともっと伸びが良いのが現状。
やはり今年の暑さが原因かも?
こちらは「香大農R-2」。
うーん、成長がイマイチの様子…
一進一退もある研究の世界。
しかしじっくりと1つのものに向き合う時間はとても貴重で充実したもの。
そんな夏休みを過ごす彼らが羨ましくも感じました。
4年生の徳永さんは卒業後も大学院に進み、この研究結果が出るまで見届けたいとのこと。
わたしたちの食べるものやワインの将来に関わってくる学生たちの果樹研究。
今後の研究結果も楽しみに待ちたいと思います!
そんな附属農場でぶどう販売が行われています
彼らが研究を行っている香川大学農学部附属農場では9月末までの毎週火・木 11:45〜12:30に実習用に育てたぶどうを販売しています。
毎年大人気で行列ができるほど。
売り切れ次第終了しますので、気になる方はお早めに足を運んでみてくださいね。
詳しくはこちら→ 人気の「農学部ぶどう」今年も販売がスタート!@長尾
【香川大学農学部附属農場】
場所/附属農場内建物(香川県さぬき市昭和300-2【地図】