ぶどうのシーズンが終盤になるとともに「さぬきワイン」の仕込みも終盤に。
9月26日(月)には大串半島にある「さぬきワイナリー」で
新酒「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」の仕込みが行われました。
香川大学農学部が開発したワイン用オリジナル品種「香大農R-1」を使用したワイン作り、今年の出来栄えは?
「さぬきワイナリー」の竹中工場長にお話をお聞きしてきました。
また、原料となる「香大農R-1」を研究中の香川大学農学部の学生たちにもワインの仕込み見学の感想をお聞きしてきました!
9月26日(月)雲ひとつない青空が広がる、さぬき市北端の大串半島にやってきました。
半島の瀬戸内海を見下ろす高台に、香川県唯一・四国で初めてのワイナリー「さぬきワイナリー」があります。
こちらでは香川県産のぶどうのみでワインを仕込み、販売しています。
「さぬきワイナリー」では毎年お盆の時期にその年のワインの仕込みがスタート。
デラウェア・ベリーA・甲州・ランブルスコなどさまざまな品種が県内からここに集まり「さぬきワイン」として流通されています。
この時期になると仕込みも終盤。
最後の仕込み用ぶどうとして香川大学農学部で開発されたワイン用ぶどう「香大農R-1」がやってきます。
「香大農R-1」は1999年、香川大学・香川県・さぬきワイナリーとの産官学連携で開発がスタートした品種。
香川大学農学部の望岡教授が「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と野生ぶどう「リュウキュウガネブ」を掛け合わせて作ったものです。
瀬戸内海性気候にも対応できる新品種を作ろうと、野生ぶどうの「リュウキュウガネブ」を掛け合わせたところ、粒が小さく種が大きいものが完成。
そこで生食用ではなくワイン用ぶどうとして、広く香川県下でも栽培されるようになったのです。
詳しくはこちら!→ 『香大農R-1』ワイン ソヴァジョーヌ・サヴルーズ〜芳しき野生の乙女〜
この日は香川県下4軒のぶどう農家さんとさぬき市志度にある「さぬきワイナリー」の圃場から合計約9200kgの「香大農R-1」が届きました。
(「さぬきワイナリー」竹中工場長)
「昨年よりも仕込み量は少し少ないですが、昨年と変わらない農家さんが今年も納品してくださいました。
ワイナリーの圃場でも今年は雨も少なかったため病気がほとんどなくて、収穫時期にしっかりと量を採ることができたと思います。」
ちなみに今回集まった9200kgは全て新酒になるのではないそう。
うち7000kg分が11月19日に販売する新酒「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」に瓶詰め。
残りは希少糖を添加した「赤ぶどう酒」や来年販売されるミニボトル用ロゼワインのブレンドに使用される予定です。
さあ、ワインにするべく「香大農R-1」を仕込んでいきますよ〜!
ワイナリーの工房の中に設置された「除硬破砕機」にぶどうを房ごとイン!!
すると、、、
房の枝と実が機械の中で分けられ、枝だけがサイドからポイポイと飛び出てきます。
これはとっても便利〜〜!!
果実は皮と種ごとぎゅぎゅっと潰されながら醸造タンクへ運び込まれていきます。
潰しながら酵母を投入し、ここからアルコール発酵がスタート!
その後は乳酸菌による『マロラクティック発酵』が。
これは2年前からワイナリーがはじめた手法で、酸が柔らかくなり口当たりもまろやかになるのだとか。
香川県でのみ育てられている品種で作るワインということもあって「香大農R-1」の仕込みの日には香川県中のメディアが取材にやってきます。
県外の日本ワイン好きの方にも「色がとても濃いのに、渋くなく飲みやすい珍しいワイン!」と人気の「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」。
今年の発売は11月19日(土)!
720ml瓶で限定7000本のリリース予定です。
お買い求めは、さぬきワイナリー物産センター、香川大学の学生生協、県内の主要酒店でどうぞ〜!
販売日には「さぬきワイナリー」でもイベントを行うそうですのでお楽しみに♪
R-1研究中! 香川大学農学部生も見学に。
取材陣の中にひときわ若い子たちのグループを発見!!
「香大農R-1」の産みの親 香川大学農学部 望岡教授のゼミ「果樹栽培学」に所属する3・4年生たちです。
彼らに仕込みの様子を見学した感想もお聞きしてみました!
(写真左から・農学部生の瀬部さん・松岡さん・中山さん・香川大学農学部 望岡教授)
(写真1番左:香川大学農学部3年 瀬部寿真さん)
「除硬破砕機がすごかったですね。
仕込み用のぶどうの中には色づいていない緑色の粒もあったのに、除硬破砕機にかかればそれも綺麗に取り除かれて。
とても便利だなと思いました。」
(写真左から2番目:香川大学農学部3年 松岡星利奈さん)
「ワインを作っているのをみるのは初めてです。
大掛かりな機械を使っていて凄い!と思いました。
果汁を絞った後に酵母を入れるのかと思っていたら、絞りながら入れていたのでびっくりしました。」
(写真右から3番目:香川大学農学部 4年の中山史菜さん)
「自分たちが収穫したぶどうも今年の新酒ワインとして仕込まれているので嬉しいです。
出来上がったワインを買いに行かなきゃと思いました。」
3人の中でも中山さんは現在『「香大農R-1」の果粒肥大についての研究中!
栽培中に摘果の時期を変えたり、新しい枝に3つ以上つく房の数を1つや2つに制限することで実が大きくなるかも?という仮説を立てて、農場にある3つの房を観察し続けてきましたが…
先週には収穫の時期を迎え、これから最後の計測が始まるのだそう!
香川大学農学部では望岡教授が「香大農R-1」を開発して終わりではなく、R-1に関する研究をその後も学生たちが一緒になって進めています。
「香大農R-1」についてはまだ未知の部分がたくさんあるそう。
今後どんな研究結果が出るのか、また次回お会いしてお聞きするのが楽しみです♪
詳しくはこちら!→ 学生たちの夏休み・香川大学農学部生の研究を覗いてみました!@長尾
学生たちと一緒にワイナリーのショップへ行ってきました♪
そんな香川大学農学部の学生さんと望岡教授と一緒に「さぬきワイナリー」の隣にある「さぬき市物産センター」へ。
こちらでは「さぬきワイナリー」で作られているワインの試飲・販売が行われています。
一体どんなワインが並んでいるのか、見てみましょう〜!!!
1階は試飲・販売コーナー。
さぬきワインのほかにもワイン専用グッズやおつまみ、さぬき市の物産・伝統的工芸品、さぬきワインソフトを販売中!
試飲コーナーはセルフスタイル。
甘いものからスパークリング、フルボディの赤ワインまでいろんなワインがあってワクワク♪
味の好みは千差万別。
購入前に味わえるのはとても嬉しいもの。
販売しているワインのラインナップも様々!
香川県のぶどうで作る赤・白・ロゼワイン、ホットワイン、スパークリングのほかに香川県産のいちご・すもも・梅で作るワインも!
「こんなにたくさんのワインを作ってるの?」と学生さんも驚かれていました。
中でも今購入するなら「香大農R-1」で作られている昨年の「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」がおすすめ!
ソヴァジョーヌは新酒と味わうのも良いのですが、1年経つとより美味しさが増します。
昨年のものと今年の新酒を飲み比べても面白いですよ〜♪
学生さんが注目していたのは、そんな「香大農R-1」のジュースとノンアルコールワイン。
「一般のジュースとは違って、風味が濃厚だよ。」と望岡教授。
ジュースはR-1らしい野生的なぶどうの香りをしっかりと感じられるものに。
ノンアルコールワインにはさぬき市産の桑の葉や小豆島産のオリーブの葉も加えてワインらしい味わいを表現しています。
味が想像しにくい!という方も一度味わってみてくださいね♪
ちなみに「香大農R-1」は通常のワイン用ぶどう「カベルネ・ソーヴィニヨン」の2〜3倍のポリフェノールを含むぶどう。
R-1のワインやジュースを飲むことで体も元気になっていくかも?!
(2階からの景色)
2階の休憩スペースからは絶景が!
窓から一望できる瀬戸内海の風景がとっても気持ちよかったです。
最後は名物の「さぬきワインソフト」で休憩!
ワインソフトという名前ですがアルコール度数は0.1%未満。
ワイナリーのワインとぶどうジュースを使ったソフトクリームで上品な赤ワインの香りをしっかり楽しめます。
新酒発売の日には大串半島のドライブがてら「さぬきワイナリー」と「さぬき市物産センター」に足を運んでみてはいかがでしょうか?
■大串半島ドライブスポットはこちら!
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