2022年10月28日

「SANUKI ReMIX2」でお披露目! 『褐色(かちいろ)』保多織ができるまで@津田

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香川県の伝統工芸や地場産業を支える職人たちと日本を代表するアーティストがコラボして、新しいアートプロダクトを生み出すイベント「SANUKI ReMIX2」。

今年は11月3日〜6日にかけて香川県高松市「玉藻公園」にて開催されますが…

さぬき市津田の藍染職人「Khimaira」の堀尾早敏さんもプロダクトの制作に参加されます!

保多織ファッションデザイナーの西川潤さんと盆栽師の平尾成志さんとのコラボで、11月3日に行われるファッションショーに使用する服を染めるそう。


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一体どんな色合いに保多織を染めていくのか…

気になる藍染めの工程を覗かせてもらいました!



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さぬき市津田、ふるさと海岸沿いにある天然藍染工房「Khimaira(キマイラ)」にやってきました。

こちらでは藍染職人 堀尾早敏さんが染め上げた藍染のアパレルアイテムが展示販売されています。


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堀尾さんは津田町出身、藍染師と藍染アーティストの2つの顔を持つ藍染職人。

自分自身で藍染をやってみたいと藍の本場・徳島で修行を積み、2019年に津田で工房「Khimaira」を立ち上げました。


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そんな「Khimaira」の堀尾さんが、11月3日に開幕するイベント「SANUKI ReMIX2」にアーティストとしてプロダクト制作に関わることが決定!

「SANUKI ReMIX」とは香川県の伝統工芸や地場産業を支える職人たちと、日本を代表するアーティストがコラボし、新しいアートプロダクトを生み出すプロジェクト。

「株式会社 人生は上々だ」の村上モリローさんがプロデューサーとなり、昨年から始まったイベントで、今年は11月3日〜6日に香川県高松市の「玉藻公園 披雲閣」で開催されます。

このイベントの良さは、これまでの伝統工芸展やアート展と違って、職人の技・伝統・その地域に根づく産業の良さが個性あふれる作品を通して体験できるところ。

職人たちがクリエイターたちとコラボすることで、さらに「ものづくり」の良さを感じることができます。


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今回堀尾さんが関わるのは、11月3日のイベント開幕時に開催されるファッションショー。

香川の伝統的工芸品「保多織」のファッションデザイナー ブティックjuneの西川潤さん、

瀬戸内国際芸術祭や海外での盆栽デモンストレーションでもお馴染みの徳島出身の盆栽師 平尾成志さんとのコラボで行われます。


この3人のコラボのきっかけは昨年行われた「SANUKI ReMIX」。

堀尾さんがブース出店をしている際、保多織ファッションデザイナーの西川さんとお隣同士に。

そこに平尾さんがひょっこりやってきて「藍染の衣装が欲しい」と3人で会話をしていたところ、イベントプロデューサーの村上モリローさんから「じゃあ次回3人でコラボしてみたら?」という一言が始まりに。

結果、今年の「SANUKI ReMIX2」にて西川さんと堀尾さんの手がけた服を平尾さんが着るファッションショーを開催することが決まりました!


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ファッションショーで保多織の制作を担当する西川さんはアパレル企業の販売員とて就職したのち、服飾に興味を持ち、2017年からは保多織の洋服を作り始めた方。

瀬戸内国際芸術祭の芝居衣装を制作したり、パリの展示会では浴衣生地で作るドレスや墨汁で染めたジャケットなどで日本古来の文化を親しみやすい形にアウトプットするアーティストとしてお馴染みです。


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仕上がった藍染の服を見に纏いランウェイを歩く平尾さんは、文化庁の拝命を受けて4か月で世界11ヵ国を周り日本固有の文化である盆栽の美意識とその楽しみ方教えるとともに、日本でも新しい生活空間に適した盆栽の提示や、若い世代への教育に力を入れている盆栽界の伝道師。

ベストジーニスト賞やコムデギャルソンのモデルとしてもお馴染みの、スタイリッシュなビジュアルに思わず見惚れてしまう方です。


一体どんな衣装になり、どんなふうに平尾さんが着こなすのか。

楽しみでたまらないコラボです!



「SANUKI ReMIX2」用の保多織を『褐色』に

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堀尾さんの工房にて今回のコラボについてもお話をお聞きしてみました。

(「Khimaira」堀尾さん)

「まだ服の形はできていないのですが、動きやすさを重視したデザインになる予定です。

 今は素材となる布を染めていますが、染め具合は平尾さんからのリクエストで『褐色(かちいろ)』という色にします。

『褐色』とはかなり濃い藍色で、「かち=勝ち」に通じる色として縁起をかついで武具の染め色やお祝いの時に昔から用いられてきました。

ご年配の方も藍染をリクエストする際にたまに『褐色で!』という方もいらっしゃいます。」


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『褐色』にするためには、とにかくめちゃくちゃ染めなくてはいけない!と堀尾さん。

いくつか用意している液のうち、一番濃く発酵している水槽へ保多織を浸して染色していきます。


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染める保多織の厚みもさまざま。

ごわごわとした感触のものから、肌触りが気にならないものまで。

通気性と吸水性の良い保多織と藍染の相性は抜群!


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3分ほどしっかりと布を液中で手繰りながら浸し、絞り上げます。


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カーキ色だったところが絞った途端、空気に触れて紺色に!

酸化して色が変わっていく、藍染めならではの化学反応です。


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通常だと5〜6回で止めるところを、『褐色』を目指して15回ほど染めていきます。

午前中いっぱい続くこの作業、体にも負担が…


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実際に『褐色』に染めてみた布があったので見せていただきました!

相当深い青色でこれは強そう…!!

まさに勝ちに行く色!


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美しく染められた『褐色』がどんな形に進化し、平尾さんとともに舞うのか。

西川さんがデザインし、堀尾さんが染めた藍染の保多織の衣装を着てのパフォーマンスは、「SANUKI ReMIX2」の開幕イベントとなる11月3日(木・祝)「保多織×藍染ファッションショー(10:30〜11:00)」にてお披露目されます。

ランウェイは桜御門の前に敷かれ、音楽に合わせてモデルから親子連れまでさまざまな方が自由に歩くというボーダレスなショーになる予定。

長身をフルに使いながら短時間で見事な盆栽を作り上げていく平尾さんが、ファッションショーではどんな姿を見せてくださるのか、楽しみです!

その後には3人でのトークセッション(11:30〜12:00)もありますので要チェック!


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ほかにも「SANUKI ReMIX2」では昼と夜の部に分かれてさまざまなプロダクトを楽しめます。

アーティザンとアーティストのトークセッションはもちろん、うどん打ちパフォーマンスや、盆栽パフォーマンス。

プロデューサーである村上モリローさんによる館内ツアー。


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美味しい体験として、丸亀市の「純手打ちうどん よしや」とアメリカのヴィーガンサイトで世界一位を獲得した「ヴィーガンレストラン 菜道」によるうどんレストランもオープン!(完全予約制・チケット事前購入が必要です)


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そして夜には1944年に国宝に内定されたものの高松空襲により失われ「幻の国宝」と呼ばれ、2022年7月に復元されたことで注目が集まっている玉藻公園の「桜御門」をプロジェクションマッピングするイベントも開催!


詳しくは「SANUKI ReMIX2」の公式サイトをチェック!→ https://s-remix.jp




SANUKI ReMIX2

会場/玉藻公園 披雲閣(香川県高松市)【地図】

開催日/2022年11月3日(木)〜6日(日)

Daytime Section/10:00〜16:30(最終入場は16:00)

Nighttime  Section/17:30〜21:00(最終入場は20:30)

入場料/Daytime 500円(高校生以下は無料・全員玉藻公園入園料別途)・Nighttime 1000円(玉藻公園入園料込)

お問い合わせ先/087-822-0033(JTB高松支店・9:30〜17:30 土日祝休)

公式サイト https://s-remix.jp


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posted by sanuki-asobinin at 08:00| 香川 ☁| Comment(0) | レジャー・アート・写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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