2022年12月16日

源内ってそんな一面もあったの?!『平賀源内の手紙』展開催中@志度

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さぬき市志度生まれ、江戸時代の奇才 平賀源内。

志度にある「平賀源内記念館」ではそんな源内が書いた手紙を特集する企画展

「平賀源内の手紙」展をただいま開催中!

来年2023年2月26日までの間、4期に分けて手紙を詳しく解読!

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なぜ4期に渡る展示が行われるのか?

この手紙には一体どんなことが書かれているのか?!

注目すべきポイントを「平賀源内記念館」学芸員の瀬来さんにお聞きしてきました!



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志度駅から歩いて10分ほどのところにある「平賀源内記念館」。

中には江戸時代後期に活躍した平賀源内が生涯関わったものや人に関する展示が所狭しと並んでいます。

展示ブースでは源内の生い立ちビデオからエレキテルまで、体験しながら源内の生涯を知ることができます。


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そんな「平賀源内記念館」で開催されている久しぶりの企画展が『平賀源内の手紙』展。

令和元年度に記念館が購入した新しい収蔵品である手紙を一般の方に公開!

源内の筆跡を間近に見ることができるチャンスです!


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しかも今回記念館が購入した源内の手紙は2通分が一本の巻物に入っており、その長さは実に7m80cm!

ガラスケース越しに見ても、これはかなり長いぞと…。

そのため企画展では来年2023年2月26日にかけて4期に渡って2通分を4つに分けてじっくり公開。


しかし実際にこの筆跡を見るだけでは一体何がなんだか。。。

そんな時におすすめなのが、虎の巻的ガイドブック「新収平賀源内書簡解説本」!!!


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平賀源内について長年研究されている大阪商業大学の石上教授が解説・監修してくださっている1冊。

8mもある手紙を企画展では紹介しきれない!ということで、今回公開されていない部分も全て掲載されています!

200円という価格がとってもありがたい〜〜!!


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解説本には手紙の画像とともに筆跡を読み解いた本文をわかりやすく活字で掲載。

さらに現代語訳が最後についており、どんな内容の手紙なのかが一目瞭然!

この解説本を眺めつつ、『平賀源内の手紙』からわかる注目すべきポイントを学芸員の瀬来さんに教えていただきました!



大阪にいた頃の源内の心境がこの手紙を通じて初めて明かされる

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手紙を書いた頃の源内は43歳。

宛先は平賀源内と親交が深かった地元の渡辺桃源をはじめとした3人の人物です。

42歳の頃、浄瑠璃『神霊矢口渡』の初演に続いて数々の浄瑠璃を上演したのち長崎へ渡り、その後小豆島を経由し大阪へ渡った源内。

しかしその時源内が大阪でどんなふうに過ごしていたのかはわかっていないそう。

この手紙はおそらく大阪に滞在している頃に書いたものだと推定され、その頃のリアルな心境が筆跡を通して伝わってきます。


自身が関わった浄瑠璃に対する世の中の批判、

大阪の人にお金の世話を気前よくしてもらっていること、

それに反して郷里では…といった皮肉めいた文章。

最初は穏やかな書き出しとともに、文字も整っていましたが、、、

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心境を綴るうちに力がこもり、筆が大きく動いて行間が詰まってきてる!!!

鬱憤を晴らしたい気持ち、

自分がこれまでやってきた功績を綴っての見栄張り、

また周囲の人間の動きに対する不満をぶつけていることがわかります。

常に前向きな人間だと思っていた源内もやはり悩み苦しむこともあったのだな…と感じるポイントです。


■言葉の駆け引きの一面も?

この手紙が書かれる随分前、源内の江戸での評判を聞き及んだ松平頼恭公は源内を再び召し抱えることに。

ただ源内の性格から藩に仕えることよりも自由を好み、辞職を願い出たことから、藩は源内へ非常に厳しい「仕官御構(しかんおかまい)」という条件をつけました。

仕官御構(しかんおかまい)…他家へ召し使えないように釘を刺すこと


その松平頼恭公が亡くなられたことから、恩赦で解かれると考えられていた源内の「仕官御構」ですが…

実際には解かれていなかったことから、それに対する強がりの一文も。

『〜しかしながら、私は初めから仕官は嫌でございます。したがって今回も一喜一憂しません〜』

地元の友人たちへこう書くことで、自分の待遇が実今後どうなっていくのかを調べてほしいという願いが込められているような雰囲気。

あえてストレートに言わず、駆け引きして真実を引き出す源内の新しい姿を見られて非常に新鮮に感じました。


このように、今回の『平賀源内の手紙』展では新しい源内の性格が見えてくるところがまさに面白いところ!

さらに同時展示されている実家のお母さんへ宛てた手紙と比べてみると、さらに違った一面が。

体調を気遣う人思いな源内がこちらからは垣間見られます。

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(今回は平賀源内記念館が収蔵の、源内が平賀家に宛てた手紙も同時に展示されています。)

ちなみに歴史的人物の手紙という文化財はなかなか後世に残らないため、手紙の展示は非常に貴重なもの。

それもそのはず、書いた本人の元には残らないのが手紙。

出した先がお寺や藩などであればまだ後世への保存の可能性はあるものの、一般の方へ出した手紙はほとんどが見つかりません。


(平賀源内記念館 学芸員 瀬来さん)

「今回は貴重な企画展である上、こういうスタイルで手紙を展示したのは初めてです。

 解説シートレベルのものを準備したのも新しい試み。

 展示では源内の筆跡から心情の変化を楽しんで、解説シートでじっくりと手紙の中身を読み解いてみてください。」



より詳しく「源内の手紙」について知りたい方は

平賀源内の手紙を解説本でわかりやすく解読して下さった大阪商業大学の石上教授が2回にわたって解説講演会を開催されます。

石上先生と一緒に源内の本来の性格をじっくりと読み解く楽しさを味わいましょう♪

■2022年12月18日(日)13:30〜15:30

「平賀源内の書簡より〜新収書簡を例として〜」

■2023年2月5日(日)13:30〜15:30

「平賀源内の書簡より〜書簡に見る源内の姿〜」

いずれも30名限定。

参加希望の方はお席の予約も受付中ですので平賀源内記念館までお問合せください。

席に空きがあれば当日参加ももちろんOK。

感染症対策を行った上でご参加ください。



12月は源内関連のイベントも

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12月17日(土)11:00〜には「平賀源内発明くふう展」の表彰式が、

同日13:30〜は平賀家の菩提寺である志度の「自称院」にて追善法要が執り行われます。

発明くふう展の受賞作品は翌年2月ごろにさぬき市役所市民ホールにて公開されますのでお楽しみに♪




「平賀源内の手紙」展
開催日時/2022年11月27日(日)〜2023年2月26日(日)
会場/平賀源内記念館1階展示室
内容/
第1期:1通目前半 2022年11月27日(日)〜2022年12月18日(日)
第2期:1通目後半 2022年12月20日(火)〜2023年1月15日(日)
第3期:2通目前半 2023年1月17日(火)〜2023年2月5日(日)
第4期:2通目後半 2023年2月7日(火)〜2023年2月26日(日)

平賀源内記念館
香川県さぬき市志度587-1【地図】
営業時間/9:00〜17:00
定休日/月曜日・年末年始(2022年12月28日〜2023年1月1日)
駐車場/あり
お問い合わせ先/087-894-1684

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posted by sanuki-asobinin at 00:00| 香川 ☀| Comment(0) | 歴史・文化財 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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