寒さが一段と厳しくなり、こたつや暖房で部屋を暖める日々が続く中、
自然と手が伸びてしまうのが旬の果物「みかん」。
口寂しくなると、ついつい1個、2個…あっという間に一箱無くなってしまうことも。
毎日のみかんを絶やさぬよう、人々が通い詰める場所がさぬき市にあります。
それがさぬき市造田にある「香川大学農学部附属農場」のみかん販売!
中には期間中何度も通い、贈答用と自宅用に何キロも購入していくリピーターさんも。
農学部みかんの人気の秘密を探りに、今年のみかん販売の様子を覗かせてもらいました。
さぬき市造田にある「香川大学農学部附属農場」にやってきました。
こちらは三木町にキャンパスを構える香川大学農学部の実習用農場で、お米・お茶・野菜・花・果樹などが敷地内で栽培されています。
実習用に育てたものは一般向けに販売されることもあり、夏場の桃・ぶどう販売は行列ができるほどの人気ぶり。
ですが、実は冬場のみかん販売も隠れたファンが多いのです!
香川大学農学部で育てている柑橘は10種以上。
はっさく・橙・シークワーサー・清美など、さまざまなものを育てていますが、その中でも一般販売を行う温州みかんは果樹収量としては農場で一番多いそう。
今年も毎年11月中旬ごろから一般向けに温州みかんの販売が始まったとお聞きし、12月16日に附属農場に足を運んでみると…
天井近くまで高く積まれたみかんコンテナが!
これらは事前に収穫し、しばらく置いてあるもの。
その理由は酸味を抜くためと傷のあるものを見分けるため。
中には収穫時に見えない傷が付いているみかんもあり、そういったものは数日経つと痛み腐ってくるため、あえて日を置いて選果するのだそう。
満を持して販売時期を迎えたみかんたちはサイズを分ける選果機によって大きさ別に分けられて対面販売の場に出てくるというわけなのです!
この選果機、自動的に穴の大きさに通るみかんを振り分けていくという優れもの。
一番小さい2Sサイズから大人の手のひら大の3Lサイズまで、大きさによって分けられていました。
見ていて飽きない…笑。
この日販売されていたのは2種類のみかん。
一級品と等外品があり、いずれも5kg単位で購入できます。
まずはこの時期が旬の「興津早生(おきつわせ)」。
昔ながらの品種で味がとても濃く、美味しいと評判のみかんです。
そして「小原紅早生」。
昭和48年、香川県坂出市の小原さんの農園で栽培していた「宮川早生」という温州みかんの枝に突然できた変異種のみかん。
平成5年には品種登録された香川県のオリジナル品種で、現在は県内各所でも栽培されています。
「小原紅早生」は真っ赤な皮の色合いと、通常の温州みかんに比べて完熟した甘さが特徴。
甘さが強く美味しいので、これを食べると他のみかんが食べられなくなるというお客さんも!
この日も販売開始30分で一級品の小さいサイズは売り切れ!
大玉サイズを残すのみとなっていました。
どちらのみかんも小さいサイズから売り切れていくのは何故なのか?
小さいみかんを飼われているお客さんにお聞きしてみると…
「小さい方が味が凝縮されていて美味しいと思うから。」
というコメントが多く聞かれました。
確かに前回の農学部みかん取材時にサイズ別の食べ比べをしてみましたが、大玉になるほど水分が多く、味も水っぽい印象でした。
今年も小さいサイズから売り切れていく傾向があるようです。
販売所では感染症対策で1組ずつお客さんと対面販売を行っており、
欲しいみかんの品種とサイズと量を伝えれば、その場で箱に詰めてくれます。
常連さんは箱持参!
最近は箱代も高騰しているので、もし家に箱があれば持ってきてくれたらと農場のスタッフさん。
この場所からの発送はできないので、皆さん持ち帰って離れて暮らす家族や親戚に送っているそう。
中には今年すでに3回買いにきているという方も!
まずは県外の方に送る贈答用のものを購入し、後日自宅用を買いに再度来られたのだとか。
ほとんどの方が周りの方の口コミでこの場所を知り、3年以上通い続ける常連さんばかりでした。
販売の様子を見学させてもらうと、みかんの好みは人それぞれというのがよくわかります。
通常の温州みかんが一番好きという方、等外品が美味しいという方、大玉が加工しやすいから買いにきたという方。
ちなみに等外品は栽培中に枝葉が当たり見た目が悪くなったもので、これまでは廃棄されていたのだそう。
廃棄するよりは多くの方に食べてもらえたらと手軽な価格で販売されることになりました。
香川大学農学部の果樹専門、望岡教授にお聞きすると
『等外品は傷がつきやすい外側になっていることが多く、その分日光をたっぷり浴びているので甘いみかんになっている可能性が高い』
とのこと!!
それは食べて確かめたい!!と
私も小原紅早生の等外品を5kg購入!!
箱いっぱいに詰め込んで、ワンコイン500円!!
この価格、嬉しい〜!!!
実際に家族で食べてみましたが、どれも甘くて味が濃い〜!と笑顔に♪
自宅用なら等外品でも十分満足できるので、みかん消費量が多いご家族にはおすすめです♪
農学部のみかんはまもなく小原紅早生のシーズンが終了し、温州みかんも「興津早生」から「石地」という品種にシーズンが以降。
販売は年明けまで続く予定ですが、売れ行きによっては年内に終了することも。
香川大学農学部附属農場のホームページで最新情報を確認して、お早めに足を運んでみてくださいね。

・4月10日頃〜 果物野菜苗販売(ナス、トマト、キュウリ、ピーマン、スイカなど)
・6月下旬頃〜 煎茶
・6月下旬〜7月上旬 桃
・8月〜9月下旬 ぶどう(ピオーネ、巨峰など)
・11月頃〜 みかん(12月には小原紅早生も)
・12月中旬頃〜 シンビジウム
その他、草花類(パンジー、ビオラ、日々草、ペチュニア)、野菜苗(キャベツ、ブロッコリー、白菜、玉ねぎ)なども季節ごとに販売。
大学生協、医学部売店でも生産物を販売していますので、ぜひ覗いてみてくださいね♪
【香川大学農学部附属農場 みかん販売】
販売日時/毎年11月中旬ごろ〜翌年1月上旬の平日 9:00〜11:30(売り切れ次第終了)
販売場所/附属農場内建物(香川県さぬき市昭和300-2【地図】
駐車場/あり